この記事のポイント!
この記事を読むことで、『Netflix ブラックミラー シーズン2』に関する様々な情報が手に入ります。視聴を検討中の方も、既にファンの方も、きっと新たな発見があるはずです。
●『Netflix ブラックミラー シーズン2』の基本情報が分かる
●Filmarksから読み解く世間の声(肯定的/否定定期意見)が分かる
●『Netflix ブラックミラー シーズン2』のネタバレなし感想&10点満点評価
●ネタバレありあらすじ解説
●ネタバレあり感想&妄想考察、などこの作品に関するあらゆる情報が得られる

この記事を通じて、作品の多層的な魅力を探求し、視聴体験をより豊かなものにしていきましょう。そうなったら嬉しいです。
『ブラックミラーシーズン2』基本情報をサクッと解説!
●公開日/配信開始日: 2013年2月11日~2013年2月25日 (英国Channel4にて放送)
Netflixでは現在配信中
●上映時間:
第1話「ずっと側にいて」: 49分
第2話「シロクマ」: 43分
第3話「時の”クマ”、ウォルドー」: 44分
●ジャンル: SF、サスペンス、ドラマ、風刺もの
●監督:
第1話「ずっと側にいて」: オーウェン・ハリス
第2話「シロクマ」: カール・ティベッツ
第3話「時の”クマ”、ウォルドー」: ブリン・ヒギンズ
●脚本: チャーリー・ブルッカー
●マーサ役/ヘイリー・アトウェル (第1話)
●アッシュ役/ドーナル・グリーソン (第1話)
●ヴィクトリア役/レノーラ・クリッチロウ (第2話)
●ジェイミー・ソールター役/ダニエル・リグビー (第3話)
"きっと観たくなる"『ブラックミラーシーズン2』のあらすじ

『ブラックミラーシーズン2』は、前シーズンに引き続き、テクノロジーが私たちの生活や人間関係に及ぼすダークな側面を、ユニークな視点から描き出します。
ここでは、各エピソードの魅力をネタバレなしでご紹介します。
突然の事故で最愛の恋人アッシュ(ドーナル・グリーソン)を失ったマーサ(ヘイリー・アトウェル)。
深い悲しみの中、彼女はアッシュのSNSなどのオンライン上の活動履歴を基に、彼そっくりのAIとして再現するサービスを知ります。
最初は戸惑いながらも、AIとのコミュニケーションに慰めを見出すマーサ。
失われた愛する人をテクノロジーで「取り戻す」ことは可能なのか、そしてその先に待つものとは?
愛と喪失、そしてデジタルの存在意義を問いかける物語です。
見知らぬ家で目覚めたヴィクトリア(レノーラ・クリッチロウ)は、一切の記憶を失っていました。
外に出ると、人々は無関心にスマホで彼女を撮影し続け、謎の仮面の人物たちが彼女を執拗に追い詰めまる。
なぜ自分は追われるのか?
周囲の人々は何故助けてくれないのか?
そして、繰り返し現れる奇妙なマークの意味とは?
逃走劇の中で徐々に明らかになる衝撃の真実が、観る者に倫理的な問いを突きつける。
売れないコメディアンのジェイミー(ダニエル・リグビー)は、子供向け番組の毒舌なCGキャラクター「ウォルドー」の中の人。
ある日、プロデューサーの思いつきで、ウォルドーが地元の補欠選挙に立候補することになる。
過激で下品な物言いのウォルドーは、既存の政治家への不満を抱える大衆から予想外の支持を集め、事態は思わぬ方向へ。
単なる冗談が現実の政治を動かし始めた時、その先に待つのは希望か、それとも破滅か?
メディアとポピュリズムの危険な関係を描く風刺劇です。
世間の声:Filmarksユーザーの『ブラックミラーシーズン2』評価は?

日本のドラマ・映画レビューサイトFilmarksでは、『ブラックミラーシーズン2』に対してどのような声が寄せられているのでしょうか。
肯定的な意見と否定的な意見、両方を見ていきましょう。
絶賛の声多数!『ブラックミラーシーズン2』の魅力!
●考えさせられるテーマと現代社会への鋭い風刺
●記憶に残る衝撃的な展開と後味の悪さ
●数年経っても色褪せないクオリティと先見性

Filmarksのレビューを見ると、シーズン2もまた、多くの視聴者に強い印象を残していることがわかります。
特に評価されているのは、やはり『ブラックミラー』ならではのダークで考えさせられるテーマ性です。
否定的な意見『ブラックミラーシーズン2』の課題点
●シーズン1ほどの衝撃はないと感じる声も
●エピソードによっては好みが分かれる
●人によっては不快感や気分の悪さを強く感じる可能性

一方で、全てのエピソードが万人に受け入れられているわけではありません。
一部の視聴者からは、「シーズン1と比べると、ややパワーダウンしたかなと感じる」といった、前シーズンとの比較からくる物足りなさを指摘する声も見られます。
『ブラックミラーシーズン2』ネタバレ無し感想&10点満点評価
『ブラックミラーシーズン2』気になる点数は?
『ブラック・ミラー』のシーズン2は、シーズン1で示された「テクノロジーと近未来社会」というテーマ性を引き継ぎつつ、さらに内容を掘り下げている印象でした。
各エピソードは独立した物語ですが、現代社会の問題点や、普遍的な人間の感情といった部分に焦点を当てており、全体的に質の高い内容だと感じました。
扱われているテーマには、喪失感や罪、政治とメディアの関係など、重いものもありますが、それらをSF的な設定の中で上手く描いていると感じます。
もちろん、エピソードによっては好みが分かれる部分もあるかもしれませんが、シーズンを通して、視聴後に色々と考えるきっかけを与えてくれる要素が含まれているのが面白い。
また、「シロクマ」のような、観た後に強い印象を与える衝撃的な展開を持つエピソードもあり、シリーズ特有の作風も健在です。
後のシーズンと比較しても見劣りしない内容で、シリーズの持つ魅力が詰まったシーズンの一つと言える。
もし興味があれば、ご覧になってみても良いかもしれません。
『ブラックミラーシーズン2』のあらすじを詳しくご紹介
第1話「ずっと側にいて」
若いカップルのマーサとアッシュは、郊外に新しい家を購入した直後でした。
しかし、その翌日、アッシュはレンタカーを返しに行った際に不慮の事故で命を落としてしまう。
悲しみに暮れるマーサに対し、友人のサラは、亡くなった人のSNSやメールといったデジタル記録をもとに、その人格を再現したAIとコミュニケーションが取れるサービスがあることを教える。
マーサは最初、その提案を拒否しますが、自身がアッシュの子どもを妊娠していることを知ると、孤独感からそのサービスを利用し始めた。
AIのアッシュとのやり取りは、最初はテキストメッセージからでしたが、やがて音声通話も可能になる。
まるでアッシュ本人が生きているかのような感覚に、マーサは次第にそのAIを心の拠り所とするようになる。
さらに、AIを搭載し、アッシュにそっくりな外見を持つアンドロイドを提供するサービスがあることを知らされる。
マーサは悩みますが、最終的にそのアンドロイドを購入。
目の前に現れたアンドロイドのアッシュに、マーサは喜びを感じる一方で、どこか違和感を抱く。
アンドロイドはマーサの指示には従順ですが、生前のアッシュが持っていた否定的な側面や、予測できないような人間らしい行動は再現されません。
これは、AIがアッシュのオンライン上のポジティブな情報のみを学習したためだった。
あまりにも完璧で人間味を感じられないアンドロイドに対し、マーサは徐々に不満を感じ始める。
ある晩、彼女はアンドロイドに崖から飛び降りるように言いますが、アンドロイドは恐れる様子もなく、ただ指示に従おうとする。
その様子を見て、マーサはこのAIが決して本物のアッシュの代わりにはなれないことを痛感する。
物語の終わりでは数年が経過し、マーサは娘と二人で暮らしている。
あのアンドロイドは処分されず、家の屋根裏部屋に置かれていた。
娘は時々、屋根裏部屋にいるアンドロイドのもとへ「お父さん」として会いに行きます。
マーサは、アンドロイドという過去の存在を手放すことなく、ある種の歪みを抱えたまま生活していくことを選んだように描かれる。
第2話「シロクマ 」
ヴィクトリアは、記憶がない状態で、見覚えのない部屋で目を覚ます。
テレビ画面には見慣れない記号が表示されている。
家の外に出ると、周りの人々はスマホを向けて彼女を撮影するだけで、誰も助けてくれません。
そこへショットガンを持った仮面の人物が現れ、ヴィクトリアを追ってくる。
懸命に逃げるヴィクトリアは、自分と同じように追われているという女性ジェムと男性バクスターに出会う。
彼らの話によると、謎の信号「ホワイト・ベア」の影響で多くの人が感情をなくし、ただ出来事を記録するだけの「傍観者」になってしまったとのこと。
そして信号の影響を受けなかった少数の人々が「狩人」と呼ばれる者たちに追われていると聞かされれる。
この状況から抜け出すには、信号を発している「ホワイト・ベア送信所」という電波塔を破壊する必要があると説明を受ける。
3人は協力し、傍観者や狩人の追跡を避けながら送信所を目指す。
その途中、ヴィクトリアは断片的な記憶が蘇る感覚に襲われる。
ようやく送信所に到着し、ヴィクトリアが送信所の装置を壊そうとしたその時、壁が開き、そこが観客席であるとわかる。
これまでの追跡劇などは全て、ヴィクトリアに科せられた罰のための、演出されたショーだった。
ステージにバクスターが現れ、事の真相を説明し始める。
ヴィクトリアの本当の名前はエイミーであること。
彼女は過去に、恋人と一緒に幼い少女を誘拐して殺害し、その様子をスマホで記録していたこと。
世間に大きな衝撃を与えたこの事件の犯人エイミーに対して、社会が科した罰が、この「ホワイト・ベア・ジャスティス・パーク」で行われる、公開的な見世物としての罰だった。
ジェムやバクスター、狩人、そしてスマホで撮影していた傍観者たちは、実はパークのスタッフや、参加費を払ってこのショーを見に来た観客たちでした。
エイミーは毎日記憶をリセットされ、同じ恐怖体験を何度も繰り返させられる。
ショーの終わりには、エイミーは椅子に縛り付けられ、観客から罵声を浴びせられながら記憶を消去され、再び最初の部屋に戻される。
そして次の日、また同じ出来事が繰り返されるのでした。
第3話「時の”クマ”、ウォルドー」
コメディアンのジェイミー・ソールターは、深夜の風刺番組で、CGキャラクターである青いクマ「ウォルドー」の動きと声を担当している。
ウォルドーは下品で攻撃的な発言を繰り返すキャラクター。
ある日、番組のプロデューサー、ジャック・ネイピアは、ウォルドーの人気を利用して、地元の補欠選挙にウォルドーを「候補者」として立てることを発案する。
ジェイミーは本意ではありませんでしたが、仕事としてウォルドー役を務め、選挙活動に関わることになる。
選挙活動でウォルドーは、街宣車から他の候補者を下品な言葉で批判したり、討論会を混乱させるなど、過激な言動で人々の注目を集める。
特に保守党候補のモンローを繰り返し攻撃し、労働党候補のグウェンドリン・ハリスに対しても辛辣な言葉を向ける。
既存の政治に対する人々の不満や無関心を利用する形で、ウォルドーは支持を集めていく。
しかし、ジェイミーは、自分が演じるキャラクターが単なる風刺の域を超え、現実の政治に影響を及ぼし始めたことに罪悪感を抱くようになる。
彼は個人的にグウェンドリンに謝罪し、ウォルドー現象がもたらす危険性を伝えようとしますが、彼女は聞く耳を持ちません。
一方、プロデューサーのネイピアはウォルドーの持つ影響力に着目し、アメリカのエージェントと手を組み、ウォルドーを世界規模の政治的アイコンとして利用しようと計画を進める。
選挙戦の終盤、ジェイミーは街頭でウォルドーの内実を暴露して投票しないように訴えますが、ネイピアによって解雇され、その場にいた人々からも暴力を振るわれる。
選挙の結果、ウォルドーは当選しませんでしたが、現職の候補者モンローよりも多くの票を得る結果となる。
数年後、街中にはウォルドーのイメージが広く使われていた。
ホームレスとなったジェイミーは、窓に映ったウォルドーの映像に対し、石を投げつける。
これは、ウォルドーがもはやジェイミー個人の手を離れ、より大きな影響力を持つ存在へと変わってしまったことを示唆している。
『ブラックミラーシーズン2』ネタバレ感想&勝手に妄想考察

ここからは、各エピソードについて、さらに深く掘り下げた考察と、オリジナルの妄想を展開していきます。
観た人が抱いたであろう疑問や、物語の裏に隠された意味を探っていきましょう。
「ずっと側にいて」ネタバレ妄想考察
データに残る「私」と、失ったもののかたち
このエピソードは、大切な人を失った悲しみという、誰もが経験しうるテーマを、現代のAI技術という視点から描いている。
物語に出てくるアッシュのAIは、彼が残したデジタルの足跡(SNSの投稿やメールなど)をもとに作られた。
これは、現代では、僕たちの行動や発言の一部がデータとして残り、それがその人を形作る一部になっているという現実を反映していると言える。
しかし、物語が示しているのは、データだけでは人間の持つ複雑さや深み、特に否定的な感情や、記録に残りにくい日常の細かな感情の動きまでは再現できない、という限界があること。
AIとして再現されたアッシュは、マーサが知っていた「完璧ではない」アッシュ本人ではなく、ある意味で、オンライン上で見せていた側面や、取捨選択されたアッシュの一部でしかなかった。
このずれが、マーサが感じた違和感や不満の原因であり、テクノロジーを使っても、失った存在を完全に埋め合わせることはできない、ということを示している。
なぜマーサはアンドロイドを手放さなかったのか?
物語の最後で、マーサがアンドロイドを屋根裏に置き続ける選択をした背景には、単純な愛情だけではない、複雑な気持ちがあったと考えられる。
それは、アッシュへの断ち切れない思いや、心の拠り所としていた部分があったのかもしれません。
あるいは、娘のために「父親」のような存在を残したいという、複雑な母親としての感情もあったのかもしれません。
もしかしたら、一度手に入れてしまった「アッシュに似た何か」を手放すこと自体が、まるで再びアッシュを失うかのように感じられた可能性もある。
このようなはっきりしない結末は、人が喪失感を抱えたときに、それといかに複雑に向き合っていくかを表しているのかもしれません。
勝手にその後を妄想:娘とアンドロイドの関係
マーサの娘が大きくなった時、屋根裏にいるアンドロイドは、彼女にとってどんな存在になるんだろうか。
物心ついた時から家にある存在として、特別な感情を持つようになるかもしれません。
あるいは、母親が過去に抱えていた何かを感じ取り、不気味さや苦手意識を持つ可能性も考えられる。
もし将来、AI技術がもっと進歩して、記憶を書き換えたり、人格を更新したりできるようになったらどうでしょうか?
想像ですが、マーサは、娘にとっての「理想の父親」像をアンドロイドに反映させようとするかもしれません。
そうなった場合、さらに難しい倫理的な問題や、いびつな家族の関係性が生まれてしまうのではないでしょうか?
「シロクマ」ネタバレ妄想考察
「正義」が見世物になるとき、傍観者は何を思うか
「シロクマ」というエピソードは、罪に対する罰がどのように行われるべきか、そしてそれをエンターテイメントとして消費してしまう現代社会の問題点を鋭く問いかけているように思える。
ヴィクトリア(エイミー)が受ける罰は、単に罪を償わせるというより、大衆に向けた公開的な見世物であり、参加者はその様子をスマホで記録し、まるでSNSで拡散されるような状況を思わせる。
これは、ネット上での個人攻撃や、他人の不幸を安全な場所から見て楽しむような、現代の人々のある側面を風刺的に描いていると言える。
また、毎日記憶を消されるという設定は、加害者が反省したり更生したりする機会はなく、ただ終わりのない苦痛を経験させるだけであり、これが本当の意味での「正義」と言えるのか、という疑問を投げかけているのかも。
記憶消去の技術やスマホといったテクノロジーは、この特殊な、現代技術を使った儀式的な見世物を可能にする道具として使われている。
そして、周りで無関心に撮影を続ける傍観者たちの行為は、結果としてこのシステムに加担しているとも言えるかもしれない。
誰が、なぜこの「パーク」を運営しているのか?
作中では、「ホワイト・ベア・ジャスティス・パーク」を誰が運営し、どのような法的根拠に基づいているのかは、はっきり描かれていません。
国が定めた正式な罰なのか、あるいは民間企業が利益のために行っているショーなのか。
いずれにしても、このような仕組みが社会で受け入れられているという状況は、この物語の世界の倫理観が、僕たちの感覚とは大きく異なっていることを表している。
ヴィクトリアが犯した罪は非常に重いものですが、それに対する罰として、このような方法が「正義」の名の下に行われる社会とはどういうものか、深く考えさせました。
勝手にその後を妄想:パークの陳腐化と変化の可能性
もし、このパークができてから数年経ったらどうなるでしょうか?
最初は衝撃的だったショーも、繰り返されるうちに観客は慣れてしまい、より強い刺激を求めて演出がエスカレートしていくかもしれません。
あるいは、スタッフや観客の中から、このやり方の非人道性に疑問を持つ人が現れ、ヴィクトリアを助けようとしたり、外部にこの実態を知らせようとしたりする動きが出てくる可能性も考えられる。
また、もし何らかの技術的な問題で、ヴィクトリアが記憶の一部を保ち始めたらどうだろう。
繰り返される悪夢の中で、彼女が自分を取り戻し、この状況に立ち向かおうとする…そんな展開もあり得るかもしれません。
「時の”クマ”、ウォルドー」ネタバレ妄想考察
「中身のない反抗」が招くポピュリズムの危うさ
「時の”クマ”、ウォルドー」は、政治への関心が薄れたり、不信感が広がったりしている現代社会で、ポピュリズムがどのように力を持ちやすいかを描いているようでした。
ウォルドーは、既存の政治家を痛烈に批判することで人気を集めますが、ウォルドー自身には具体的な政策や将来像は示されなかった。
その魅力は、内容よりも過激な言葉遣いや、既存の体制に逆らう姿勢といったイメージにある。
これは、複雑な現実の問題から目をそらし、単純で分かりやすい言葉に惹かれやすい人々の心理を巧みに利用しているように映った。
ウォルドーは、まさに「中身のない反抗」を象徴する存在であり、具体的な解決策を示さない批判が持つ危険性を表現しているのか。
アメリカのエージェントがウォルドーに関心を持つ場面は、このような中身のないアイコンが、単なる一国内の政治風刺にとどまらず、国境を越えたプロパガンダや世論を操作するための道具として悪用される可能性を示している。
物語の最後の場面で、ジェイミーがホームレスになっている一方で、ウォルドーのイメージが世界に広がっている様子は、この危うい可能性が現実のものとなった未来を描いているとも考えられる。
アメリカのエージェントはウォルドーをどう使ったのか?
作中で具体的に描かれてはいませんが、アメリカのエージェントたちがウォルドーを世界的に影響力のある道具として使おうとしていたことが伺える。
例えば、他国の選挙に介入したり、特定の政治家に対する否定的なキャンペーンを行ったり、あるいは単に社会の対立をあおるための道具として使われた可能性が考えられる。
ウォルドーのような、誰が「中の人」かわからないキャラクターは、誰が責任を持っているのかを曖昧にしたまま、人々を特定の方向へ誘導するには都合が良かったのだろう。
勝手にその後を妄想:ウォルドー現象の世界的な広がりとジェイミーの反撃
もしウォルドーが世界中に広まり、それぞれの国の文化や政治に合わせて姿を変えた「ご当地ウォルドー」のようなものが次々と現れる未来はどうでしょうか?
それらが、各国の政府や特定のグループによって、世論を操作したり、対立する候補者を中傷したりするために使われ、結果的に国と国の間の緊張を高めてしまうかもしれません。
一方、すべてを失ったジェイミーが、今度は匿名性を利用して、インターネット上で「反ウォルドー」の活動家となり、かつて自分が作り出したものに立ち向かう…そんな皮肉な展開もあるかもしれません。
あるいは、ウォルドーを演じていた経験をもとに、何か新しい形で風刺や抵抗を試みるのかもしれません。
まとめ:『ブラックミラーシーズン2』の魅力を一言で表すなら…
『ブラックミラーシーズン2』の魅力を凝縮すると、以下の点が挙げられるでしょう。
●テクノロジーと人間の未来を考えさせる問い
●巧みなストーリーテリングと質の高い映像表現
シーズン2は、テクノロジーがもたらす光と影、人間の持つ普遍的な弱さや欲望、そして社会が抱える歪みを、時に恐ろしく、時に物悲しく描き出している。
2013年の作品でありながら、そのテーマ性は色褪せることなく、むしろ現代においてより一層のリアリティをもって迫ってくるようです。

単なるSFドラマとして楽しむこともできますが、各エピソードが投げかける問いは深く、視聴後も長く心に残り、僕たちの現実世界の見方をも変えてしまうかもしれません。
『ブラックミラー』は、ただの娯楽ではありません。
それは、僕たちが生きるこの時代と、これから向かうかもしれない未来を映し出す、歪んだ鏡なのです。
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