『ブラック・ミラー』シーズン7 第6話「宇宙船カリスター号: インフィニティの中へ」ネタバレ無し感想
第6話「宇宙船カリスター号: インフィニティの中へ」気になる点数は?
シリーズ初の直接的な続編ということで、大きな期待を持って視聴。
シーズン4の人気エピソード「宇宙船カリスター号」のその後を描く本作は、期待を裏切らない、いや、ある意味で期待を上回る衝撃を与えてくれる一作でした。
前作のファンであれば、間違いなく必見のエピソードです。
続編としての評価ですが、単なる後日談に終わらず、物語の世界観をさらに深く、広く掘り下げている印象。
自由を手に入れたかに見えたカリスター号のクルーたちが、広大なオンラインゲームの世界で新たな困難や脅威に直面する展開は、前作とはまた違ったスリルとサスペンスに満ちています。
企業の陰謀なども絡み、より複雑で息つく暇もないストーリーになっており、続編として十分な見ごたえがありました。
クローンたちの必死のサバイバルと、彼らを取り巻く状況の厳しさには、思わず引き込まれる。
自由を手に入れることの難しさ、そしてその先にある更なる試練が描かれており、単なるSFアドベンチャーに留まらない深みを感じさせてくれました。
そして、ラストに対する意見ですが…これはまさに『ブラック・ミラー』。
一筋縄ではいかない、非常に衝撃的な結末が待っていました。
希望が見えたかと思えば、また別の、もしかしたら以前よりも厄介な困難が訪れることを示唆するような終わり方です。
観終わった後には、その強烈なインパクトに呆然とし、後味の悪さとともに「この先どうなるんだ…?」と考えずにはいられませんでした。
賛否は分かれるかもしれませんが、これぞ『ブラック・ミラー』と言える、忘れられない余韻を残すラストだったと思います。
『ブラック・ミラー』シーズン7 第6話「宇宙船カリスター号: インフィニティの中へ」:ネタバレ感想&勝手に妄想考察

『ブラック・ミラー』史上初の直接的な続編!
あの衝撃的なシーズン4第1話「宇宙船カリスター号」のその後が描かれるとあって、期待せずにはいられませんでしたね。
そして、その期待に応えつつ、予想を裏切る新たな地獄を見せてくれるあたり、やはり『ブラック・ミラー』は一筋縄ではいきません。
第6話「宇宙船カリスター号:インフィニティの中へ」:自由の果て、新たな牢獄
前作でデイリーの支配から脱出し、広大なオンラインゲームの世界へ飛び出したカリスター号のクルーたち。
自由を手にしたかに見えましたが、今作ではその「自由」がいかに脆く、危険なものであったかが描かれる。
「タグなし」の異分子として追われ、パーマデス(完全消滅)の恐怖と隣り合わせのサバイバル。
そこに、現実世界の企業の陰謀や、新たな敵(現実のウォルトン)が絡み、物語は息つく暇もない展開を見せる。
特に、会社の保身のためにクローンたちを平然と消去しようとする現実のウォルトンの卑劣さは、デイリーとはまた違った質の「悪」を感じさせる。
そして、物語の鍵を握る存在として別のクローン・デイリーが登場する展開も皮肉が効いていて良かった。
最終的に、ゲーム世界そのものが崩壊する中、ナネットの意識が現実の身体に戻る…までは、ある種の救いかと思われました。
しかし、彼女の頭の中に全クルーの意識が転送されてしまうという結末!
これはもう、悪夢としか言いようがありません。
物理的な牢獄から、今度は精神という究極の閉鎖空間へ。
一難去ってまた一難、しかもより深刻でパーソナルな問題に直面するという、まさに『ブラック・ミラー』らしい、救いようのない、それでいて強烈なインパクトを残す幕切れでした。
なぜウォルトンは、別のクローン・デイリーを「インフィニティの中心」に閉じ込めていたのか?
ゲーム世界の効率的な構築・管理のため。デイリーの才能の利用。
●僕の考察
「インフィニティの中心」とは、デイリーが最初に作り上げた改造サーバーのコア部分、あるいはその設計思想を受け継ぐ特別な領域だったのではないか?
ウォルトンは、デイリーの死後、その技術的遺産を秘密裏に確保し、ゲームのアップデートや維持管理のために、デイリーのクローンを「奴隷」として酷使していたと考えられる。
そこは、デイリーの創造主としての権限が及ぶ、いわば「神の領域」であり、ウォルトンはその力を利用しつつ、デイリー自身をそこに幽閉することで、技術を独占していた。
彼は、デイリーの歪んだ支配構造を、よりシステマティックな企業的搾取として再現していたのでは?
現実のウォルトンの真の目的は? 保身か、野心か?
会社の法的責任回避、スキャンダル隠蔽。
●僕の考察
ウォルトンの行動原理は、単なる保身に留まらない、デイリーが生み出した技術(意識のデジタル化、仮想空間での支配)を掌握し、それを利用して新たな権力や富を得ようとする強い野心に基づいていたのではないか。
クローンたちの存在は、その計画の障害であり、危険因子。
だから消去しようとした。
ナネットのグレインを奪ったのも、口封じと同時に、彼女の意識データやログイン権限を手に入れ、クローン技術とインフィニティへの完全なコントロールを確立するためだったのではないか?
彼はデイリー以上に計算高く、冷酷な「悪」なのかもしれない。
最後の衝撃的な意識転送は、なぜ、どのようにして起こったのか?
デイリーの死がなぜ、クルー全員の意識をナネットの頭の中に? バグ? 偶然? 誰かの意図?
●僕の考察
これは、デイリーが仕組んだ最後の「呪い」であり、「皮肉なバックアップ」だったのではないか。
自分が殺される、あるいはシステムが崩壊する際のフェイルセーフとして、クローンたちの意識データを消去するのではなく、反乱の主導者であるナネットの意識(現実の身体へ戻るパスが確保されていた)に強制的に統合させるという、悪意に満ちたプログラムが組み込まれていたのでは?
「自由など存在しない、お前たちは永遠に私の手の内だ」という、デイリーの最後の嘲笑です。
ナネットの精神は、クルーたちにとってリソースの限られた極小サーバーとなり、物理的な牢獄から精神的な牢獄への「転送」を意味する。
これは救済ではなく、デイリーの歪んだ支配欲が形を変えて存続することを意味するのかもしれない。
【ナネット(とクルーたち)のその後を勝手に妄想考察!】

自分の頭の中に仲間たちがいる、という前代未聞の状況に置かれたナネット。
彼女たちの未来は?
ナネットの精神という限られた空間で、複数の意識が主導権やリソースを巡って争い始めるかも。
かつての仲間が、今度は生存をかけた敵となる。
あるいは、多数の意識の存在にナネット自身の精神が耐えきれず、徐々に統合性を失い、精神的な崩壊を迎えてしまう。
肉体はあっても、その内側は地獄と化す…みたいな。
逆に、カリスター号で培われた団結力を発揮し、この異常事態を乗り越えようとするのかも。
ナネットの精神内で情報を共有し、役割分担し、交代で外部と接触を図るなど、奇妙な共生関係を築き上げる。
外部に助けを求め、この状況から脱出する方法を模索する、困難な戦いが始まったりして。
ナネットは、頭の中のクルーたちの多様な知識やスキル(特にプログラミングやハッキング能力)を、自身の精神をインターフェースとして利用することで、現実世界に影響を及ぼす力を持つようになるのではないか。
彼女は、物理的な身体を持ちながら、同時に強力な集合知性を内包する、全く新しい「ハイブリッド存在」へと変貌する。
彼女たちは、ウォルトンやインフィニティ社(あるいはその後継組織)の悪事を暴き、デイリーが生み出した技術の危険性を世界に警告するのかも。
しかし、それは彼女たち自身が新たな脅威と見なされ、追われる危険もあるかも。
彼らの戦いは、仮想空間から現実世界へ、そしてナネット自身の精神内部へと移行し、より複雑で終わりなきものとなっていくのかもしれない。

「宇宙船カリスター号: インフィニティの中へ」は、ファン待望の続編として、オリジナルのテーマ性を引き継ぎつつ、企業の陰謀や新たな倫理問題を加え、さらに複雑でダークな物語へと昇華させていた印象。
自由とは何か、意識とは何か、そしてテクノロジーは私たちをどこまで変えてしまうのか。
衝撃的な結末は、僕たちに重い問いを投げかけ、シリーズの持つ底知れぬ深みを改めて感じさせてくれた気がします。
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