今回、紹介する作品は『カレンダー・キラー』です。
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『カレンダー・キラー』のあらすじ&キャスト紹介!
序章:連続殺人犯カレンダー・キラーから女性を救え
危険にさらされた女性たちをサポートするヘルプラインで働くジュールズ。
ある日、「カレンダー・キラー」と名乗る連続殺人犯に狙われていると訴えるクララから電話を受けます。クララは、犯人が被害者の壁に不吉な殺人予告(カレンダー)を貼り付けるという特徴から、自分が次の標的だと確信していました。
ジュールズはクララの不安を聞きながら、事件の真相に迫ろうとしますが、犯人の巧妙な手口に翻弄されていきます。果たして、ジュールズはクララを救うことができるのか?
そして、カレンダー・キラーの正体とは一体…?
この記事は、一部プロモーションを含んでいます。
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- ルイーゼ・ハイアー: クララ役(連続殺人犯に狙われる女性)
- サビン・タムブレア: ジュールズ役(ヘルプラインのオペレーター)
- フリードリヒ・ミュッケ: マーティン役(クララの夫)
![YOSHIKI](https://www.yoshiki5291-movie-selection.com/wp-content/uploads/2024/11/cropped-FB_IMG_1682828441634-1.jpg)
『カレンダー・キラー』は、どんな人にお薦め?
🔸スリラー映画が好きな方: 予測不能な展開や、ハラハラドキドキする展開が好きな方にはたまらない作品なはず!
🔸謎解き要素のある映画が好きな方: 事件の真相や、犯人の動機など、謎解き要素が満載!
🔸女性が活躍する映画が好きな方: 危険な状況下で、女性たちが互いを支え合い、立ち向かう姿に強さや絆を感じることができるぞ!
『カレンダー・キラー』の見どころ&魅力を解説!
予測不能な展開とスリリングな心理戦
最後まで明かされない連続殺人犯カレンダー・キラーの正体が常にヒリヒリさせる空気感を生み出している。
また、女性たちをサポートするヘルプラインで働くジュールズ。
連続殺人犯に12月6日に死の宣告をされているとジュールズに助けを求めたクレア。
クレアに対するDV疑いがある夫・マーティンなど各登場人物の思惑が交錯し、展開が予想出来ない。
犯人と被害者、関わる人物たちの心理戦がスリリングで謎が謎を呼ぶ心理戦の欧州が面白い!
社会問題への鋭い視点
ドイツでは、女性に対するDVが深刻な社会問題となっている。
その社会問題を正面から扱った意欲作であると同時にミステリー作品として非常に優秀。
また、権力を持つ者とその権力に翻弄される者の対比が描かれ、社会構造そのものの闇や問題を浮き彫りにしている作品とも言える。
人間の心の深層をえぐるドラマ
愛情と憎しみ、信頼と裏切りなど、人の心の複雑さを描き出しており、孤独な人間が他人との繋がりを求める切実な願いやその歪んだ形も描いている。
正義とは何か、悪とは何か?その境界線はどこにあるのか。
そんな哲学的な問いも投げかけているように感じる。
個人的評価(10点満点評価)&ネタバレ無し感想
10点満点中/8点
![YOSHIKI](https://www.yoshiki5291-movie-selection.com/wp-content/uploads/2024/11/cropped-FB_IMG_1682828441634-1.jpg)
ドイツ産Amazonprimeオリジナル映画である今作は、ラストにどんでん返しが待っている作品でしたよ!DVシーンや自殺等のシーンが多いので、苦手な人は閲覧注意な作品でもあるけど、情報を小出しにして、登場人物の思惑が複雑に絡み、結末を予想させないように工夫されていて面白かった。
DVが社会問題になっているドイツの社会問題とエンタメをうまく融合させた意欲作で、これを90分台で良くまとめたなっていう印象が強い。
鑑賞後の疑問点を友達や家族と話ながら楽しむ事も出来る作品でしたよ。
『カレンダー・キラー』ネタバレ解説
緊迫した始まり:ヘルプラインへのSOS
帰宅ヘルプホットラインのオペレーター、ジュールズ・タンベルクのもとに、一通の切迫した電話が掛かってきた。
それは、クララ・ヴェルネットという女性からのものであった。
クララは、夫Or自身の"死"という絶望的な状況に追い込まれていると訴え、電話を掛けて来た。
彼女をその境地に追い込んだのは、「カレンダー・キラー」と名乗る、世間を騒がせている連続殺人犯であった。
深まる闇:DVと心理的な不安
クララは、夫・マルティンから薬物混入による意識喪失、性的暴行、そして日常的な暴力を受けていたと告白した。
その日も薬を盛られ、SMクラブへ連れていかれ、監禁されていたが、隙を見て、彼女は逃げ出し、帰宅ヘルプホットラインに電話をかけてきたのだ。
ジュールズは夫・マーティンのDVであると判断し、警察への通報を勧めるが、クララは経済的な依存や世間体を恐れて躊躇する。
クララによると、彼女は解離性障害を抱えており、現実と妄想の境界線が曖昧な状態にあった。
クララが言っている話は、現実なのか、妄想なのか?
クララは、カレンダー・キラーか夫・マーティンにいずれ殺される事を強く不安に感じており、どうせ殺される運命なら自ら命を絶とうと別荘に向かっていた。
錯綜する真実:カレンダー・キラーの正体
クララは、考えれば考える程、マーティンこそがカレンダー・キラーなのではと思うようになっていた。
予告された12月6日は、2人の結婚記念日だった事、死の予告を夫に打ち明けても、妄想だっと片づけられた事からマーティンこそが犯人であり、マーティンから逃げる為に別荘へと逃げて来たのだ。
別荘に付いたクララは、ガレッジ内の車を密閉して排気ガスを車内に溜まるようにして自殺を図る。
その際、ジュールズとの通話は切れてしまい、その後、掛かって来た父親からの電話でクララの事を相談したジュールズ。
父親もクララを探すのを手伝う事となる。
自殺が失敗したクララは、訪ねて来たジュールズの父親をマーティンと勘違いし、森へと逃げ込む。
そこで助けてくれたヘンドリックに街へと送ってもらう途中、マーティンによって連れ戻されてしまう。
衝撃の真相:ジュールズの告白
絶望的な状況に追い込まれたクララは、ヘンドリックからもらった護身用のスタンガンでマーティンを攻撃し、子供のもとへ駆けつける。
一方、ジュールズは自宅に侵入した男を発見した。
その男はクララの幼い子供のシッターを担っていたヴィゴだった。
実は、ジュールズはマーティンとクララの家に監視カメラを設置し、クララがDVを受けている様子を長期間にわたって観察していた。
そして、クララの手でマーティンを殺すか、自分に殺されるかとクララに選択を迫る。
その時、父親も駆け付け、高所から転落し、死亡しているヴィゴを発見する。
クララはマーティンを殺すフリをして、ジュールズの脚を刺した。
だがすぐに反撃され、マーティンと並べられてふたりとも殺されかかったとき、ジュールズの父親がジュールズを撃ち殺した。
悲劇の結末と新たな始まり
最終的に、ジュールズは父親によって射殺され、マーティンはクララの反撃によって逮捕される。
しかし、この事件は、社会に深い傷跡を残した。
マーティンは、州内務長官の座を追われ、実刑判決を受ける。
一方、クララは、子供との時間を取り戻し、新たな人生を歩み始める。
ネタバレ考察
カレンダー・キラーが犯行日を予告する理由は?
- 心理的なプレッシャーを与える: 被害者に恐怖感を与えることで、精神的に追い詰める。
- 犯行計画を周知させる: 自分の存在を世間にアピールし、注目を集める。
- 捜査を撹乱する: 警察の捜査を撹乱させる。
- ある種の儀式的な行為: 犯行に特別な意味を持たせたいという願望。
色々考えたけど、どう考えても犯行日を予告しない方が殺人を行うなら好都合なはず。
カレンダー・キラーが子供を持つ問題のある親(DVや精神疾患)ばかりを狙って犯行しており、その犯行が目立つ事で子供を蔑ろにしている親たちへの警笛としていたのか?
犯行同日もカレンダー・キラーは、クララの居場所を把握出来ておらず、ずっとどこに居るのか?を探していた。
解離性障害があるとは言え、念のため、夫がカレンダー・キラーの犯行予告を少しでも軽快すれば、州内務長官という立場を利用すれば厳重に警備を敷くことも可能だったはず。
そうなった場合の犯行は、どう考えていたのか?
そこまで考えていくとカレンダー・キラーは、行き当たりばったりな感じもあり、犯行を予告する意味は更に謎になる。
警察の存在感の薄さ
なぜ、テレビで報道されるくらいに話題になっておる連続殺人というテーマで警察が関与する描写が全く描かれないのかを考えてみた。
- 警察組織の限界: 警察は、全ての事件を即座に解決できるわけではありません。
特に、犯人が巧妙な手口を用いている場合、捜査は難航する。 - 物語の焦点: この物語は、被害者であるクララと加害者であるジュールスの心理描写に焦点を当てる事で警察の捜査過程は詳細に描かなかった?
テレビで報道され、血で壁に殺害予告をするという手口も分かっている状況で、これまでの被害者たちも当然、恐怖して警察を頼ったはず。
カレンダー・キラーが、精神疾患のある人をターゲットにした事で"妄想"と片づけられて捜査しなかったのか?
これだけ大ごとになれば、いくら精神疾患を抱えていようが、捜査に乗り出す必要があったのでは?
カレンダー・キラーが優秀って言うより、警察が無能って感じてしまうよね。
なぜ、子供を置き去りにしたのに殺害を恐れず迎えに行ったのか?
クララは、長期間にわたるDVと心理的な虐待を受けていた事で恐怖心と絶望感に支配されていたんだと思う。
また、夫・マーティンが社会との関わりを遮る様子もあり、周囲の人を頼る事も出来ず、孤立無援の状態だったため、合理的な判断が付かず、子供が自宅に居るのに置き去りにして別荘で自殺をしようとしたのではないだろうか?
カレンダー・キラーだったジュールズとホットラインで会話をする過程で、ジュールズの妻が精神を患って自殺を図り、重なった火事で子供たちを亡くしている事を知ったクララ。
これまでマーティンによって外界と関わりが持てなかったクララの話の相手にジュールズがなってくれた事で落ち着きを取り戻し、また、ジュールズの妻や子供を自分と重ねた事で、大切な存在に気づけたのかもしれない。
そこから殺人鬼よりも子供を失う事の方が恐怖を感じた為、殺人鬼が迫るかもしれない自宅へ迷わず向かったのかもしれないなって感じた。
ジュールズは、カレンダー・キラーで殺人鬼だったけど、クララを精神的に助けたの事実かもしれない。
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