『ブラック・ミラー』シーズン7 第2話「ベット・ノワール」ネタバレ無し感想
第2話「ベット・ノワール」気になる点数は?
このエピソードは、じわじわと精神を蝕むような心理サスペンスとして、非常に見ごたえがありました。
日常的な職場を舞台にしながらも、常に不穏な空気が漂い、観ているこちらも息苦しくなるような緊張感が続く。
「もしかしたら、自分の周りでも起こりうるかもしれない…」と感じさせるような、リアルな恐怖が巧みに描かれていた。
物語は、過去に因縁のある同級生との再会から始まる。
昔とはまるで違う姿で現れた相手と、主人公との間に流れる微妙な空気感。
そして、主人公の身の回りで次々と起こり始める不可解な出来事…。
些細なボタンの掛け違いや記憶違いが、次第に大きな疑念へと変わっていく過程は、人間の心理的な脆さを巧みに突いている印象。
特に、主人公が周囲に自分の感じている異変を信じてもらえず、孤立していく様は、見ていて非常に苦しくなりました。
何が真実で、何が仕組まれたことなのか。
もしかしたら、何か得体のしれないテクノロジーが関わっているのではないか…?
そんな疑心暗鬼が、物語全体を覆っていてドキドキしました。
過去の行いが現在の自分に影を落とし、人間の嫉妬や復讐心といった負の感情が、テクノロジーによってじっとりと増幅されていく怖さ。
後味は決して良いものではありませんが、人間関係の複雑さや、見えない恐怖について深く考えさせられる、『ブラック・ミラー』らしい陰湿さと鋭さを持った一作。
心理的な駆け引きや、じわじわくる恐怖を楽しみたい方には、特におすすめできるエピソードです。
『ブラック・ミラー』シーズン7 第2話「ベット・ノワール」:ネタバレ感想&勝手に妄想考察

このエピソードは、じわじわと精神的に追い詰められていく心理サスペンスとして、非常に見ごたえがありました。
過去のいじめという行為が、時を経て恐ろしいブーメランとなって返ってくる。
しかも、そこに『ブラック・ミラー』らしい歪んだテクノロジーが絡むことで、単なる復讐劇では終わらない、後味の悪い恐怖を残していました。
第2話「ベット・ノワール」:【ネタバレ感想:復讐の連鎖とテクノロジーによる現実歪曲】
高校時代の軽い気持ちで行ったいじめが、ヴェリティの中にどれほど深い傷と執念を植え付けたのか。
その変貌ぶりと、周到にマリアを追い詰めていく手腕には、ある種の恐ろしさを感じました。
マリアが周囲に信じてもらえず孤立していく様は、精神的攻撃の恐ろしさをまざまざと見せつけらる感じがして見ていて一緒に追いつめられているようだった。
そして、物語の核心となる「ペンダント」。
これが非常に不気味。
「発言したことが真実になる」という能力は、あまりにも強力で、現実そのものを捻じ曲げているかのよう。
ラスト、マリアがヴェリティを射殺し、その指を使ってペンダントの権限を奪い、警官を従えるシーンは衝撃的でした。
被害者が一転して加害者、そして新たな支配者へと変貌する。
復讐の連鎖と、力がもたらす人間の変容を描いた、まさに悪夢のような結末でした。
カタルシスを感じる間もなく、マリアの闇堕ちにぞっとさせられちゃいました。
第2話「ベット・ノワール」:ヴェリティの「ペンダント」の正体と能力の範囲は?
幻覚を見せる、記憶を一時的に混乱させるデバイス。
●僕の考察
あのペンダントは、単なる幻覚や記憶操作を超えた、「主観的現実の強制書き換えデバイス」ではないでしょうか?
ヴェリティが「マリアの手にはナイフがある」とペンダントに認識させれば、マリア自身にも、駆け付けた警官にも、それが揺るぎない「事実」として知覚される。
客観的な物理法則を曲げるのではなく、ターゲットとその周囲の人間の脳や認識システムに直接介入し、「そうである」としか思えない状況を作り出す。
だからマリアは周囲に信じてもらえず、ヴェリティは巧妙にマリアの現実を蝕むことができた。
これは、究極のパーソナル・精神的攻撃装置みたいなもので、存在すると想像すると恐ろしい。
第2話「ベット・ノワール」:ヴェリティの執念と周到な計画の背景は?
高校時代のいじめへの強い恨み。
●僕の考察
ヴェリティの動機は、単なる復讐心だけではないように感じた。
根底には、いじめによって深く傷つけられた自尊心と、それによって歪んだ「他者を支配することでしか得られない承認欲求」があったのではないでしょうか。
彼女は、自分がかつて受けた屈辱を、他者を貶め、コントロールすることでしか癒せなかった。
マリアは、そのための格好のターゲットであり、成功への踏み台だった。
ペンダントは、もしかしたら彼女のような社会的弱者が「力」を得るために作られた闇のツールで、それを手に入れるためにヴェリティは相当な代償を払い、計画を練り上げてきたのかもしれません。
第2話「ベット・ノワール」:なぜ周囲はマリアの異変に気づかなかったのか?
●考えられる理由
ヴェリティの演技力、マリアへの元々の偏見、職場特有の無関心。
●僕の考察
ペンダントによる「環境への持続的な微細介入」が行われていた可能性が高いと考える。
ヴェリティはマリアだけでなく、マリアを取り巻く同僚たちの認識にも、無意識レベルで干渉していたのではないでしょうか。
「マリアは最近、少し不安定だ」「あのミスは彼女らしくないけど、仕方ないか」といった、マリアに不利な印象や解釈を、ペンダントを通じて周囲に植え付けていた。
だから、マリアが異常を訴えても、「彼女自身の問題」として片付けられてしまった。
これは、集団規模での巧妙な認識操作であり、個人の力では抗うことが非常に困難な状況だったと言えるんじゃないかと思う。
第2話「ベット・ノワール」:【マリアのその後を勝手に妄想考察!】

ペンダントを手に入れ、警官すら意のままにしたマリア。
彼女の未来はどうなるのでしょうか?
手に入れた絶対的な力に酔いしれ、マリアはまず自分を信じなかった者、陥れようとした者たちへの報復を開始するするかもしれない。
邪魔者を排除し、会社での地位を確立し、富と名声を手に入れるかもしれません。
しかし、その力は彼女を際限ない疑心暗鬼と孤独に陥れるかも。
誰も信じられず、常にペンダントの力に頼るうちに、精神は摩耗していく。
結局、かつてのヴェリティと同じように、力に溺れて破滅するか、あるいはさらに強力な力を持つ者に狙われる運命が待っているかもしれません。
マリアはペンダントを使って、自分に都合の良い「現実」を作り替え続けるかもしれません。
ヴェリティ殺害の事実をもみ消し、何事もなかったかのように日常を取り戻そうとする。
しかし、ペンダントが書き換えられるのは「主観的な現実」だけだとすれば、どこかに客観的な証拠は残るはず。
監視カメラの映像、物的証拠…。
それらを隠蔽するために嘘を重ね、力を使えば使うほど、矛盾は膨らみ、いつか破綻する日が来る。
あるいは、人を殺めたという罪悪感は、ペンダントの力でも消すことができず、彼女を内側から蝕んでいくのではないでしょうか。
マリアは、ペンダントの力を単なる復讐や保身に使うのではなく、より積極的に「自分の望む現実」を編集・構築していく道を選ぶかもしれません。
気に入らない人間関係を修正し、仕事で都合の悪い事実を書き換え、理想の人生をデザインしていく。
しかし、それはもはや現実を生きているとは言えない。
彼女は、自分だけの都合の良いデータで構成された「閉じた世界」の管理人となるかも。
他者との真の関係性は失われ、現実感も希薄になっていく。
外部から見れば成功者かもしれませんが、その内実は、無限に続く編集作業に追われる孤独な「現実」編集者。
ペンダントは、彼女を現実から切り離し、終わりのない虚構の中に閉じ込めるのかもしれません。

「ベット・ノワール」は、人間の心の闇とテクノロジーが悪魔合体した時、どれほど恐ろしい事態が起こりうるかを見せてくれましたね。
ラストの展開は、ある種の爽快さすら感じさせますが、その後に待っているであろうマリアの運命を考えると、やはり『ブラック・ミラー』らしい苦い後味が残りますね。
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