この記事のポイント!
この記事を読むと、
●Netflixドラマ『パルスPulse』の基本情報
●Filmarksでの世間の評価
●ネタバレなし感想と10点満点評価
●ネタバレありのあらすじ解説
●ネタバレあり感想&考察など、
このドラマに関するあらゆる情報が得られます。
視聴を迷っている方、すでに視聴済みで内容を深く理解したい方におすすめです。
Netflixドラマ『パルス』基本情報をサクッと解説!
●上映時間:1シーズン全10話、各話約43~53分
●ジャンル:メディカルドラマ
●監督:ケイト・デニス、サラ・ボイド、S.J.メイン・ムニョス等
●配給:Netflix
●ダニエル・“ダニー”・シムズ(3年目の救急科研修医)/ウィラ・フィッツジェラルド
●ザンダー・フィリップス(救急科チーフレジデント)/コリン・ウッデル
●ナタリー・クルス(外科・救急医療部長)/ジャスティナ・マチャド
●トム・コール(外科研修医2年目)/ジャック・バノン
●サム・イライジャ(救急科研修医3年目)/ジェシー・T・アッシャー
●カミラ・ペレス(3年目の医学生)/ダニエラ・ニーブス
●ソフィー・チャン(外科インターン)/チェルシー・ミュアヘッド
●ハーパー・シムズ(救急科研修医2年目ダニーの妹)/ジェシー・イエイツ
●キャス・ヒメルスタイン(ERのベテラン看護師)/ジェシカ・ローテ
●ルーベン・ソリアーノ(ベテラン外科医)/ネストール・カーボネル
●ルイス・ドミンゲス(ERの頼れる主任看護師)/アルテュロ・デル・プエルト
●ニア・ワシントン(自信家で腕っ節の強い救急救命士)/アッシュ・サントス
●ガブリエル・モレノ(ER看護師)/サンティアゴ・セグラ
●パトリック・サンチェス医師/JR・ラミレス
”きっと観たくなる”『パルス』のあらすじ
舞台は太陽が降り注ぐフロリダ州マイアミ。
その中心にあるマグワイア・メディカルセンターは、一刻を争う救命現場であるレベル1トラウマセンターを擁している。
ここで働く3年目の研修医ダニエル・“ダニー”・シムズは、多忙な日々を送っていた。
そんなある日、ダニーにとって尊敬する存在であり、チームを率いるチーフレジデントのザンダー・フィリップスが突然の停職処分に。
その結果、まだ経験の浅いダニーが、思いがけずリーダーの重責を担うことになる。
しかし、この突然の昇進劇の裏には、ダニー自身がフィリップスを告発したという、誰もが予想しなかった秘密が隠されていた。
病院内では、二人の間に何があったのか、様々な憶測や噂が囁かれ始め、人間関係は複雑に絡み合っていく。
そんな不穏な空気の中、マイアミを未曾有の巨大ハリケーンが直撃。
病院は外部から完全に隔離され、まさに陸の孤島と化してしまう。
刻一刻と運び込まれる患者たち。
限られた医療資源とスタッフ。
極限状況の中、人手不足を補うために、停職中だったフィリップスまでもが呼び戻されることに。
図らずも、ダニーは告発した相手であるフィリップスと、閉鎖された空間で再び対峙し、協力して医療にあたらなければならなくなる。
過去の確執、裏切り、そして尊敬の念――。
様々な感情が渦巻く中で、二人は個人的な問題を乗り越え、迫りくる自然の脅威と患者たちの命の危機に立ち向かうことができるのでしょうか。
リーダーとしての資質、複雑に揺れ動く人間模様、そして自然災害という未曾有の危機が交錯する、息もつかせぬメディカルドラマが、今、始まる。
Filmarksユーザーの評価は?気になるみんなの声まとめ!

Netflixの新たなメディカルドラマ『パルス』は、配信開始直後から注目を集めていますが、視聴者の評価は賛否両論あるようです。
中毒性のある展開や、主演二人のケミストリーを評価する声がある一方で、ストーリーのオリジナリティ不足や、#MeToo運動に関するストーリーの扱いに疑問を感じるという意見も出ています。
絶賛の声多数!『パルス』の魅力!

Filmarksユーザーからは、以下のような肯定的な意見が多く見られました。
●「スリリングな展開で、次々とエピソードを見てしまう中毒性がある。」
●「単なる医療ドラマに留まらず、複雑な人間関係や葛藤が深く描かれている。」
●「脇役たちのキャラクターも魅力的で、それぞれの物語に引き込まれる。」

これらの意見からは、主演二人の演技力と、予測不能なストーリー展開が視聴者を惹きつけていることが伺えます。
また、ハリケーンという非日常的な状況設定が、ドラマに更なる緊張感と深みを与えているようだ。
厳しい意見も…『パルス』の課題点

一方で、Filmarksユーザーからは以下のような否定的な意見も寄せられています。
●「#MeTooに関するストーリーの扱いが曖昧で、消化不良気味。」
●「リアリティという点では、同じ医療ドラマの『ザ・ピット』に劣る。」
●「最初の数話は展開が早く、キャラクターに感情移入する前に話が進んでしまう。」
●「一部のキャラクターの掘り下げが浅く、もったいない。」

これらの意見からは、過去の医療ドラマとの類似性や、社会的なテーマの扱い方に対する不満が見られます。
また、物語の展開の速さや、キャラクター描写の深さについても、改善の余地があると感じている視聴者がいるようです。
『パルス』のネタバレ無し感想&10点満点評価
『パルス』気になる点数は?
現在、3話までしか視聴していないですが、個人的な評価としては、Netflixドラマ『パルス』を10点満点中7点とします。
確かに、ストーリーの斬新さという点では、過去の医療ドラマの焼き直しのように感じられる部分もありました。
特に、病院内の恋愛模様と医療現場の危機が並行して描かれる点は、「グレイズ・アナトミー」を彷彿とさせます。
しかし、主演のウィラ・フィッツジェラルドとコリン・ウッデルの演技は素晴らしく、二人の間に流れる緊張感と複雑な感情が見事に表現されている印象です。
また、ハリケーンという極限状態における人間ドラマは、予測不可能な展開を生み出し、飽きさせないストーリー展開になっていて好印象。
#MeTooに関するストーリーは、確かに賛否両論あるかもしれませんが、権力のある男性と部下の関係における曖昧さや複雑さを描こうとした意図は感じられました。
ただ、もう少し踏み込んだ描写があっても良かったかもしれません。

全体として、『パルス』は中毒性のある展開と、魅力的なキャラクターたちが織りなす人間ドラマが見どころの作品です。
医療ドラマ好きはもちろん、複雑な人間関係を描いたドラマが好きな方にもおすすめです。
Netflixドラマ『パルス』のネタバレ有りあらすじを徹底解説!
第1話:アビー/ネタバレあらすじ
マグワイア・メディカルセンターのER(救急救命室)に、衝撃的なニュースが駆け巡る。
3年目の研修医ダニエル・“ダニー”・シムズが、皆から慕われるチーフレジデント、ザンダー・フィリップスをセクシャルハラスメントで告発した。
院内がその報に揺れる間もなく、マイアミには巨大ハリケーン・アビーが刻一刻と迫り、街全体が緊迫感に包まれる。
そんな折、追い打ちをかけるようにスクールバスの横転事故が発生。
子供たちを含む多数の重傷者が次々とERに運び込まれ、現場は混乱を極める。
告発を受けたフィリップスは停職処分となりますが、ハリケーンによる未曾有の人員不足に直面した外科・救急医療部長ナタリー・クルスは、苦渋の決断を下す。
フィリップスにERでの現場復帰を命じる。
一方、ダニーは突然チーフレジデント代行という重責を任され、戸惑いながらも必死にリーダーシップを取ろうと奮闘する。
スクールバスを運転していたサッカー部の監督ハリスは、「生徒たちの安否が分かるまで自身の治療を拒否する」と訴えかける。
ただの雨だと状況を軽視し、生徒たちを事故に巻き込んでしまった過ちを責めていたのだ。
すでに内臓が破裂し、緊急手術が必要な状況でダニーは、ハリスに自身の過去の過ちとその向き合い方を話す。
また、生徒たちの声掛けもあり、ハリスは、手術を受ける事となる。
一方で、外科・救急医療部長であるナタリー・クルスの娘が搬送される可能性があるとダニーは報告を受けるが、手術中である救急医療部長ナタリー・クルスを動揺させない為に報告を控える事を決断。
娘のヴェロが心タンポナーデで重症で病院に運ばれてきた事で外科・救急医療部長であるナタリー・クルスに報告するが、ダニーは激怒される。
娘ヴェロは、なんとか一命を取り止める。
『パルス』第1話の感想&考察
スクールバス事故を起こしてしまったハリス監督が、自身の判断ミスを深く悔い、生徒たちの安否を優先して自らの治療を拒否する姿には、強い責任感と罪悪感が感じられ、胸が締め付けられました。
内臓破裂という緊急事態にもかかわらず、自分を後回しにしようとする彼の心情は、痛いほど伝わる。
ここで、チーフレジデント代行となったばかりのダニーが、自身の過去の過ちと向き合い方について語りかける場面は、非常に重要だと感じましたし、リーダーとしてのプレッシャーの中で、自分の弱さを見せながら相手に寄り添うダニーの姿は、彼女の成長の始まりを予感させる。
そして、生徒たちの「監督、手術を受けて!」というような声がハリス監督の心を動かし、彼が手術を受け入れる決意をする流れは、人と人との繋がりの温かさや、危機の中での希望を感じさせてくれる、感動的な展開でした。
責任の重さと、それでも生きて償うことの大切さがこのエピソードで教えてくれた事だったように感じます。
クルス部長と娘ヴェロのエピソードについて:
一方、クルス部長のエピソードは、プロフェッショナルとしての立場と、母親としての愛情との間で揺れ動く、非常に緊迫感のある状況を描いていました。
ダニーが、手術中のクルス部長を動揺させまいと娘ヴェロの情報を一時的に伏せる判断は、リーダーとして現場の混乱を最小限に抑えようとした結果でしょうが、その結果、最愛の娘が心タンポナーデという重篤な状態で運ばれてきたことを後から知ったクルス部長の怒りと動揺は、察するに余りある。
このエピソードは、医療現場における報告のタイミングや内容の難しさ、そしていかに冷静沈着な医師であっても、我が子のこととなると感情が揺さぶられるという、人間の普遍的な側面を浮き彫りにしていると感じました。
ダニーにとっては、良かれと思ってした判断が裏目に出てしまった苦い経験であり、リーダーシップの難しさを痛感する場面だったのではないでしょうか。
ヴェロが一命を取り留めたことは救いですが、この一件がクルス部長とダニーの関係にどのような影響を与えるのか、気になります。
全体として、これらのエピソードは、災害や人間関係のトラブルといった大きな出来事だけでなく、その中で翻弄される個々人の感情や倫理的なジレンマを丁寧に描いており、ドラマの深みを増している印象があり、まずまずのスタートだと思います。
第2話:1人の時間/ネタバレあらすじ
マイアミを襲うハリケーンは勢いを増し、マグワイア・メディカルセンターは限界状態に達していました。
電気や水道も不安定で、薬や必要な物資もどんどん減っていく。
そんな中、チーフレジデント代行として必死に現場をまとめようとするダニーですが、苦労が絶えません。
例えば、ハリケーンで帰宅できないスタッフのために、鍵のかかった部屋のドアを壊して休憩スペースを作りますが、スタッフたちはダニーよりも、停職中のはずの元上司フィリップスの指示を待っているような雰囲気。
結局、ダニーの頼みもあり、フィリップスが代わりにスタッフたちに指示を出し、皆を励ますことになった。
さらに、ハリケーンで崩れた建物から救出された家族と救急隊員が搬送される。
患者の一人は喉がひどく腫れて呼吸困難になっており、ダニーは首を切開して空気の通り道を作ろうとしますが、その方法を巡ってフィリップスと激しく意見がぶつかってしまう。
ダニーとフィリップスの間の溝は、協力するどころか深まるばかり。
個人的な試練もダニーを襲う。
トイレで、まさに産気づいている妊婦に偶然出くわしてしまう。
産科も他の患者で手一杯な状況で、過去の経験から妊婦の治療に苦手意識を持つダニーでしたが、「自分がやるしかない」と覚悟を決め、出産を手伝うことを決意。
一方で、若手外科研修医のトム・コールも奮闘していた。
建物崩壊現場で負傷した救急隊員の手術を担当しますが、指導医のソリアーノからは「危険な箇所には触るな」と指示を受ける。
しかしトムは、手術中に危険な破片に触れてしまい、大出血を起こしてしまう。
それでもトムは冷静に出血箇所を見つけ出し、見事に止血。
難しい手術を成功させ、指導医ソリアーノからも「よくやった」と認められた。
人間関係も複雑に動く。
フィリップスは、まるでダニーの気を引くかのように、「君の親友のイライジャは、君のことが好きみたいだぞ」と告げ口する。
そして、事態はさらに悪化。
ハリケーンが激しさを増し、病院全体が停電する恐れが出てくる。
娘ヴェロの容態を心配する外科・救急医療部長のナタリー・クルスは、担当医の意見を聞き入れず、自らの手で娘の人工呼吸器を外そうと、危険な行動を取り始めてしまう。
『パルス』第2話の感想&考察
リーダーシップを巡る場面や、気道確保の方法でぶつかるシーンなど、二人の対立がより鮮明になっていて、見ていてもどかしい気持ちになりますね。
単なる意見の食い違いというより、過去の関係も影響してか、かなり感情的な対立に見える。
この緊張感が、周りのスタッフにも影響を与えているのが伝わってきて、今後の展開が気になりますね。
過去のトラウマから苦手意識を持っていた妊婦の出産に、困難な状況下で「自分がやるしかない」と立ち向かう決意をしたダニーの姿には、医師としての強い責任感を感じました。
これは彼女にとって大きな試練であると同時に、成長のための重要な一歩になりそうで、思わず応援したくなる場面でしたね。
若手のトムが、指導医の指示と自分の判断の間で葛藤しながらも、難しい手術に果敢に挑戦し、ピンチを乗り越えて成功させた場面は、見ていて頼もしく感じました。
最後に指導医から認められるシーンは、彼の努力が報われた瞬間で、清々しい気持ちになりましたね。しかし、僕ならあの場面で破片を抜く勇気は出ないし、いくら認められたくても行動出来ない。医者ってすごいよね。
第3話:電力/ネタバレあらすじ
勢いを増すハリケーンの中、マグワイア・メディカルセンターのERは、次々と運ばれてくる患者でごった返し、まさに戦場のようだ。
そんな中、病院全体を揺るがす大問題が発生。
非常用発電機の燃料がなくなりかけ、多くの医療機器が止まる寸前。
この絶体絶命の危機を救ったのは、なんと停職中のフィリップスでした。
彼は父親に連絡を取り、その手配によって燃料トラックが奇跡的に到着。
病院は最悪の事態を免れる。
フィリップスは、自分がチーフレジデントになれたのは実力ではなく有力者である両親のおかげだ、と周りに思われることを非常に嫌っていました。
そんな彼の気持ちを逆なでするかのように、ダニーは皆の前で、フィリップスが父親に頼んで燃料を手配し、病院の危機を救ったことを話す。
これにプライドを傷つけられたフィリップスは、まるで報復するかのように、ダニーにとって最も触れられたくない秘密を暴露する。
彼は、ダニーからのセクハラ告発は全くの嘘であり、それどころか過去には二人が一緒に暮らしていたのだと、皆の前で言い放った。
加えて、ダニーの告発は、母親が幼い頃に家を出て、愛情を知らないから僕の愛を受け止める事が出来なかったと話した。
この衝撃的な暴露は、ダニーを精神的に深く傷つけ、追い詰めることになった。
一方で、若手スタッフたちも必死に奮闘していました。
外科インターンのソフィーと医学生のカミラは、虫垂炎が悪化し緊急手術が必要な患者がいなくなったことに気づき、危険なハリケーンの中を探し回って無事発見する。
そして、若手外科医のトムが見事に手術を成功させ、患者の命を救いました。
トムも、二人の行動力を素直に称賛する。
しかし、悲劇も起こる。
娘ヴェロに付きっきりだった外科・救急医療部長のナタリー・クルスは、発電機が止まることを恐れるあまり、担当医の指示を無視して娘の自発呼吸を促そうとしていた。
皮肉にも、フィリップスのおかげで燃料が届き、発電が続けられることになった矢先、ヴェロの容態が急変し、心肺停止状態に陥ってしまう。
『パルス』第3話の感想&考察
ダニーはどうしてセクハラを受けていると告発をした?
フィリップスは、ダニーがセクハラ告発をした本当の理由について、彼自身の解釈を暴露している。
●愛情への拒絶: フィリップスがダニーに「愛している」と伝えた際、ダニーがそれを受け入れられず、彼を遠ざけるために告発という手段に出た。
●過去のトラウマ: ダニーは幼い頃に母親に捨てられた経験から、「愛されること」を知らない、あるいは恐れている。
そのため、フィリップスからの深い愛情表現(あるいは関係性の進展)に直面した時、それを拒絶する形で告発に至った。
もしフィリップスのこの主張が真実だとすれば、過去の親密な関係は本物だったけれど、ダニー側の心の問題が原因で、関係がこじれてしまった、という見方になります。

しかし、これはあくまでフィリップス側の主張です!
重要なのは、これがフィリップスの一方的な言い分である可能性があるということ。
彼が自分の立場を正当化するため、あるいはダニーを精神的に攻撃するために、彼女の過去の傷を利用してこのように主張している可能性も十分に考えられる。
●セクハラの事実: ダニーの告発通り、実際にフィリップスによるセクハラ行為があったのかもしれません。
過去の親密な関係があったとしても、それが後に関係性が変化し、ハラスメントに繋がった可能性は十分にありえる。
●関係性の悪化: 同棲していた過去があったとしても、その関係がいつ、どのように悪化したのかは、まだ描かれていません。
フィリップスの支配的な態度、力関係の変化、あるいは何か決定的な出来事が、二人の関係を破綻させたのかもしれません。
●「愛している」発言の真意: フィリップスの言う「愛している」という言葉が、ダニーにとっては望まないプレッシャーや、不適切なアプローチに感じられた可能性もある。
医者たちの横暴な態度について
僕も理学療法士として病院勤務している。
伝統的に医療現場では医師がチームの中心であり、その権威性が非常に強い場合がある。
その中で、一部の医師が他の専門職を対等なパートナーとしてではなく、指示に従う存在として捉え、横暴な態度をとってしまうことがあるのかもしれません。
実際に会話すらまともにしてくれない医師が存在し、要求だけ発信し、こちらの問いかけに対してはほとんど返答をくれず、チームを引っ張る中心的存在とは見せかけの権威だけで、実際は牽引力なんて皆無なんて事も少なくない。
ハリケーンの中、患者を探し出し、若手外科医のトムが外科インターンのソフィーと医学生のカミラを珍しく褒めるシーンがありましたが、それに対して2人は大喜びをしていた。
ですが、医療現場を率いる医師であるなら普段からそうするべきだし、普段は横柄な態度をして、たまに褒めれば、褒められた人は喜んでしまう。
そのシーンに凄く違和感を覚え、怒り冴え感じちゃいましたね。
第4話:治療して追い出せ/ネタバレあらすじ
ハリケーンによる混乱が続くマグワイア病院に、新たな医師が応援として派遣されてきた。
ケネディ病院から来たルーシー・ブラサード医師だ。
彼女は、フィリップスが以前勤めていた病院の同僚でした。
ダニーは、「彼女ならフィリップスの過去について何か知っているかもしれない」と考え、ブラサードに近づく。
そして、フィリップスがなぜケネディ病院を辞めてここに移ってきたのか、その理由を尋ねてみました。
「何人かの女性から似たような告発があったのは事実かと…」
しかし、ブラサードのどこか歯切れの悪い反応を見て、ダニーはフィリップスに対する疑いをますます強くする。
一方、フィリップスもブラサードが来ていることに気づき、彼女に接触。
そして、「ダニーには『真実』を話すべきだった」と切り出すが、ブラサードは、同意しながらも守秘義務に違反したらあなたのキャリアは終わると、釘を刺すかのようにプレッシャーをかける。
「真実」とは一体何なのでしょうか?
そんな中、病院内では「ダニーとフィリップスは昔、一緒に住んでいたらしい」という噂が一気に広まっていた。
このスキャンダラスな話題に、周りの医師やスタッフたちは興味津々で、二人の一挙手一投足に注目し始める。
四面楚歌のような状況の中、ダニーは唯一の心の支えである親友のイライジャに、「フィリップスが言っていること(告発は嘘だとか、同棲していたとか)を信じる?」と尋ねる。
しかし、イライジャの反応は冷ややかだった。
彼は、「どうして今までそんな大事なことを何も話してくれなかったんだ」と、ダニーに対する失望感を隠しませんが、ダニーには支えが必要だと判断し、傍に居ると伝えるのだった。
『パルス』第4話の感想&考察
フィリップスとブラサードの会話と隠された「真実」
フィリップスが「(ダニーに)真実を話すべきだった」と言いつつ、ブラサード医師が「守秘義務に違反したらあなたのキャリアは終わる」と逆に釘を刺す場面が非常に引っかかる。
二人の間に流れる緊張感と、隠された「真実」の重大さがうかがえる。
●考察:
このやり取りから、二人が共有している「真実」は、フィリップスの医師生命を脅かすほど深刻な内容であることが強く示唆される。
フィリップスがなぜ「話すべきだった」と言ったのか真意は不明ですが(後悔なのか、別の意図か)、ブラサード医師は、その情報の重みを理解し、ある意味でフィリップスを牽制しているようにも見えた。
単純な元同僚という以上の、複雑な関係性が過去にあったのかもしれません。
フィリップスの過去における「複数の告発」の可能性
ダニーがブラサード医師に「何人かの女性から似たような告発があったのは事実か」と尋ねている点、そしてブラサード医師の歯切れの悪い反応は、やはり重要だと思う。
●考察:
これまでの流れと今回のブラサード医師の発言(キャリアが終わる可能性)を結びつけると、フィリップスが過去に複数の女性から深刻な告発を受け、それが彼のキャリアを脅かすほどの事態だった可能性は非常に高いと考えられる。
ダニーの告発が、その過去のパターンを繰り返しているのかもしれません。
この過去の真相が、物語の核心に迫る鍵となりそうです。
第5話:悪く思わないで/ネタバレあらすじ
ハリケーンは過ぎ去り、マグワイア・メディカルセンターには少しずつ日常が戻り始めていた。
しかし、院内を襲った物理的な混乱が収まっても、医師たちの心の中はまだ嵐が止まない。
それぞれが個人的な問題や感情と向き合い始めていた。
若手外科インターンのソフィー・チャンは、指導医のトム・コールから、正直なところ手の施しようがない状態の高齢女性患者の担当を半ば押し付けられる形で引き受ける。
ソフィーは諦めずに懸命な治療を試みますが、残念ながら回復の見込みはありませんでした。
ご家族は最期を看取ることを望んでいましたが、病院へ向かっている間だけでも、できる限りの治療を続けてほしいと強く要望する。
その言葉を受け、ソフィーは心臓マッサージを開始しますが、ご家族が到着する前に、患者さんは息を引き取ってしまった。
ソフィーは、ご家族の到着に間に合わなかったこと、そして何より、安らかな最期を望んでいたかもしれない患者さんに対し、延命のための心臓マッサージを施し、かえって苦しい思いをさせてしまったのではないかという重い責任を感じ、深く打ちのめされる。
その一方で、ダニーは交通事故で搬送された不倫関係のカップルを受け持つ。
特に女性患者クリスティナが漏らした、関係を隠していたことへの後悔や罪悪感に満ちた言葉は、まるで鏡のようにダニー自身の心に響いた。
それは、かつてフィリップスと秘密の関係を続けていた頃の、自分自身の感情を呼び覚ますものだったのかもしれません。
そんな中、ダニーはこの事故の現場を担当した警察官キャム・フエンテスと出会い、少しだけ言葉を交わす機会があった。
その頃、フィリップスは病院内で開かれていたパーティー会場でダニーの姿を探していましたが見つけられず、焦りを見せる。
そして、ダニーの家周辺でダニーが先ほどの警察官キャムと話しているのを目撃する。
その光景を、フィリップスは複雑な表情で見つめていた。
過去の回想シーンでは、かつてダニーがフィリップスに対し、「私たちの関係(同棲など)をきちんと人事部に報告しましょう」と提案していたことが明らかになる。
しかし、フィリップスはその提案を拒否していた。
『パルス』第5話の感想&考察
フィリップスがダニーとの関係を秘密にしたかった理由は?
「チーフレジデントであるフィリップスと付き合っていることがバレたら、ダニーが昇進目的で近づいたと周りに誤解されるかもしれない。それを防ごうとしたのではないか?」というのは、考えられる理由の一つだと思う。
もしフィリップスがダニーのことを本当に大切に思っていて、彼女が職場で不利な立場になったり、あらぬ噂を立てられたりしないように守りたかったのだとしたら、関係を秘密にするという選択をした可能性はあります。
彼自身も、ダニーをえこひいきしている、と見られることを避けたかったのかもしれません。
フィリップス自身の保身:
●キャリアへの懸念:
上司と部下、特に指導する立場と指導される立場での恋愛関係は、職場によっては規則違反や問題視される可能性がある。
チーフレジデントという彼の立場や今後のキャリアを考えた時に、関係が公になることをリスクだと感じたのかもしれません。
パワーハラスメントやセクシャルハラスメントと疑われる可能性も考えたはず。
●過去の隠蔽:
ケネディ病院での過去(複数の女性からの告発疑惑)がもし事実なら、彼は同じような問題を繰り返すことを極度に恐れていた可能性がある。
ダニーとの関係が公になることで、過去の出来事が掘り起こされたり、再び問題になったりすることを避けたかったのかもしれません。
これが一番大きな理由だった可能性も否定できません。
●関係性への不誠実さ:
もしかしたら、フィリップスはダニーとの関係を、公にするほど真剣なものとは考えていなかったのかもしれません。
都合の良い、秘密の関係のままでいたかったという可能性も考えられる。
ダニーが関係の公表を提案したのに拒否した、という事実は、彼がダニーとの将来や対等な関係性を真剣に考えていなかったとも受け取れる。
フィリップスのコミュニケーション不足について
「フィリップス自身、自分の想いをしっかり伝えていないのがいけないよね?」
もし本当にダニーを守るためだったとしても、なぜ秘密にしたいのか、将来どう考えているのか、といったことをきちんとダニーに説明し、二人で話し合って決めるべきでした。
ダニーの提案を一方的に拒否したことは、彼女の不信感を招き、結果的に今の深刻な対立につながってしまった大きな原因の一つと言える。
彼がもっと誠実にコミュニケーションをとっていれば、状況は違っていたかもしれません。
第6話:ホームステッド/ネタバレあらすじ
ダニーは妹のハーパーと一緒に、長い間会っていなかった父親マティのもとを訪れる。
しかし、再会も束の間、マティの体調がかなり悪いことに気づく。
ダニーはすぐに病院へ行くよう強く勧めますが、父親は意地になってそれを拒否。
話は、妹のハーパーが車椅子生活を送る原因となった過去の事故のことへ。
ダニーがその事故について父親を責め始めると、今度はハーパーが「あの事故は、お父さんを挑発したあなたのせいでもある」とダニーを非難し、家族間の溝と確執が露わになる。
激しい言い争いの最中、突然マティが意識を失い倒れてしまった。
マグワイア・メディカルセンターに搬送された父親マティは、処置を受け安定する。
その一方で、明るいニュースもあった。
以前、手術に失敗し落ち込んでいた若手インターンのソフィーは、別の医師(ピットマン医師)が豊胸手術中に急変し搬送された患者の難しい手術をクルーズ部長と共に対応し、見事に手術を成功させ、大きな自信を取り戻した。
第7話:選択肢/ネタバレあらすじ
来年度のチーフレジデント選出が近づき、候補者であるダニーとイライジャは、クルーズ部長からその資質を厳しく見定められていた。
そんな中、停職中のフィリップスのもとに、病院への有力な資金提供者でもある彼の母親が現れる。
母親は息子のキャリアを深く心配しており、フィリップスにダニーの告発理由を問いただす。
フィリップスは、「ダニーがケネディ病院での過去の告発を知り、自分に遊ばれたと思い込んだからだ」と説明し、「自分が真実を話していれば…」と後悔を口にする。
しかし母親は、「あの『秘密保持契約』を破れば、あなたはキャリアを失い、莫大な賠償金を請求されるのよ」と、過去の出来事に関する重大な契約の存在をちらつかせ、息子を強く諌める。
さらにフィリップスの母親は、クルス部長のもとを訪れ、「ダニーと息子の関係は合意の上だった」「虚偽の告発は罰せられるべき」と主張し、もしこの問題を見過ごすなら病院への資金提供を打ち切る可能性を示唆して、強い圧力をかける。
一方、ダニーは、肺移植を受けたにも関わらず再び喫煙して容態が悪化した患者を担当していた。
せっかくのチャンスを無駄にするような患者の行動に、ダニーは苛立ち、つい批判的な態度をとってしまう。
懸命の治療もむなしく、その患者は家族に見守られながら亡くなってしまった。
対照的に、イライジャと医学生のカミラは、協力して9歳の急患の治療にあたっていた。
慎重な対応が求められる中、二人はクルス部長からの指摘も受けつつ患者と向き合い、最終的にカミラの機転もあって幼い命を救うことができた。
患者を亡くし、気落ちしているダニーに対し、クルス部長は静かに励ましの言葉をかける。
そして、「明日の人事部との面談の後、あなたが『勝つ』こと(=告発を維持すること)は、この病院でどういう意味を持つのか? あなたはその結果に耐えられる? 自分自身によく問いかけなさい」と、重い問いを投げかけた。
病院への圧力、自身の無力感、そしてクルーズ部長からの問いかけ――。
様々な重圧の中で、ダニーは人事部を訪れ、「フィリップスへの告訴を取り下げます」と告げるという、苦渋の決断を下した。
『パルス』第7話の感想&考察
フィリップスの「秘密保持契約」とその「真実」
フィリップスが口にした「真実を話していれば…」という後悔めいた言葉と、それを母親が「秘密保持契約」で封じ込める場面が非常に重要ですね。
この契約は何を隠しており、違反するとキャリアが終わるほどの「真実」とは一体何なのでしょうか?
ケネディ病院時代の「複数の告発」が、単なる噂ではなく、示談や和解といった形で決着し、その際に法的な「秘密保持契約」が結ばれた可能性が極めて高いと考えられる。
フィリップスが話せない「真実」とは、過去の告発内容が事実であったこと、あるいはそれに近い重大な非違行為があったことを指すのだろうか。
母親の強い口止めを見ると、この過去のスキャンダルが明るみに出ることを、フィリップス家としても絶対に避けたい事態だと考えていることがうかがえる。
ダニーが告訴を取り下げた理由
様々な重圧があったとはいえ、なぜダニーは最終的に告訴を取り下げるという決断をしたのでしょうか?
彼女の心の中では何が起こっていたのでしょうか?
この決断は、複数の要因が絡み合った結果だと考えられる。
(1)フィリップスの母親からの外部圧力(病院経営への影響)、(2)担当患者の死を通して感じた無力感や、正義を貫くことの難しさ、(3)クルーズ部長からの「その結果に耐えられるか?」という問いかけが現実の厳しさを突きつけたこと、などが考えられる。
もしかしたら、フィリップスへのわずかな同情や過去の情が影響した可能性も否定できません。
いずれにせよ、ダニーにとっては非常に苦しく、理不尽さを飲み込むような重い決断だったと言える。
第8話:休息/ネタバレあらすじ
人事部からの聞き取り調査を目前に控え、ダニーとフィリップスは、二人の関係が決定的にこじれる原因となった過去の研修医リトリートでの出来事を、それぞれ辛い気持ちで思い出していた。
過去の回想: 酔った勢いで、ダニーはフィリップスに「あなたのおかげでチーフになれたなんて、絶対に思われたくない」と、自分の力で認められたいという強い気持ちをぶつける。
しかし翌朝、二人はお互いへの愛情を「愛している」という言葉で確かめ合い、さらにフィリップスが指導医への昇進オファーを受けたこともわかり、幸せな瞬間を迎える。
喜びの中でフィリップスは「この関係を皆に報告しよう」と提案しますが、ダニーの反応は意外なものでした。
「今そんなことをされたら、私はチーフレジデントになれない!あなたは結局、自分のキャリアを守りたいだけでしょ!」と、幸せな雰囲気から一転、フィリップスを激しく非難し、拒絶。
このすれ違いが、二人の間に深い溝を作ったのでした。
そして現在: 人事部のヒアリングを前に、二人は過去に確かに愛し合っていたことを認め合う。
しかし、ダニーは、自分の複雑なプライドやキャリアへの不安をフィリップスが理解してくれないことに、埋めがたい孤独を感じ、最終的に彼との別れを選ぶ。
その頃、他の医師たちもそれぞれの問題に直面していた。
外科研修医のトム・コールは、出世のチャンスを掴もうと有力な医師のヨットパーティーに参加しますが、指導医ソリアーノの機嫌を損ねる可能性をキャスから指摘され、さらにパーティー後にはキャスと救急救命士ニアから厳しい追及を受け、精神的に追い詰められる。
一方、ダニーの妹ハーパーは、担当する赤ちゃんの治療方針で両親と揉めていた。
埒が明かない様子を見て、ダニーがハーパーに代わって父親と話をしますが、相手の横柄な態度にカッとなり、思わず父親を突き飛ばしてしまう。
この衝動的な行動は、チーフレジデント選考に響く最悪の方向へ。
クルス部長からも「あなたは権力者(フィリップスの母)を怒らせてしまった。警告したのに…。もう私にはあなたを助けられないかもしれない」と、厳しい言葉を告げられてしまう。
フィリップスとの関係に終止符を打ったダニーですが、今度は自身の衝動的な行動によって、キャリアそのものが危うくなるという、さらなる窮地に立たされてしまう。
『パルス』第8話の感想&考察
ダニーとフィリップス、破綻の決定的な瞬間
過去のリトリートで、お互いの愛情を確認し合った直後に、なぜ関係公表を巡ってあれほど激しく対立し、ダニーはフィリップスを「保身のため」とまで非難してしまったのでしょうか?
このすれ違いが、現在の状況にどう繋がっているのかが非常に気になります。
ダニーの「自分の力で認められたい」という強い思いと裏腹の「関係がキャリアの邪魔になるのでは」という恐れが、フィリップスの(おそらく純粋な)「公表しよう」という提案を歪んで受け止めさせてしまったのかもしれません。
彼女は、自分のキャリアへの不安を理解してもらえないと感じ、さらにフィリップスの昇進というタイミングも相まって、「彼は自分を守りたいだけだ」と不信感を爆発させてしまったのではないでしょうか。
この根本的なボタンの掛け違いと、それによる深い溝が、後の「セクハラ告発」という極端な形にまで発展した大きな原因と考えられる。
現在、別れを選んでもなお、二人の間の誤解は解けていないように見えて悲しい。
第9話:最後の勤務/ネタバレあらすじ
マグワイア・メディカルセンター内では、来年度のERの新しい部長に、現部長クルスの部下であるパトリック・サンチェス医師が就くのではないか、という噂が広まっていた。
サンチェス医師は根回しが巧みで、クルス部長は自分の地位が脅かされるかもしれないという危機感を募らせる。
さらに、病院への大口寄付者であるフィリップスの母親からは、依然としてダニーを解雇するよう強い圧力を受け続けており、もし要求を呑まなければ資金提供を打ち切られる可能性も示唆されていた。
指導医のソリアーノからも「ダニーを解雇するしかない」と進言され、クルス部長は非常に厳しい決断を迫られていた。
そんな状況の中、フィリップスはダニーに対し、これまで隠してきた「ケネディ病院を去った本当の理由」を打ち明ける。
彼は、過去に自身が担当した患者の死亡事故に関わっており、その事実を隠すために口外禁止の契約(NDA=秘密保持契約)を結んでいたという、衝撃的な告白をする。
一方、他の医師たちもそれぞれの問題に直面していた。
外科研修医のトム・コールは、患者として入院している救命士のニアと不適切な関係にあることが、指導医のソリアーノに発覚してしまい、医師としてのキャリアが危うい状況に陥る。
また、医学生のカミラは、病院内のパワハラなどが横行する「毒のある」職場環境にもう耐えられないと感じ、別の病院へ移ることを考え始めていた。
しかし、インターンのソフィーは、「インターンなら上司からの厳しい扱いに耐えるのが当たり前だ」とカミラを引き止めようとする。
これに対しカミラは、「あんなひどい扱いを受けて平気でいる方がおかしい」と反論し、若手医師の間でも職場環境に対する考え方の違いが浮き彫りになる。
『パルス』第9話の感想&考察
ケネディ病院を去った本当の理由と告白のタイミング
フィリップスがケネディ病院を去った理由は、今回告白された「患者死亡事故とその隠蔽」が直接的な原因であった可能性が極めて高い。
医師としてのキャリア、倫理観に関わる重大な出来事であり、公になれば当然その病院にはいられなくなるはず。
❓気になるのは、彼がなぜこのタイミングでダニーに告白したのか、という点。
純粋な罪悪感からの告白か、あるいはダニーへの信頼を示そうとしたのか、もしかしたら今後の展開(例えば、秘密保持契約が破られそうになるなど)を見越して、先にダニーに打ち明けておくという計算があったのかもしれません。

ですが、僕は、フィリップスは、ダニーの事をまだ愛しており、彼女を助ける為に自らを犠牲にする覚悟を示したと思う。
第10話:ケネディ/ネタバレあらすじ
クルス部長の娘ヴェロがついに退院の日を迎え、クルス部長はダニーに心からの感謝を伝える。
そして、「あなたを解雇することなんてできなかった。来年度のチーフレジデントには、あなたを推薦したわ」と、人事決定を事前に打ち明ける。
しかし、その後のパーティーで発表された人事は、ダニーにとっても、そしてクルス部長にとっても予想外のものでした。
病院の組織変更で外科とERが分離され、クルス部長は外科部長として留任するものの、ERの新部長には策略家のパトリック・サンチェスが就任。
そしてサンチェスは、壇上で次期ERチーフレジデントを発表する際、クルス部長が推薦したダニーではなく、イライジャの名前を呼び上げた。
突然のことにダニーは複雑な表情を浮かべますが、長年の友人であるイライジャの昇進を、努めて明るく祝福する。
一方、フィリップスは大きな決断をしていた。
彼はダニーに、ケネディ病院時代の患者死亡事故とその隠蔽について、病院の審査委員会に全て正直に話したことを告白する。
医師免許を失う可能性も覚悟の上で、「これが正しいことだと信じている。君(ダニー)が真実のために立ち上がった姿を見て、自分もそうしたいと思ったんだ」と語りました。
過去の過ちと向き合い、ようやく一歩を踏み出したのです。
他の医師たちもそれぞれの道を歩み始めていた。
トム・コールは、患者である救命士ニアへの個人的な感情が指導医ソリアーノに知られ、医師としての倫理観を厳しく問われる事態に。
また、医学生のカミラは、インターンのソフィーとの間に友情以上の特別な感情が芽生えていることに気づきますが、時を同じくして、カミラにはロドリゴという婚約者がいることも明らかになる。
物語は、ダニーが海辺でフィリップスと再会するシーンで静かに幕を閉じる。
チーフレジデントの座は手に入らなかったけれど、過去のしがらみから解放され、フィリップスとの関係も(恋愛とは違うかもしれないけれど)新たな、そしておそらくはより対等な段階に入ったことに、ダニーはどこか安堵しているようでした。
新たなERチーフレジデントとしてイライジャが病院へ向かう姿を見送りながら、ダニーは穏やかな表情で海に身を委ね、まるで自由と心の平穏を取り戻したかのように見える。
『パルス』が問いかけるもの:作品テーマを読み解く考察

このドラマは、僕たち自身の社会や人間関係にも通じる、様々な深いテーマを投げかけている。
ここでは、ここがこの作品の面白いなって思った部分とテーマとして取り上げた部分を紹介していきたいと思います。
真実を語る重さと意味
フィリップスが重い口を開き、ついに語った衝撃的な過去。
人はなぜ、そしてどんな時に、自分の過ちや隠してきた「真実」を語るのでしょうか?
それを語ることには、どれほどの勇気が必要で、どんな重い結果が待っているのか。
そして、それでも真実と向き合うことにはどんな意味があるのか、深く考えさせられました。
組織と個人のリアルな戦い
フィリップスの母親のような「力」(お金や社会的地位)を持つ人の一言で、正しいことが捻じ曲げられそうになる…。
病院という大きな組織の中で、ダニーやクルス部長のような個人の正義や尊厳は、どうなってしまうのでしょうか?
強い力を持つ者に、弱い立場の者がどう立ち向かうのか(あるいは、立ち向かえないのか)、そのリアルな葛藤を描いている点は、かなり好印象でした。
働く場所でのルール違反と人間関係
ダニーによるセクハラ告発(その真偽はさておき)、トムと患者ニアの危うい関係、カミラが「毒がある」と感じた職場の雰囲気(パワハラや古い慣習?)。
これらは許されることなのでしょうか?
働く場所でのルール違反や、人間関係における「これってどうなの?」と考えさせられる、現代的な問題を鋭く切り取っているのも面白かった。
失敗しても、もう一度やり直しは可能か?
ダニーも、フィリップスも、ソフィーも、みんな大きな失敗や挫折を経験しました。
人は、過ちを犯したり、打ちのめされたりした後、そこから立ち直り、「やり直す」ことはできるのでしょうか?
それとも、現実はもっと厳しく、一度の失敗がすべてを決定づけてしまうのか?
このドラマは、再生への希望と、その難しさの両方を僕たちに見せてくれ、向き合う事の大切さを教えてくれた気がします。
ダニーとフィリップスのその後を勝手に妄想してみた!
ラストシーン、海辺で再会したダニーとフィリップス。
あの穏やかな空気は、嵐のような日々を共に乗り越え、互いの弱さや過ちをも知り尽くした二人にしか出せない、特別なものだったように思う。
恋愛関係には戻らない、でも…
おそらく、二人が以前のような燃えるような恋愛関係に戻ることはないと思う。
フィリップスが犯した過去の過ち(患者死亡事故とその隠蔽)はあまりにも重く、ダニーが彼に向けた告発の事実も消えません。
何より、ダニーはラストシーンで、特定の関係や場所に縛られない「自由と平静」を見つけたように見えた。
彼女が再びフィリップスとの関係に深くコミットするとは考えにくい。
唯一無二の理解者として
しかし、彼らの繋がりが完全に断ち切れることもない気がする。
フィリップスは、ダニーの行動に影響を受け、自らの罪と向き合う決意をした。
ダニーもまた、フィリップスの告白を聞き、彼の抱える苦悩や弱さを知った。
彼らは、お互いの最も暗い部分を知り、それでもなお、最後に穏やかに言葉を交わせた唯一の相手。
数年後、フィリップスは医師免許を失い、おそらく別の形で罪を償う道を歩んでいると思う。
一方、ダニーはマイアミに残るか、あるいは別の街の病院で、より成熟した医師として働いているかもしれません。
チーフレジデントにはなれませんでしたが、彼女は自分の力で道を切り拓いていく強さを持っていますから。
時折、二人は連絡を取り合うのかもしれない。
それは恋人としてではなく、人生の困難な時期を共に経験し、互いの複雑さを理解し合える、稀有な「友人」あるいは「戦友」として。
ダニーは、フィリップスが過去を乗り越え、新しい人生を築こうとする姿を遠くから見守り、時には励ましの言葉を送るかもしれない。
フィリップスもまた、医師として奮闘するダニーの良き理解者となり、彼女が壁にぶつかった時には、かつての上司でも恋人でもない、対等な立場で話を聞く…そんな関係になっているかも。

皆さんは、2人のその後をどんな風に描きましたか?
良ければコメント欄で教えていただけると嬉しいです。
まとめ:Netflixドラマ『パルス』は〇〇だった!
●複雑な人間関係と病院内の権力闘争を描き出す
●ハリケーンという極限状態が、登場人物たちの本性を浮き彫りにする
●「グレイズ・アナトミー」ファンには楽しめる要素が多い一方で、オリジナリティにはやや欠ける
●賛否両論はあるものの、中毒性のある展開で最後まで目が離せない。
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