Netflix『ウンジュンとサンヨン』レビュー:好きで、憧れて、嫉妬した。二人の女性の、一生涯の物語。
2025年秋、Netflixからまた一つ、僕たちの心に深く刻まれるであろう韓国ドラマが誕生します。
キム・ゴウンさんとパク・ジヒョンさんという、現代を代表する実力派女優が二度目の共演を果たす『ウンジュンとサンヨン』。
これは単なる友情物語ではありません。
好きで、憧れて、嫉妬して、憎んだ――。
一生涯をかけて複雑に絡み合う二人の女性の数十年にわたる軌跡を描く、壮大なヒューマンドラマです。

こんにちは!YOSHIKIです。
今回はこの注目の新作の魅力を、【ネタバレなし】と【ネタバレあり】に分けて、徹底的に語り尽くします! まずは、物語の核心に触れない範囲で、その世界観に触れてみましょう。
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いつも『YOSHIKIのMOVIE SELECTION’S』を読んでくれて、本当にありがとうございます!
このブログでは、読者の皆さんと「作品を待つワクワク感」から「観終わった後の語り合いたい気持ち」までを共有するため、【随時更新】というオリジナルの記事スタイルを採っています。
これは、僕が考え抜いた、みんなと最高の映画体験をするための形です。
ぜひ、この場所で、一緒に物語を深めていきましょう!
🔴Netflixドラマ『ウンジュンとサンヨン』基本情報

まずはサクッと基本情報から。
監督と脚本家が、どちらも韓国ドラマ界屈指のヒットメーカー!
これだけでも、傑作の予感がしますよね。
項目 | 詳細 |
作品名 | ウンジュンとサンヨン (은중과 상연) |
配信 | Netflix(独占配信) |
配信日 | 2025年9月12日 (金) |
監督 | チョ・ヨンミン (『愛と、利と』) |
脚本 | ソン・ヘジン (『空から降る一億の星』韓国版) |
キャスト | キム・ゴウン, パク・ジヒョン, キム・ゴヌ |
ジャンル | ヒューマンドラマ |
🔴【ネタバレなし】視聴前に知っておきたい!本作がヤバい3つの理由
予告編やあらすじ、制作陣の情報から、僕が「これはヤバい!」と確信するに至った3つのポイントを紹介させてください!
① 主演キム・ゴウン×パク・ジヒョンの再共演が織りなす化学反応
本作の最大の魅力は、何と言っても主演二人のキャスティングにあります。
キム・ゴウンさんとパク・ジヒョンさんは、大ヒットドラマ『ユミの細胞たち』以来、2度目の共演なんです。
『ユミの細胞たち』では恋敵だった二人が、本作では「生涯の親友でありライバル」を演じる。
この事実だけで、物語に特別な深みが生まれますよね。
制作発表会でキム・ゴウンさんが思わず涙ぐむ場面もあったそうで、二人が全身全霊で役に命を吹き込んでいるのが伝わってきます。
② ヒットメーカー制作陣が描く「静かなる傑作」の予感
本作の期待値を高めているのは、俳優陣だけではありません。
監督を務めるのは、『愛と、利と』などで知られるチョ・ヨンミン監督。
彼の、登場人物の言葉にならない感情を、静かで美しい映像の中に繊細に捉える演出は、本当に素晴らしいんです。
脚本は、『空から降る一億の星』韓国版を手掛けたソン・ヘジンさん。
彼女が紡ぐ、重厚で時に残酷な運命の物語を、チョ・ヨンミン監督が過剰な演出をせずに描き出す。
この二人が組むことで、ただのメロドラマじゃない、心に深く突き刺さる、すごい人間ドラマが生まれる予感がします。
③ 10代から40代までを描く、一生涯の友情という壮大なテーマ
『ウンジュンとサンヨン』は、二人の女性の出会いから40代に至るまで、数十年にわたる時間を描きます。
キラキラしていた青春時代、社会に出てからのすれ違い、そして人生の終盤で再び向き合う過去と現在。
誰にでも、人生のステージが変わるにつれて疎遠になってしまった友人がいるのではないでしょうか。
本作は、そんな誰もが経験しうる普遍的なテーマを扱っています。
これはウンジュンとサンヨンという二人の特別な物語であると同時に、僕らの人生における大切な人との関係を、改めて見つめ直すきっかけを与えてくれる物語でもあるんです。
🔴Netflixドラマ『ウンジュンとサンヨン』キャストとあらすじ
●リュ・ウンジュン (演: キム・ゴウン)
平凡な家庭で育つも、素直で人を惹きつける魅力を持つ女性。
後に脚本家になる。
●チョン・サンヨン (演: パク・ジヒョン)
裕福な環境で育ち、才能にも恵まれた、ウンジュンの親友であり人生最大のライバル。
後に映画プロデューサーになる。
●キム・サンハク (演: キム・ゴヌ)
ウンジュンとサンヨンの大学時代の先輩。
『ザ・グローリー』で強烈な印象を残した彼が、二人の関係性に重要な影響を与える。
『ウンジュンとサンヨン』【ネタバレなし あらすじ】
小学校で出会い、互いに最も近しい存在でありながら、常に意識し合うライバルでもあったウンジュンとサンヨン。
才能、家柄、全てを持つサンヨンと、平凡ながらも確かな眼差しで世界を見るウンジュン。
二人の道は大人になるにつれて静かに分かれ、いつしか疎遠になっていた。十数年の時が経ち、42歳になった二人は再会を果たす。
脚本家として地道に暮らすウンジュンの前に現れたのは、映画プロデューサーとして成功を収めたサンヨンだった。しかし、彼女の口から告げられたのは、衝撃的な事実――
末期ガンを患っており、残された時間はわずかであること。
そして、人生最後の旅の同伴者として、ウンジュンを指名するのだった…。
🔴Netflixドラマ『ウンジュンとサンヨン』ネタバレなし感想
全体総評:……泣いた。「大好きだけど憎らしい」、あなたの心にもいる、あの人へ
いやー…泣きました。
「大好きだけど、憎らしい」。
ウンジュンとサンヨン、小学生から42歳までを描いたこの物語は、僕らが心の奥底に隠している、そんな矛盾した感情を、容赦なくえぐり出してきます。
『ユミの細胞たち』でもライバルだった、キム・ゴウンさんとパク・ジヒョンさん。
この二人が、またしても激しくぶつかり合う!
特に、二人の大学時代のストーリーは、もう切ないっていうより、辛い。
もどかしくて、堪らなかったです。
二人の視点で進んでいくから、それぞれの気持ちが分かる。
分かるからこそ、辛い。
「もう、言っちゃえよー!」って、何度思ったことか(笑)。
貧しいけど、前向きでストレートなウンジュン。
彼女の周りには、自然と人が集まってくる。
キム・ゴウンさんが泣くと、僕らも自然と涙が出てしまう。
本当に、感情豊かな演技が魅力的でした。
一方で、サンヨン。変な意地とプライドで、どんどん自分を孤独にしていく。
すごい憎たらしいんだけど、こういう役を完璧に演じるパク・ジヒョンさんも、本当にすごい。
激しくぶつかり合って、絶交して。
それでも、また二人が寄り添っていく姿は、もう涙でしかありませんでした。
尊厳死という重いテーマや、彼女たちが下す決断。
正直、僕には理解しがたい部分もありました。
でも、だからこそ、めちゃくちゃ泣けた。
二人の、心に刺さりまくる圧巻の演技に、ただただ感動です。
『ウンジュンとサンヨン』各項目別10点満点評価とレビュー
評価項目 | 点数 | YOSHIKIのひとことレビュー |
ストーリー | 8/10 | もどかしくて、辛い。でも、目が離せない。登場人物の気持ちが分かりすぎるからこそ、胸が締め付けられる。見事な脚本でした。 |
映像美 | 10/10 | これは、映画です。光と影の巧みな利用、登場人物の心理を映し出す構図。全てのショットが詩情にあふれ、息をのむほど美しかった。 |
余韻・没入感 | 10/10 | とんでもなく泣きました…。観終わった後、自分の人生における、最も大切で、最も複雑な誰かの顔が、きっと心に浮かぶはず。 |
リピート率 | 8/10 | もう一度観るには、少し覚悟がいるかもしれません。でも、主演二人の、魂を削るような演技の細部を、もう一度確認したくなるはず。 |
キャストの演技 | 10/10 | キム・ゴウンさんとパク・ジヒョンさん、二人のためのドラマ。彼女たちのキャリアにおける、最高傑作だと断言します。 |
総合評価 | 9.2/10 | この秋、全ての大人に観てほしい、魂の傑作。ティッシュの箱を隣に置いて、心して臨むことをお勧めします。 |
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🔴Netflixドラマ『ウンジュンとサンヨン』【ネタバレ全開】最終回までの全話あらすじと結末
【⚠️警告:この先は100%ネタバレです!】
ここでは、ウンジュンとサンヨンの出会いから、あの衝撃的な結末まで、二人の30年以上にわたる人生の軌跡を、時系列で詳しく追いかけていきましょう。
🔵小学生時代:憧れと、最初の亀裂
二人の物語は、1992年、ソウルのイルヨン小学校で始まります。
母子家庭で貧しいウンジュンは、裕福で才能あふれる転校生サンヨンに、強烈な憧れを抱きました。
しかし、学級委員になったサンヨンが、ある誤解からウンジュンを棒で叩いてしまったことで、二人の間には最初の亀裂が生まれます。
それでも、ウンジュンの父の死を、サンヨンの母であるユン先生が優しく慰めてくれたことや、牛乳配達の噂をサンヨンがかばってくれたことなどを通して、二人の間には友情が芽生え始めました。
🔵高校〜大学時代:兄サンハクを巡る、三角関係と悲劇
同じ中学校に進学した二人。
しかし、サンヨンは学年1位の優等生になる一方で、どこか暗い影を落とすようになっていました。
ウンジュンは、家庭教師となったサンヨンの兄・サンハクに、淡い恋心を抱きます。
しかし、サンヨンは、ウンジュンが母や兄と親しくなることを、快く思っていませんでした。
そして、大学時代。
写真部に入ったウンジュンは、サンヨンの兄と同姓同名の先輩、キム・サンハクと出会い、恋に落ちます。
そこに、サンヨンも同じ大学、同じ写真部に入部。
兄を亡くして以来、疎遠だった二人は再会を果たします。
しかし、サンヨンもまた、サンハク先輩に惹かれており、三人の関係は複雑な三角関係へと発展。
ウンジュンは、親友と恋人の間で、嫉妬と罪悪感に苦しむことになります。
🔵断絶の起点 ― 明かされた秘密と分かたれた道
二人の関係を決定的に引き裂いた、サンヨンの兄サンハクの死。その衝撃的な真相が、ついにウンジュンに明かされます。
彼の死の本当の理由は、彼がトランスジェンダーであり、そのことを家族に受け入れてもらえず、絶望した末の選択だったのです。
この事実をサンヨンが隠し続けていたことを知ったウンジュンは、深く傷つき、サンハク先輩とも破局。
二人は二度目の絶交をします。
🔵最後の願いと、旅路の果て
10年の時を経て、40代になった二人は再会。
脚本家となったウンジュンの前に、映画プロデューサーとして成功したサンヨンが現れます。
彼女は末期がんを宣告されており、ウンジュンにスイスでの「幇助自殺」への同行を依頼しました。
ウンジュンは葛藤の末にそれを受け入れ、二人の最後の旅が始まります。
旅の途中、ウンジュンはサンヨンが書いた自叙伝を読み、初めて彼女の視点から30年の歴史を追体験します。
兄の死が彼女に与えた罪悪感、そしてウンジュンへの嫉妬の裏にあった強烈な劣等感。
全てを知ったウンジュンは、サンヨンの孤独と痛みを理解するのでした。
スイスの穏やかな風景の中、ウンジュンが見守る中、サンヨンは安らかな眠りの中で、その波乱に満ちた生涯の幕を閉じます。
ラストシーンは、帰国したウンジュンが、自室の仕事机にサンヨンの大切な写真を一枚飾る、静かで象徴的なシーン。
それは、サンヨンという存在を、彼女との30年間の愛憎の歴史のすべてを、自身の人生の不可分な一部として完全に受け入れ、その記憶と共に新たな日常を生きていくという、ウンジュンの静かな決意表明でした。
🔴Netflixドラマ『ウンジュンとサンヨン』【深掘り考察】この物語が僕たちの心を揺さぶる4つの理由(ネタバレあり)
🔵深掘り考察①:憧れと嫉妬は紙一重――30年にわたる女の友情という名の「戦争」
ウンジュンとサンヨン。
なぜこの二人は、あんなに憎しみ合いながらも、決して離れることができなかったんでしょうか。
その答えは、二人がお互いに「自分が持っていないもの」を、相手が全部持っているように見えたからだと思います。
ウンジュンはサンヨンの裕福な家庭や、自信に満ち溢れた姿に強烈に憧れました。
一方でサンヨンは、ウンジュンが持つ天性の魅力や、母親からの無償の愛に、喉から手が出るほど嫉妒していました。
この強烈な気持ちが、二人を惹きつけ、同時に傷つけ合わせた、30年にもわたる「戦争」の原動力だったんですね。
小学生時代、学級委員になったサンヨンがウンジュンを叩いた事件。
大学時代、ウンジュンが兄サンハク(と思い込んでいた)と恋仲になったことに対する、サンヨンの激しい嫉妬。
そして、映画プロデューサーとして再会した際の、脚本を巡る壮絶な主導権争い。
これらはすべて、相手が持つ「自分が手に入れられないもの」を奪い、支配したいという歪んだ欲求の表れでした。
彼女たちの30年にわたる「戦争」は、現代社会が内包する「持てる者」と「持たざる者」の構造的な問題を映し出す、鏡のようでもありました。
ただし、何を持っているかが真逆であるため、単純な強者・弱者の構図にはならず、永続的な緊張関係が生まれたのです。
🔵深掘り考察②:兄の死が残した「呪い」
二人の関係を決定的に歪め、物語全体に暗い影を落とし続けた最大の悲劇。
それが、サンヨンの兄、サンハクの死でした。
彼の死の本当の理由は、彼がトランスジェンダーであり、そのことを家族に受け入れてもらえず、絶望した末の選択だったこと。
この事実は、完璧に見えたサンヨンの家族が、実は深刻な問題を抱えていたことを示しています。
そして、この悲劇は、サンヨンの心に「自分のせいで兄は死んだ」という、一生消えることのない罪悪感を刻み付けました。
彼女は、兄の苦悩を知りながらも、それを母親に告げたことが兄を追い詰めたと信じ込んでしまったのです。
この拭い去れない「原罪」の意識が、彼女の自己肯定感を根底から破壊し、ウンジュンへの歪んだ執着を異常なまでに増幅させることになります。
彼女がウンジュンに対して見せた数々の酷い態度は、すべてこのトラウマから自分の心を守るための、痛々しい叫びだったのかもしれません。
彼女がウンジュンに本当に求めていたのは、友情の回復ではなく、この「呪い」からの救済と、ただ一言の赦しだったのかもしれません。
🔵深掘り考察③:「本当のあなた」はどこにいる?
このドラマを観ていて、すごく考えさせられたのが、「記憶」というものの不確かさです。
ウンジュンの記憶の中のサンヨンは、いつも自信満々の「憧れの存在」。
でも、サンヨンの心の中では、ウンジュンは自分の大切なものを次々と奪っていく「脅威」でした。
同じ時間を過ごしていても、見ている景色が全く違う。
このどうしようもないすれ違いが、30年もの間、二人を苦しめていたんですね。
そのすれ違いを、最後に溶かしてくれたのが、サンヨンの自叙伝でした。
これって、どっちかが一方的に「許す」っていう話じゃないんですよね。
お互いが「あなたは、そう感じていたんだね」って、相手の見ていた世界を初めて理解する。
その瞬間に、魂のレベルで本当の「和解」が始まったんだと思います。
僕らは、相手のことを本当に理解することなんてできないのかもしれない。
でも、それでも相手の「心の中の世界」を、敬意をもって受け入れようとすること。
その大切さを、このドラマは教えてくれました。
🔵深掘り考察④:「許し」って、なんだろう?
物語の最後、サンヨンは自分の最期に「幇助自殺」を選びます。
そして、ウンジュンにその付き添いを頼む。
ウンジュンは、サンヨンに「許すよ」という言葉をかけませんでした。
彼女が与えたのは、ただ黙って隣にいて、彼女の人生の最後の瞬間を一人で見届けるという、「存在そのものを肯定する」という、行動でした。
ウンジュンは、サンヨンの人生の最後の「証人」になることを、引き受けた。
それは、サンヨンの「死にたい」という、最も正直な願いを受け入れることで、逆説的に、彼女の苦しみに満ちた「生」のすべてを肯定する、究極の愛の形だったんじゃないかな、と僕は思います。
僕らが一般的に考える「許し」とは、相手の過去の過ちを水に流すことかもしれません。
でも、この物語が提示する「許し」は、それとは全く違う。
相手の痛みも弱さも醜さもすべて抱きしめた上で、その未来(たとえそれが「死」であっても)を共有する覚悟のことだったのかもしれません。
🔴Netflixドラマ『ウンジュンとサンヨン』【まとめ】この記事で伝えたかったこと

さて、長々と語ってきましたが、最後にこの魂を揺さぶる物語のポイントを、分かりやすく箇条書きでまとめておきましょう!
●このドラマは、「大好きだけど憎らしい」という、二人の女性の30年以上にわたる友情と対立を描いた、壮大な人間ドラマだった。
●兄の死に隠された悲しい秘密や、幾度もの絶交を経て、物語はサンヨンの「尊厳死」にウンジュンが寄り添うという、衝撃的で、涙なしには見られない結末を迎えた。
●主演のキム・ゴウンさんとパク・ジヒョンさんの、魂を削り合うような圧巻の演技こそが、この重い物語を、忘れられない傑作へと昇華させていた。
●観終わった後、自分の人生における、最も大切で、最も複雑な誰かの顔が心に浮かぶ、観る者の魂を試すような、特別な一本だった。
まだこの傑作を体験していないなら、ティッシュの箱を準備して、ぜひこの魂の旅路を目撃してください。
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