【最終回ネタバレ】『ワンス・アポン・アン・アサシン』解説|なぜネロは復讐を捨てたのか?そして、ペルラは一体何者なのか?
2025年10月、Netflixが新たに放つフランス発のオリジナルシリーズ『ワンス・アポン・アン・アサシン』。
16世紀の南フランスを舞台に、裏切りによってすべてを失った腕利きの暗殺者が、存在さえ知らなかった娘との危険な旅を通して自らの運命と向き合う、壮大なアクション歴史ドラマです。

こんにちは!YOSHIKIです。
今回はこの注目の新作の魅力を、【ネタバレなし】と【ネタバレあり】に分けて、徹底的に語り尽くします!
視聴前の期待感を最大限に高め、視聴後にはより深く物語を味わうための手助けとなることを目指します。
【このブログの楽しみ方について】
いつも『YOSHIKIのMOVIE SELECTION’S』を読んでくれて、本当にありがとうございます!
このブログでは、読者の皆さんと「作品を待つワクワク感」から「観終わった後の語り合いたい気持ち」までを共有するため、【随時更新】というオリジナルの記事スタイルを採っています。
これは、僕が考え抜いた、みんなと最高の映画体験をするための形です。
ぜひ、この場所で、一緒に物語を深めていきましょう!
🔴Netflixドラマ『ワンス・アポン・アン・アサシン』基本情報!

まずはサクッと基本情報から。
主演はフランスのセザール賞にもノミネートされた名優ピオ・マルマイ!
骨太なドラマになる予感がしますよね。
| 項目 | 詳細 |
| 作品名 | 『ワンス・アポン・アン・アサシン』 (原題: Néro the Assassin) |
| 配信 | Netflix(独占配信) |
| 配信日 | 2025年10月8日(水) |
| 話数 | 全8話 |
| 監督 | ルドビク・コルボー・ジャスティン、アラン・モデュイ |
| キャスト | ピオ・マルマイ、アリス・イザーズ、オリヴィエ・グルメ |
| ジャンル | アクション、アドベンチャー、歴史ドラマ |
| 製作国 | フランス |
🔴【ネタバレなし】視聴前に知っておきたい!本作がヤバい3つの理由!
予告編やあらすじ、制作陣の情報から、僕が「これはヤバい!」と確信するに至った3つのポイントを紹介させてください!
①16世紀フランスが舞台の、壮大でダークな世界観
本作の舞台は1504年。ルネサンス期でありながら、宗教改革前夜の不穏な空気が漂う時代です。
火薬が普及し始めたばかりのこの時代設定は、剣や弓、そして原始的な銃が入り乱れる、生々しいアクションシーンを予感させます。
予告編で示唆される、娘ペルラを追う「恐ろしい追っ手」や「邪悪な勢力」は、単なる人間同士の争いだけでなく、歴史の裏に隠された大きな陰謀の存在を感じさせ、物語にダークでミステリアスな深みを与えています。
②「復讐か、贖罪か」― 孤高の暗殺者と娘の旅が紡ぐエモーショナルな物語
物語の推進力は、主人公ネロが直面する究極の選択です。
長年の盟友に裏切られ、復讐の炎を燃やす彼が、守るべき娘ペルラの存在によって「自分のために戦うか、娘の命と世界を救うために立ち上がるか」という選択を迫られます。
予告編では、助けを求める声に「あの子は俺には関係ない」と冷たく言い放つネロの姿があります。
しかし、物語が進むにつれて、この冷徹な暗殺者の心にどのような変化が訪れるのか。
アクションの裏で進行する、魂の救済をめぐるこの内面のドラマこそが、本作最大の魅力と言えるでしょう。
③実力派キャストが集結!セザール賞候補俳優が演じるアンチヒーロー
本作の質を保証するのが、主演を務めるフランスの実力派俳優陣です。
主人公ネロを演じるピオ・マルマイは、フランス版アカデミー賞と称されるセザール賞で主演男優賞にノミネートされた経歴を持つ名優。
共演のオリヴィエ・グルメも、カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞したヨーロッパを代表する俳優の一人です。
このような演技派俳優をキャスティングしているという事実は、本作が単なるアクションシリーズではなく、登場人物の複雑な内面を丁寧に描き出す、重厚なキャラクタードラマを目指していることの証左です。
🔴Netflixドラマ『ワンス・アポン・アン・アサシン』キャストとあらすじ!
●ネロ (演:ピオ・マルマイ)
皮肉屋で冷徹、しかし超一流の腕を持つ暗殺者。
長年仕えた雇い主に裏切られ、追われる身に。
突如現れた娘ペルラの存在に戸惑う。
●ペルラ (演:アリス・イザーズ)
ネロがかつて捨てた娘で、これまで孤児として生きてきた。
なぜか謎の勢力から命を狙われており、物語の鍵を握る重要人物。
『ワンス・アポン・アン・アサシン』【ネタバレなし あらすじ】
物語の舞台は1504年の南フランス。
裏社会でその名を知られた腕利きの暗殺者ネロは、長年仕えた雇い主の裏切りによって、一転して追われる身となる。生き延びるため、そして復讐を果たすため、孤独な逃避行を続ける彼のもとに、衝撃的な事実がもたらされる。
それは、かつて彼が捨てた娘、ペルラの存在だった。ペルラもまた、謎の「恐ろしい追っ手」から命を狙われていた。
ネロは、自分のためだけに生きる道を選ぶのか、それとも、血を分けた娘を守り、贖罪の道を歩むのか。
皮肉屋の暗殺者と孤児として生きてきた娘、二人の危険な旅が今、始まる。
🔴Netflixドラマ『ワンス・アポン・アン・アサシン』ネタバレ感想!
🔵正直、なめてた。これは、時代劇が苦手な僕が、どハマりした理由!
いやー…全8話を観終わった今、僕が最初に言いたいのは、これです。
「正直に言うと、観る前は、少しだけ食わず嫌いしていました。本当に、ごめんなさい…!」
「16世紀のフランスが舞台の時代劇」って聞いて、僕自身はあまり得意なジャンルじゃないから、「ハマれるかな…」って、少しだけ抵抗があったんだよね。
でも、そんな心配は、第1話の冒頭10分で、完全に吹き飛ばされました。
まず、世界観の作り込みが、尋常じゃないという印象。
僕の場合、そこにアレルギーがあるんだけど。
まるで「本物の中世の背景」を見ているかのような、ザラついた質感の映像。
そして、キャラクターたちの感情まで表現しているかのような、緻密な衣装とセットデザイン。
そのクオリティの高さには、正直、舌を巻きました。
観進めても、僕の「時代劇、ちょっと苦手だな…」っていう気持ちが、完全に消えたわけじゃない。
でも、そんな個人的な好みを、いとも簡単にねじ伏せるほど、この作品のストーリーが、あまりにも強烈だった。
僕の心を完全に掴んだのが、「復讐と贖罪」を巡る、骨太な物語。
裏切られた暗殺者の男が、娘と再会し、その心に変化が生まれていく。
その、痛々しくも、愛おしい魂の旅路に、僕は完全に心を奪われてしまいました。
そして、アクションシーン。
これも、ただ派手なだけじゃない。
「手に汗握る振り付け」の中に、キャラクターたちの怒りや悲しみといった、感情的な瞬間が見事に融合している気がする。
だからこそ、僕は、彼らの一挙手一投足から、目が離せなったのかもしれない。
時代劇が苦手な人にこそ、騙されたと思って観てほしい。
その先には、間違いなく、忘れられない満足感が待っているから。
🔵『ワンス・アポン・アン・アサシン』各項目別10点満点評価とレビュー
| 評価項目 | 点数 | YOSHIKIのひとことレビュー |
| ストーリー | 8/10 | 骨太で、エモーショナル。時代劇という設定を忘れるくらい、父と娘の普遍的な物語に引き込まれました。 |
| 映像美 | 9/10 | 圧巻の世界観。16世紀フランスの、ザラついた空気感、血と硝煙の匂いまで伝わってくるよう。これは、映画館のスクリーンで観たいレベル。 |
| 余韻・没入感 | 7/10 | 完全に、あの世界に没入させられました。ただ、時代劇という設定に、最後まで少しだけ慣れない自分もいたかな。 |
| リピート率 | 7/10 | もう一度観て、伏線や俳優の細かい演技を確認したくなるはず。2回目は、また違う発見がある、深みのある作品です。 |
| キャストの演技 | 8/10 | 主演ピオ・マルマイの、静かな狂気と、奥に秘めた優しさ。その多面的な演技に、完全に心を掴まれました。 |
| 総合評価 | 7.8/10 | 時代劇が苦手な人にこそ観てほしい、隠れた名作。骨太な人間ドラマが好きなら、絶対に観るべき一本です。 |
🔴Netflixドラマ『ワンス・アポン・アン・アサシン』衝撃のあらすじ結末解説!
ここからはネタバレありで、あらすじ結末を解説していきたいと思います。
まだ、視聴していない方は、閲覧に注意してくださいね。
呪毒に侵されたネロの逃避行と、ペルラの真実
物語の中盤、ネロは魔女にはめられた首輪の呪毒に侵され、体の腐敗に苦しみ始めます。
そんな中、魔女はネロに対し、衝撃の事実を告げます。
ペルラは悪魔の末裔などではなく、むしろ世界を救える存在であること。
そして、悪魔の存在は、教皇庁が生み出した嘘であった、と。
さらに、その魔女自身が、800年以上を生きる、ネロの祖先であることも明かされます。
裏切りと、仲間たちの犠牲
ペルラを狙う大司教の陰謀が渦巻くセギュール城。
ネロは、魔女の最後の魔術の力で城内に潜入し、ペルラたちを救出します。
しかし、その代償はあまりにも大きかった。
拷問を受けていた修道士オラスは、足手まといになることを恐れ、自ら犠牲に。
そして、魔女もまた、ネロたちを逃がすために、たった一人で敵の大群に立ち向かい、命を落とすのでした。
ラスト結末:ペルラが起こした奇跡と、新たな謎
脱出したネロでしたが、愛する娘ペルラと、婚約者となったオルタンスを守るため、大司教に仲間たちの情報を渡すという、苦渋の決断を下します。
しかし、その裏切りを知ったペルラは絶望し、逃走。
父ネロが悔悛者に捕らえられたその時、彼女は世界を救うため、魔女から託された短剣で、自らの胸を突きました。
その瞬間、干ばつに苦しんでいた大地に、大雨が降り注ぎます。
城では、侮辱された悔悛者のリーダーが大司教を城から突き落とし、一つの悪が滅びました。
しかし、物語はここで終わりません。
雨の中、謎の人物にネロは頭を殴られて気を失い、ペルラが何者かにさらわれてしまう。
そして、死んだはずの彼女が息を吹き返す、という衝撃的なシーンで、物語は幕を閉じるのです。
🔴Netflixドラマ『ワンス・アポン・アン・アサシン』ネタバレ深掘り解説!

▼海外での評価は?絶賛と酷評の理由を、もっと詳しく知りたい?
「今年最高のドラマの一つ」と絶賛される一方で、一体どこが批判されているのか?
海外の批評家やファンがこの作品をどう見たのか、そのリアルな声をまとめた、こちらの記事もチェック!
🔵深掘り考察①:ネロの「復讐」は本当に果たされたのか?
まず考えたいのは、ネロの「復讐」について。
彼は結局、自分を裏切った者たちを、この手で裁くことはできませんでした。
では、彼の復讐は失敗に終わったんでしょうか?
僕は、そうは思いません。
むしろ、彼は復讐という概念そのものを、超越したんだと思う。
従来の復讐劇なら、クライマックスで悪役を倒し、カタルシスを得て物語は終わる。
もしネロがヴァレリウスを殺していたら、それはそれで一つの結末だったかもしれない。
でも、彼が選んだのは、復讐という「有限の祝福」を捨て、贖罪という「無限の呪い」を背負う道でした。
ペルラを守って生きるという選択は、終わりなき始まりを意味する。
彼はこれから一生、ペルラを狙う者たちから、彼女を守り続けなければならない。
常に警戒し、恐怖と隣り合わせで生きる。
それは、ある意味で、復讐を遂げるよりも遥かに過酷な「終身刑」と同等の意味を持つと思う。
ネロが最後の選択で手に入れたのは、安らかな「平和」じゃなく、もっと重くて尊い「目的」だった。
彼は、自分のためだけに剣を振るう暗殺者であることをやめ、誰かのために生きるという、終わりのない責任を引き受けたのかもしれない。
🔵深掘り考察②:ペルラは「守られるヒロイン」ではなく「次世代の語り部」である
次に注目したいのが、ペルラのキャラクター造形です。
物語の序盤、彼女はネロに守られるだけの、か弱な存在に見えたかもしれない。
でも、物語が進むにつれて、彼女が秘めていた本当の強さが明らかになっていく。
彼女の本当の武器は、剣じゃなくペンだった。
敵である大司教や教皇庁が何をしようとしていたか?
彼らは、自分たちの都合のいい「真理」で世界を支配し、歴史をコントロールしようとしていた。
つまり、彼らの戦いは、物語の奪い合いなんです。
そんな彼らにとって、最大の脅威は、ネロのような腕利きの暗殺者じゃない。
自分たちの嘘を暴き、本当の物語を記録し、後世に伝える人間だった。
ペルラは、無意識のうちにその役割を担っていた。
彼女は、父親のような次世代の暗殺者になる運命じゃなかった。
彼女は、ネロと自分たちの真実の物語が、歴史から抹消されないように戦う「次世代の語り部」になる運命だったんだと思う。
ネロが審問官たちの肉体と戦っている間、ペルラは彼らのイデオロギーと戦っていた。
物理的な暴力と、物語の力。
この二つの力が、父と娘という形で共闘していたと考えると、この物語の構造がより立体的に見えてこない?
🔵深掘り考察③:なぜ舞台は16世紀フランスだったのか?
この物語、なぜ舞台が1504年のフランスだったんだろう?
もっと派手なアクションが描ける時代や、有名な歴史上の人物がいる時代でもよかったはず。
でも、作り手は意図的にこの時代を選んだ。
僕は、この時代設定こそが、この物語の核心的なテーマを象徴していると考えています。
1504年というのは、歴史の巨大な転換点。
中世的な騎士道や、疑われることのなかった教会の権威といった「古い世界」が崩れ始め、火薬という新しいテクノロジー、絶対王政という新しい国家の形、そして宗教改革という新しい思想が生まれようとしていた「新しい世界」への過渡期だったらしい。
この構図に、登場人物たちを当てはめてみると、面白いことが見えてくる。
ネロは、まさに「新しい世界」の混沌を象徴する存在。
彼は騎士道的な一騎討ちよりも、原始的な銃(火縄銃)を効果的に使う。
神への信仰よりも、自分の腕と経験を信じる。
彼は、古い秩序から解き放たれた、暴力的で、しかしどこか近代的な「個人」の萌芽。
一方、ヴァレリウスと「真理の審問官」は、失われゆく権威に必死にしがみつく「古い世界」そのもの。
彼らは、古代の権威や、揺るぎない教義によって、変わりゆく世界を無理やり押さえつけようとする。
つまり、ネロとヴァレリウスの戦いは、単なる個人間の争いじゃない。
それは、一つの時代が死に、新しい時代が生まれようとする瞬間の、産みの苦しみを表現していたのかなって思う。
🔵深掘り考察④:ラストシーンが意味する続編への布石
そして、最後の考察。
ペルラがさらわれ、そして蘇生した、あの衝撃のラストシーン。
これはもう、シーズン2への、これ以上ない布石ですよね(笑)。
ネロとペルラの個人的な物語には、「父親になる」という形で、一旦の区切りがつきました。
でも、彼らを取り巻く大きな戦いは、まだ始まったばかり。
このラストシーンによって、僕らの前には、3つの巨大な謎が提示されました。
- ペルラをさらった、あの「謎の人物」は誰なのか?
- 彼女が持つ「世界を救う力(雨を降らせる力)」とは、一体何なのか?
- そして、ネロの800歳を超える祖先である、魔女の謎。
シーズン1で描かれた父と娘の魂の救済というテーマに完璧な感情的決着をつけながら、同時に、物語のスケールを「個人の復讐劇」から「超自然的な力と、それを巡る巨大な陰謀との戦い」へと、一気に飛躍させる。
このラストシーンは、シーズン2への期待感を極限まで高める、最高のクリフハンガーだったと思います。
🔴Netflixドラマ『ワンス・アポン・アン・アサシン』【まとめ】この記事で伝えたかったこと!

さて、長々と語ってきましたが、最後にこの壮絶な物語のポイントを、分かりやすく箇条書きでまとめておきましょう!
●このドラマは、16世紀フランスを舞台に、裏切られた暗殺者の父ネロと、存在さえ知らなかった娘ペルラの「復讐と贖罪」を巡る旅を描いた、壮大なアクション歴史ドラマだった。
●物語の結末では、ネロが復讐を捨て、娘を守る「父親」としての道を選択。
しかし、ラストには続編を強く予感させる、衝撃的なクリフハンガーが待っていた。
●主演のピオ・マルマイをはじめとする俳優陣の、魂を削るような圧巻の演技が、この重厚な物語を、忘れられない「傑作」へと昇華させていた。
まだこの傑作を体験していないなら、覚悟を決めて、ぜひこの歪んだ愛の物語を目撃してほしいです。




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