当サイトは一部プロモーションを含んでおります。
当サイトは一部プロモーションを含んでおります。

Netflix『デス・バイ・ライトニング』結末の“本当の死因”は医療ミス?ギトーの動機を4つの深掘り考察で徹底解説【ネタバレ感想・あらすじ】

Netflix

Netflix『デス・バイ・ライトニング』ネタバレ感想・考察。あらすじ・結末・キャスト、ゲームオブスローンズ製作陣の情報を解説。

Netflix『デス・バイ・ライトニング』ネタバレ感想・考察。あらすじ・結末・キャスト、ゲームオブスローンズ製作陣の情報を解説。

2025年11月6日、とんでもない実話ドラマがNetflixに登場します。
その名は『デス・バイ・ライトニング』(原題: Death by Lightning

「事実は小説より奇なり」――。
アメリカ大統領が、政敵ではなく「最も偉大な崇拝者」を名乗る男の手によって暗殺される、という衝撃の実話です。
しかも!
製作総指揮は、世界中を熱狂させた『ゲーム・オブ・スローンズ』のデイヴィッド・ベニオフとD・B・ワイス!

【このブログの楽しみ方について】

いつも『YOSHIKIのMOVIE SELECTION’S』を読んでくれて、本当にありがとうございます!
このブログでは、読者の皆さんと「作品を待つワクワク感」から「観終わった後の語り合いたい気持ち」までを共有するため、【随時更新】というオリジナルの記事スタイルを採っています。
これは、僕が考え抜いた、みんなと最高の映画体験をするための形です。
この記事は、配信後に【ネタバレなし感想】、【ネタバレあらすじ結末解説】、【ネタバレあり考察】と段階的に更新していきます。
ぜひ、この記事をブックマークして、視聴後にもう一度訪れてください!
この場所で、一緒に物語を深めていきましょう!

🟡Netflixドラマ『デス・バイ・ライトニング』基本情報!

YOSHIKI
YOSHIKI

まずはサクッと基本情報から。
全4話のリミテッド・シリーズというのがポイントですね。
ダラダラ引き延ばさず、映画のように密度の濃い物語が期待できます!
そしてレーティングは「TV-MA(成人向け)」
かなりハードな内容になりそうです。

項目詳細
邦題『デス・バイ・ライトニング』
原題Death by Lightning
製作総指揮デイヴィッド・ベニオフ & D・B・ワイス (『ゲーム・オブ・スローンズ』)
監督マット・ロス (『はじまりへの旅』)
音楽ラミン・ジャヴァディ (『ゲーム・オブ・スローンズ』)
キャストマイケル・シャノン、マシュー・マクファディン、ニック・オファーマン、 ベティ・ギルピン 他
形式全4話のリミテッド・シリーズ
ジャンル歴史ドラマ、伝記クライムサスペンス
レーティングTV-MA(成人向け)
配信日2025年11月6日 (木) 全話一挙配信

公式予告編

YOSHIKI
YOSHIKI

予告編では、壮大なスケールで描かれる19世紀アメリカの政治と、ギトーの不気味な妄執が対比されています。「私に偉大になる方法を教えてください」というセリフが耳に残りますね…。

 

🟡【ネタバレなし】視聴前に知るべき!本作がヤバい3つの理由!

予告編や制作陣の情報から、僕が「これはヤバい!」と確信するに至った3つのポイントを紹介させてください!

①『GoT』チームが再集結!壮大なスケールと音楽がヤバい!

これが最大の注目ポイントです!
本作の製作総指揮は、あの『ゲーム・オブ・スローンズ』のデイヴィッド・ベニオフとD・B・ワイス。
さらに、音楽は『GoT』『ウエストワールド』のラミン・ジャヴァディが担当します!

このチームがNetflixで再集結するというだけで、壮大で複雑、そして容赦のない残酷な物語と、心を揺さぶるパワフルな音楽が約束されたようなもの。
全4話とはいえ、映画を超えるスケールの「プレステージTV」になることは間違いありません!

②『メディア王』のトム vs マイケル・シャノン!「演技の決闘」がヤバい!

キャスティングが、まさに「今、これを観たい!」という完璧な布陣です。

●暗殺者ギトー(マシュー・マクファディン)
『メディア王 〜華麗なる一族〜』のトム役でエミー賞を総ナメにした彼が、今度は「哀れで」「妄想に取り憑かれた」暗殺者を演じます。
予告編だけでも、あの“トム”を彷彿とさせる不気味なオーラがヤバい!
●ガーフィールド大統領(マイケル・シャノン)
『ボードウォーク・エンパイア』などでお馴染みの、もはや「歩く重圧」ことマイケル・シャノンが、「不本意な大統領」の苦悩を演じます。

この二人が激突する心理スリラー…。
まさに「演技の決闘」です。これだけでも観る価値があります。

③「事実は小説より奇なり」!“暗殺の本当の理由”がヤバい!

本作は、単なる暗殺事件を描くドラマではありません。
その背景にある「事実」が、フィクションを超えてヤバいんです。

1. 犯人の動機がヤバい
犯人のギトーは、大統領を熱狂的に支持する「最も偉大な崇拝者」。
選挙運動に少し貢献した(と本人は思っている)だけで、「パリの大使の職をよこせ!」と本気で要求していたそうです。
それを拒否された逆恨みで、暗殺に至る…。
この狂気、恐ろしすぎます。

2. 大統領の“本当の死因”がヤバい
さらに衝撃的なのが、ガーフィールド大統領は、銃撃で即死したわけではないということ。
彼は銃撃後、80日間も生き延びたのですが、その間に当時の医師たちが、滅菌していない器具や手で傷口を探りまくったせいで、致命的な感染症を引き起こした…
という「医療過誤」が死の決定打だった可能性が非常に高いそうです。

悪意(ギトー)と無知(当時の医療)によって殺された男の物語。
これはもう、ただの歴史ドラマではありません!

🟡Netflixドラマ『デス・バイ・ライトニング』キャストとあらすじ!

YOSHIKI
YOSHIKI

物語を動かすのは、この二人と、彼らを取り巻く政治家たちです。

●ジェームズ・A・ガーフィールド(演:マイケル・シャノン)
主人公。
貧困から成り上がった「不本意な」第20代アメリカ大統領。
腐敗した「猟官制(コネ人事)」を改革しようと戦う。
●チャールズ・J・ギトー(演:マシュー・マクファディン)
暗殺者。
失敗した弁護士であり、宗教的狂信者。
「自分はガーフィールドの当選に貢献した」という妄想に取り憑かれ、見返り(パリ大使)を要求する。
●チェスター・A・アーサー(演:ニック・オファーマン)
副大統領。
ガーフィールドとは対立する派閥のボス。
●ルクレティア・ガーフィールド(演:ベティ・ギルピン)
ガーフィールドの妻、ファーストレディ。

『デス・バイ・ライトニング』【ネタバレなし あらすじ】

物語は、二人の男の軌跡を並行して追う。
一人は、貧しい丸太小屋から、南北戦争の英雄を経て、ついに第20代アメリカ大統領にまで上り詰めたジェームズ・A・ガーフィールド(マイケル・シャノン)
彼は大統領に就任するや、国にはびこる政治腐敗、特に「猟官制(コネ人事)」の撲滅に乗り出す。

もう一人は、チャールズ・J・ギトー(マシュー・マクファディン)
自分を天才だと信じる、妄想に取り憑かれた弁護士。
彼は、大統領選挙でガーフィールドを熱狂的に(一方的に)支持し、その「功績」によって自分はパリの大使に任命されるべきだと信じ込んでいた。

ホワイトハウスに押しかけ、何度も要求を拒否されたギトーの「崇拝」は、やがて殺意に満ちた「怒り」へと変わる。
「これは神の啓示だ」――。

1881年7月2日、ワシントンの鉄道駅。
改革に燃える不本意な大統領と、名声を求める妄想の暗殺者。
二人の軌跡が、アメリカ史を揺るがす悲劇として交錯する──。

🟡『デス・バイ・ライトニング』【ネタバレなし感想】

ついに配信開始!
早速、全4話一気見しました…!

まず最初に、僕の興奮をそのままお伝えします。
これは…「マシュー・マクファディンの最高傑作」であり、同時に「アンバランスさが逆に魅力的な、強烈な問題作」でした!

海外の批評家スコアは、(2025年11月7日現在)Rotten Tomatoesが90%Metacriticが80と、数字の上では「大絶賛」されています。
でも、レビューの中身を読むと「トーンが不安定」「焦点が定まっていない」という批判も多くて、僕も「なるほどな」と共感する部分はありました。

まず、物語(ストーリー)はどうだった?

僕が本作に「かなり引き込まれた」理由が、この「物語の雰囲気」なんです。
このドラマ、二人の主人公の視点が交互に描かれるんですが、その「トーン」が全く違っていて、そこがすごく面白かった!

●ガーフィールド大統領(マイケル・シャノン)のパート
『ザ・ホワイトハウス』のような、高尚でシリアスな「政治ドラマ」。
腐敗と戦う大統領の姿が描かれます。
●暗殺者ギトー(マシュー・マクファディン)のパート
彼が大人気ドラマ『メディア王』で見せた役柄を彷彿とさせる、「愚かで哀れで、どこか滑稽な」心理劇。
ほとんどブラックコメディみたいなんです(笑)。

この「シリアス」と「滑稽」な雰囲気が目まぐるしく入れ替わるんですが、これが僕には「不安定」というより、「次に何が起こるか分からない」という強烈な緊張感になっていました。
あらすじ自体は「大統領が暗殺される」という結末が分かっているのに、このトーンの違いが「どうなるんだ?」というドキドキ感を最後まで持続させてくれたんだと思います。

たしかに「詰め込みすぎ」で「展開が早い」という批判もその通りで、ギトーが暗殺者に変貌する動機描写が「ちょっと急すぎない?」と感じる部分はありました。
でも、それを上回る勢いが本作にはあったと思います。

観終わった後の「余韻」がヤバい

じゃあ、ダメだったのか?と言うと、全く逆なんです。
僕が本作に高得点をつけたい理由は、この「余韻」にあります。

このドラマ、1880年代の歴史ドラマのフリをしていますが、その中身は「現代の寓話」でした。
「腐敗した政治」「権力者への一方的で歪んだ崇拝」…これって、全部「今」の僕たちの世界の話ですよね。

キャストも語っていましたが、撮影中にトランプ前大統領の暗殺未遂事件が“現実”に起こったことで、この物語は「シュール」なほどの「時宜性」を持ってしまいました。
観終わった後、「人間の行動って、150年経っても何も変わらないな…」という、重くて不気味な余韻が残り続けます。
この「現代を映す鏡」としての鋭さこそが、本作の最大の魅力だと僕は感じました。

キャストは…文句なしの「神」

このアンバランスな物語を傑作に押し上げているのは、間違いなくキャストの力です。

特に、暗殺者ギトーを演じたマシュー・マクファディン
彼がすべてです。
彼が大人気ドラマ『メディア王』で見せた、「権力者に媚びへつらう、哀れでどこか憎めない男」の演技が、本作で「次のレベル」に達していました。
「マシュー・マクファディンほど負け犬をうまく演じられる者はいない」という批評家の賛辞に、僕は100回うなずきました(笑)。
彼が画面にいない時、正直「早くギトーのパートに戻ってくれ」と思ってしまうほど、彼のパートが強烈すぎて…
それくらい彼の演技は圧巻でした。

もちろん、シリアスな大統領を演じたマイケル・シャノンの「静かなヒューマニズム」も、そして「完璧な配役」と絶賛されたニック・オファーマン(副大統領役)も素晴らしかった!
この演技合戦を観るだけでも価値があります。

【ネタバレなし感想】まとめ

『デス・バイ・ライトニング』は、「雰囲気」と「構成」はかなり挑戦的ですが、「キャストの神がかった演技」「現代社会を撃ち抜くテーマ性」という、二つの巨大な長所がすべてを凌駕する、強烈な問題作でした。

『ゲーム・オブ・スローンズ』のような完璧な構成を期待すると裏切られます。
これは、マシュー・マクファディンの「最高の演技」を浴びるためのドラマです!

🔵『デス・バイ・ライトニング』各項目別10点満点評価とレビュー

評価項目点数YOSHIKIのひとことレビュー
ストーリー8/10トーンは不安定だが、二つの物語が交錯する構成は見事。特にギトーのパートは強烈で目が離せない。
映像(世界観)7/10GoTチーム製作だけあり19世紀の再現度は見事。ただ、トーンの不安定さが映像の統一感を少し欠いていたかも。
余韻9/10重い。「時宜を得すぎている」というキャストの言葉通り、現代社会への寓話として深く突き刺さる。
リピート率8/10物語の結末を知った上で、マシュー・マクファディンとニック・オファーマンの神演技を何度でも浴びたくなる。
キャスト演技10/10文句なしの満点。マシュー・マクファディンが全てを食い尽くす。彼とニック・オファーマンはエミー賞確実。
総合評価8.4/10挑戦的なトーンだが、演技とテーマ性がすべてを凌駕する。マシュー・マクファディンを見るためだけに価値がある傑作。

🔴『デス・バイ・ライトニング』【ネタバレあらすじ結末解説】

【⚠️警告:この先は100%ネタバレです!】
ここからは、本作の衝撃的すぎる結末まで、物語の全貌を解説します。
この物語は、暗殺の「犯人」が誰か、ではなく、大統領が「なぜ死んだのか」が核心でした。
 

大統領の誕生と、崇拝者の狂気

物語は、二人の男の視点で進みます。
一人は、共和党全国大会で候補者推薦の応援演説をしただけなのに、その感動的なスピーチで逆に自分が大統領候補に指名されてしまうジェームズ・ガーフィールド(マイケル・シャノン)
もう一人は、その集会でガーフィールドに魅了され、「自分が彼を大統領にするんだ」という妄想に取り憑かれたチャールズ・ギトー(マシュー・マクファディン)です。

ガーフィールドが第20代大統領に当選すると、ギトーは「自分の功績だ」と思い込み、ホワイトハウスや国務省に押しかけ、「フランス領事の地位」をよこせと執拗に要求します。
当然、ブレイン国務長官らに「君の居場所はない」と突き放されたギトーの歪んだ崇拝は、「殺意」へと変わっていきます。

凶弾と、“本当の死因”

1881年7月2日、ガーフィールド大統領は駅でギトーに背後から撃たれます。
しかし、ガーフィールドは即死しません。
ここからが、このドラマの「本当の悲劇」の始まりです。
銃創そのものよりも、彼を治療しようとした医師の「医療過誤」が、彼を死に追いやります。

当時の医学界は「消毒」の概念に乏しく、医師たちは滅菌していない手や器具で、体内の弾丸を探そうと傷口を何度も、深く探り回しました。
この行為が、ガーフィールドの体内で深刻な感染症(敗血症)を引き起こします。

途中、発明家のアレクサンダー・グラハム・ベルが、新開発の「金属探知機」で弾丸の位置を探そうとしますが、これも失敗。
主治医が「弾丸はここにあるはずだ」と誤った場所しかスキャンさせなかった上、大統領が寝ていたベッドの金属スプリングが装置に干渉したためでした。

ギトーの処刑と「レガシー」の行方

1881年9月19日、度重なる不衛生な処置の結果、ガーフィールドは感染症により死亡します。

チャールズ・ギトーは裁判で有罪となり、1882年6月30日に絞首刑に処されます。
彼は最後まで、自作の詩を朗読するなど奇行を続けました。

最終話では、史実にはない「架空のシーン」が描かれます。
ガーフィールド未亡人ルクレティア(ベティ・ギルピン)が獄中のギトーと面会し、彼が歴史に名を残すために執筆していた本『Truth』が出版されることはなく、「あなたは歴史から忘れ去られる」と、彼の“存在意義”そのものを否定し尽くします。

そして、最も皮肉な結末。大統領に就任した政敵チェスター・A・アーサー(ニック・オファーマン)は、ガーフィールドが死に至るまで見せた高潔さに心を動かされます。
彼は自らの政治信条を曲げ、ガーフィールドが命をかけて成し遂げようとした「公務員制度改革(猟官制の撲滅)」を、政敵であるアーサー自身の手で実現させるのです。
ガーフィールドの「遺産」は、最大の政敵によって継承されるという形で、物語は幕を閉じます。

🔴『デス・バイ・ライトニング』【ネタバレあり考察】

いや…、あの結末、ヤバすぎませんか!?
「弾丸」ではなく「医療ミス」で亡くなったという事実も衝撃的ですが、それ以上に「政敵が遺産を継ぐ」という皮肉と、「ギトーのレガシーの完全否定」というドラマの演出に鳥肌が立ちました。

ここからは、この物語の核心について、僕なりに考察を深掘りしていこうと思います。

🔵深掘り考察①:ガーフィールドの「本当の死因」が示すもの

僕が思うに、このドラマの真のテーマは「ギトーの狂気」と同じくらい、「ブリス医師に象徴される“権威の無知”」だったのではないでしょうか。

ガーフィールドは、暗殺者の凶弾そのものではなく、彼を救おうとした当時の「最高医療」によって殺されました。
特に、アレクサンダー・グラハム・ベルが持ち込んだ「金属探知機」という“新しい科学”を、主治医ブリスが「私の経験では弾丸はここにある」という“古い権威”で妨害し、挙句の果てに「金属マットレス」という初歩的なミスで失敗させるシーン。

あれは、この物語全体の縮図だと僕は感じました。
ガーフィールドという「新しい改革派」が、ギトーという「古い猟官制の亡霊」に撃たれ、最後はブリス医師という「古い権威の象徴」によって命を奪われる…。
「悪意」と同じくらい、「無知な善意」は人を殺すという、強烈な皮肉を突きつけられた気がします。

 

🔵深掘り考察②:最大の皮肉。政敵アーサーこそが「真の後継者」

本作で僕が一番震えたのが、ニック・オファーマン演じるチェスター・A・アーサーの「心の変化」です。

彼は物語中、ずっとガーフィールドの改革に反対する「猟官制のボス」であり、政治的な「悪役」でした。
ギトーでさえ、「アーサーを大統領にするためにやった」と信じていたほどです。
国民も「最悪の災難だ」と彼の大統領就任を恐れていた。

しかし、ガーフィールドが79日間見せ続けた「高潔さ」と「優雅さ」に触発され、彼は大統領就任後、自らの政治信条を180度ひっくり返し、ガーフィールドの遺産(公務員制度改革)を完成させます

これって、とんでもないカタルシスじゃないですか?
ガーフィールドは、生前には成し遂げられなかったかもしれない改革を、「死」をもって最大の政敵に実行させた。
彼の「死」こそが、彼の最大の「仕事」だった…。
この「最もあり得ない男が遺産を継ぐ」という皮肉こそ、歴史の面白さであり、本作の最高のクライマックスだったと僕は思います。

🔵深掘り考察③:ギトーの「裁判」を省略し、「面会」を創作した理由

このドラマ、実は史実と大きく違う点が2つあります。

●ギトーの「裁判」がほぼ省略されていること。
●ルクレティア未亡人がギトーと「面会」する(架空の)シーンがあること。

史実のギトーの裁判は、彼が歌い踊り、検察を罵倒する、彼にとっての「人生最大のスペクタクル」だったそうです。
なぜドラマは、この「見せ場」をあえて省略したのでしょうか?

それは、ギトーの最大の動機が「金」でも「思想」でもなく、「歴史に名を残すこと」「注目を浴びること」だったからだと僕は思います。
もしドラマが、マシュー・マクファディンの神がかった演技で、あの狂乱の裁判を克明に描いてしまったら…
皮肉にも、僕たち視聴者はギトーに魅了され、彼に「勝利(=注目)」を与えてしまいます。

だから制作陣は、彼の「公的な勝利の舞台(裁判)」をあえてカットし、代わりに彼が完膚なきまでに敗北する「私的な敗北の舞台」を創作したのではないでしょうか。
あの面会で、ルクレティアはギトーに「あなたは忘れられる」と、彼の存在意義そのものを死刑宣告します。
史実(裁判)よりも、ドラマのテーマを優先した、見事な脚色だと僕は感じました。

 

🔵深掘り考察④:ギトーの「脳」と「銃」— 狂気の在り処

ドラマは、ギトーの「脳」が摘出され、博物館に保管されているという不気味な事実から始まります。
人々は、彼の「狂気」の源泉を、脳みその中に探そうとしました。
でも、結局「異常なし」だった。

一方、ギトー本人が「博物館品質だ」と誇っていた「銃」は、スミソニアン博物館にあったものの、その後「紛失」してしまったそうです。

この対比、すごくないですか?

●彼が残したかった「モノ(銃)」= 消えた
●彼がどうでもよかった「自分自身(脳)」= 残った

結局、彼の「狂気」は脳のシワや傷にあったのではなく、「認められたい」という空っぽの自己愛、つまり彼の「心」そのものにあった。
でも、「心」は標本にできない。
だから、人々は「脳」という“モノ”にすがるしかなかった…。
あの冒頭の脳のシーンは、そんな「狂気の在り処」をめぐる、この物語全体のテーマを象徴していたんだと、僕は思いました。

🔴『デス・バイ・ライトニング』【完全版】まとめ!

YOSHIKI
YOSHIKI

最後に、この記事で追ってきたポイントを【完全版】としてまとめますね。

【配信前の期待】
『GoT』製作陣と『メディア王』のマシュー・マクファディンがタッグ。
「崇拝者による大統領暗殺」という衝撃の実話に期待が集まっていた。
【ネタバレなし感想】
観てみたら、トーンは不安定だが、演技とテーマ性が神!
特にマシュー・マクファディンの「負け犬」演技が圧巻の、重い余韻を残す傑作だった。
【結末(ネタバレ)】
ガーフィールドは銃撃ではなく、79日間にわたる医師団の「医療過誤(感染症)」で死亡。
暗殺者ギトーは絞首刑になる。
【ラスト(ネタバレ)】
最大の皮肉。
ガーフィールドの死に触発された政敵チェスター・A・アーサーが、彼の遺産(公務員制度改革)を継承し、実現させる。
【考察(ネタバレ)】
ギトーの「裁判」を省略し、未亡人との「架空の面会」を描いたのは、彼の動機(名声欲)をテーマ的に完全否定するためだったと僕は結論づけます。

いやー、これは「面白かった!」と手放しで言えるドラマではありませんでした。
でも、間違いなく「観るべき」傑作です。

「悪意」だけでなく、「無知な善意」も人を殺すこと。
そして、人間の「遺産」とは、いかに皮肉な形で継承されていくか…。
深く考えさせられました。

YOSHIKI
YOSHIKI

あなたは、アーサー大統領の「心の変化」を、どう受け止めましたか?
ぜひ、コメントであなたの考察を聞かせてください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

コメント

タイトルとURLをコピーしました