韓国映画『今夜、世界からこの恋が消えても』ネタバレ考察と感想!結末の評価は?Netflix映画のラストまで解説!
こんにちは!YOSHIKIです!
みなさん、ハンカチ…いや、バスタオルの準備はできていますか?
2022年、日本中を涙で包み込み、道枝駿佑さんと福本莉子さんの演技が話題となったあの名作『セカコイ』が、国境を超えて帰ってきます!
2026年2月3日(火)、Netflixにて世界独占配信スタート!
(※地域により4日の場合あり)
その名は、韓国版『今夜、世界からこの恋が消えても』
(原題:오늘 밤, 세계에서 이 사랑이 사라진다 해도)。
韓国では原作小説が異例のロングセラーとなり、この映画も2025年末の公開時に『アバター』などの大作に次ぐヒットを記録しました。
「ラブストーリーの聖地」韓国が、日本の感動作をどうリメイクしたのか?
「日本版より泣けるって本当?」
「設定が変わってるらしいけど…?」
そんな気になるポイントを、YOSHIKIが徹底予習!
K-POPアイドルが参加した豪華OSTや、次世代スターキャストの情報も含めて、配信前にチェックしておきましょう!
【このブログの楽しみ方について】
🟡韓国版『今夜、世界からこの恋が消えても』基本情報!

劇場公開された韓国では、公開からわずか3週間で80万人を動員!
「クリスマスの贈り物のような映画」と絶賛された本作が、早くもNetflixで見られるなんて贅沢すぎますね。
| 項目 | 詳細 |
| タイトル | 『今夜、世界からこの恋が消えても』 (韓国原題:오늘 밤, 세계에서 이 사랑이 사라진다 해도) |
| 原作 | 一条岬『今夜、世界からこの恋が消えても』 (メディアワークス文庫) |
| 監督 | キム・ヘヨン (『二十歳』『エクストリーム・ジョブ』助監督) |
| キャスト | チュ・ヨンウ(キム・ジェウォン役) シン・シア(ハン・ソユン役) チョ・ハンチョル 他 |
| 上映時間 | 106分 |
| 配信開始日 | 2026年2月3日(火) Netflix独占配信! ※地域により4日開始の場合あり |
🔵公式予告編
🟡【公開前】ここがヤバい!韓国版を観るべき3つの理由!
①「記憶より感覚」?日本版よりも明るく切ない演出
今回のリメイクを担当したのは、大ヒットコメディ『エクストリーム・ジョブ』などで助監督を務めたキム・ヘヨン監督。
彼女が目指したのは、日本版の「静謐で儚いトーン」とは少し違う、「明るいトーン」です。
え、悲しい話なのに明るいの?と思いますよね。
監督は「たとえ脳の記憶が消えても、体が覚えている感覚は消えない」というテーマを重視。
湿っぽくなりすぎず、青春の輝きや、日常のユーモラスなやり取りを丁寧に描くことで、逆に「やがて来る別れ」の切なさを際立たせているんです。
色彩豊かな韓国の風景や、自然光を活かした映像美は必見です!
②K-POPファン歓喜!超豪華すぎるOST(劇中歌)
韓国ドラマや映画といえば、感情を揺さぶるOST(オリジナル・サウンドトラック)が欠かせません。
今作も、音楽が「もう一つの主役」と言えるほど豪華なんです!
人気ガールズグループRed VelvetのJoy、バーチャルアイドルのPLAVE、そして伝説のカップル(?)Ga-in & Jo Kwonなど、K-POP界のスターたちが集結。
映画を見終わった後も、これらの曲を聴くだけで涙がこみ上げてくる…そんな「音楽と映画の相乗効果」がすごいことになっています。
これは日本版にはなかった、韓国版ならではの楽しみ方ですね!
③お父さんが「小説家」から「写真家」へ!設定変更の妙
原作ファンなら気になる設定変更。
最大の違いは、主人公ジェウォンの父親の職業が、日本版の「小説家」から「写真家」に変更されている点です。
「言葉」で記録する小説家に対して、「一瞬の光景」を切り取る写真家。
これが「記憶が消えても、感覚(その瞬間の輝き)は残る」という映画のテーマと完璧にリンクしているんです!
暗室での現像シーンや、カメラを構えるジェウォンの姿など、視覚的な演出としても機能していて、「なるほど、そう来たか!」と唸らされました。
🟡注目のキャスト&登場人物!

次世代の「ロマンス職人」として期待される主演の二人。
特にヒロインのシン・シアさんは、デビュー作『THE WITCH/魔女』での超人的な演技から一転、透明感あふれる普通の女子高生を演じていて、そのギャップに驚かされます!
- キム・ジェウォン(演:チュ・ヨンウ)
無気力な日々を送っていた高校生。
クラスメイトを助けるための「嘘の告白」をきっかけにソユンと付き合うことになる。
彼女の病を知り、その日記を「楽しい思い出」で埋め尽くすために献身的な愛を注ぐ。
日本版の神谷透(道枝駿佑)にあたる役どころ。 - ハン・ソユン(演:シン・シア)
事故により、眠ると記憶がリセットされてしまう「前向性健忘」を患う女子高生。
毎朝、昨日の日記を読み返して記憶を繋ぎ止めている。
日本版の日野真織(福本莉子)にあたる役どころ。 - キム・サンヒョン(演:チョ・ハンチョル)
ジェウォンの父であり、写真家。
原作の「小説家」から職業が変更されたキャラクター。
ジェウォンとの関係性は原作よりも温かく再構築されており、写真を通して息子の成長を見守る。
🟡韓国版『今夜、世界からこの恋が消えても』あらすじ解説!
【あらすじ】
男子高校生のキム・ジェウォン(チュ・ヨンウ)は、これといった目標もなく、無気力な日々を過ごしていました。
ある日、彼はクラスメイトをいじめから救うため、いじめっ子の理不尽な命令に従い、学校の人気者であるハン・ソユン(シン・シア)に嘘の告白をします。断られることを前提とした告白でしたが、ソユンの返事は意外にも「OK」。
ただし、彼女は付き合うにあたって3つの条件を提示します。
「放課後まで話しかけないこと」「連絡は簡潔にすること」
そして、「本気で好きにならないこと」。こうして始まった偽りの恋人関係。
しかし、ジェウォンはソユンと過ごすうちに彼女の明るさや優しさに惹かれ、いつしか「本気で好きにならない」という条件を守れなくなっていきます。そんな中、ソユンはジェウォンに衝撃的な秘密を打ち明けます。
「私は病気なんだ。前向性健忘。眠ると、その日の記憶がすべて消えてしまうの」
彼女は毎朝、昨日の自分が書いた日記を読み返すことで、かろうじて「自分」を保っていたのです。真実を知ったジェウォンは決意します。
「昨日のことなんて忘れさせてやる。明日の君が忘れてもいいくらい、本当に楽しい一日を作ってあげる」
彼女の日記を、悲しい記録ではなく、幸せな記憶で埋め尽くすために。
二人の、期限付きの、けれど永遠のような恋が始まります。
🔴映画『今日、世界からこの恋が消えても』(韓国版)ネタバレなし感想
Netflixでの配信開始日、早速観ました!
結論から言います。
「日本版とは別腹!! “静”の日本版に対し、”動”の韓国版。涙腺崩壊の直球純愛映画でした!」
いやー、やっぱり韓国映画は「感情のアクセル」の踏み込み方が違いますね!
日本版(道枝駿佑×福本莉子)のあの繊細で透明な空気感も大好きでしたが、今回の韓国リメイク版は、もっとこう、「青春!!」「恋!!」「色鮮やか!!」というエネルギーが画面越しに溢れ出していました。
正直観る前は、「あの独特の空気感を再現できるの?」と不安もあったんです。
でも、再生ボタンを押して数分でそんな心配は吹き飛びました。
日本版が、登場人物の複雑な心情や葛藤を繊細なタッチで描いていたのに対し、韓国版は物語の構造をあえてシンプルかつストレートに再構築している印象。
そのおかげか、全体的にテンポが良く、尺があっという間に感じられました!
はじめから最後まで、観ている僕たちの感情を一切取りこぼすことなく、グイグイとラストまで引っ張っていく力強さは圧巻。
「ここで泣かせに来てる!」と分かっていても、抗えずに泣かされてしまう心地よさがありました(笑)。
もちろん、「韓国ドラマあるある」なツッコミどころも愛おしいポイント。
例えば、男性主人公のジェウォンくん。
設定では「心臓に重い病を抱える儚い少年」なんですが……演じるチュ・ヨンウくんのガタイが良すぎて、どう見ても健康優良児にしか見えません(笑)。
腕の筋肉ムキムキで、ヒロインを軽々お姫様抱っこしちゃう頼もしさ。
「いや、君絶対長生きするでしょ!」と心の中でツッコんでしまいましたが、その「強さ」が逆に、ヒロインを守ろうとする献身的な愛に見えてくるから不思議です。
日本版が「記憶と喪失」を描いた文学的な作品だとしたら、韓国版は「今この瞬間の輝き」を焼き付けるエモーショナルな青春映画。
ハンカチ…いや、バスタオルを用意して、今すぐマイリストに追加してください!
🔵『今日、世界からこの恋が消えても』各項目別10点満点評価とレビュー
| ストーリー 8/10 | 感情の取りこぼしゼロ! 日本版のような複雑な心理描写よりも、ストレートな展開を重視した構成。その分、物語の流れがスムーズで尺が短く感じられ、最初から最後まで感情移入が途切れません。「記憶喪失」モノの王道を、圧倒的な熱量で描き切っています。 |
|---|---|
| 映像・演出 9/10 | 色彩の暴力(褒め言葉)。 水族館の青、遊園地の光、夕暮れの海。すべてのシーンが「インスタ映え」する美しさ。日本版の「余白の美」とは対照的な「彩度の高い美」ですが、これが”消えてしまう記憶”の儚さを逆に強調していて素晴らしい。 |
| 音楽(OST) 10/10 | 文句なしの満点! さすがOST大国・韓国。Joy(Red Velvet)やPLAVEなど、豪華アーティストの楽曲が「ここで泣け!」というタイミングで完璧に流れます。歌詞がまた泣かせるので、字幕もしっかり追ってください。 |
| キャスト 9/10 | “ア・チュ・カップル”最高! ヒロインのシン・シアちゃん、透明感が凄すぎて「女神降臨」してました。チュ・ヨンウくんは前述の通り体が良すぎますが(笑)、その分、包容力と「目」の演技が抜群。二人のケミ(相性)はずっと見ていたくなります。 |
| デート推奨度 10/10 | お家デートで観るならこれ一択! クリスマスやバレンタインシーズンに配信されたのも納得。観終わった後、隣にいる大切な人の手を握りたくなること間違いなし。もちろん、一人でどっぷり泣くのもアリです! |
| 総合 8.8/10 | 日本版へのリスペクトを感じつつ、韓国エンタメの「強み」をフル投入した良質なリメイク。「ベタ」を恐れずに描き切った直球の純愛映画として、多くの人の心に残る一本になるでしょう。 |
🔴映画『今日、世界からこの恋が消えても』(韓国版)ネタバレあらすじ結末解説
涙なしでは語れない結末、ジェウォンが隠していた悲しい秘密、そしてソユンの「その後」まで全て書き記しています。
この映画は「真実を知らずに観て、最後に号泣する」ことが最大の楽しみですので、未見の方は絶対にスクロールしないでください。
バスタオルの準備ができた方だけ、真実の愛の世界へお進みください!
①起:偽りの告白と、消えゆく「今日」
物語は、男子高校生キム・ジェウォン(チュ・ヨンウ)の「嘘」から始まります。
クラスメイトがいじめられているのを見かねた彼は、いじめのターゲットを逸らすため、全く接点のない女子生徒ハン・ソユン(シン・シア)に嘘の告白をしてしまいます。
当然断られると思いきや、ソユンはOKを出しますが、奇妙な「3つの条件」を提示しました。
1. 学校では話しかけないこと。
2. 連絡は簡潔にすること。
3. 本気で好きにならないこと。
戸惑いながらも「偽の恋人関係」をスタートさせた二人。
しかし、ジェウォンはすぐに、彼女があの条件を出した本当の切実な理由を知ることになります。
②承:バスでのパニックと、優しい「隠蔽」
衝撃的な真実の発覚は、初デートの帰りのバスの中で起こりました。
ジェウォンの肩にもたれかかり、うっかり眠ってしまったソユン。しかし、目を覚ました彼女の目に映ったのは「知らない男」でした。
「誰…?」
眠ったことで記憶がリセットされ、ジェウォンの存在を忘れてしまった彼女はパニックに陥り、バスから逃げるように降車。追いかけるジェウォンを振り切り、別のバスに飛び乗ります。
そこで泣きながら親友のジミンに電話をかけ、ようやく自分が「前向性健忘」であることを再認識するのです。
その後、ジェウォンと再会し、つたない言葉で自分の病状を説明するソユン。
ここでジェウォンが見せた対応が、この映画の「愛」を決定づけました。
彼は、彼女が「彼氏を忘れて取り乱したこと」に罪悪感を抱かないよう、そして二人の関係が気まずくならないよう、こう頼んだのです。
「今日の日記には、このことは書かないで」
彼は真実を知った上で、彼女の負担を取り除くために「あえて記録に残さない」という選択をしました。
ここから、「明日の君も、僕が楽しませてあげる」という、彼の献身的な愛の日々が始まります。
水族館、遊園地、夕暮れの海。
韓国映画らしい色彩豊かなロケーションで描かれる二人の日々は、まさに青春そのもの。
そして夏休み。二人の関係は「条件付きの恋」を超え、かけがえのない「真実の愛」へと変わります。
花火の下でのキスシーンは、彼女が「記憶(ロジック)」ではなく「心(ハート)」で彼を求めた、決定的な瞬間でした。
③転:絶望の喪失と、残酷な救済
しかし、幸せの絶頂は長くは続きませんでした。
花火大会の直後、ジェウォンは持病の心臓病が悪化し、急死してしまいます。
何も知らないソユンは翌日、いつものように校門で彼を待ち続けていました。
しかし、届いたのは最悪の訃報でした。
恋人の死を知り、その場で泣き崩れ、絶望に暮れるソユン。
その姿を見ていたのが、親友のジミンでした。
ジミンは思い出します。生前のジェウォンから託された、あまりにも悲しい願いを。
「もし僕が死んだら、ソユンの日記から僕のことを消してほしい」
「彼女に毎日、僕の死という絶望を味わわせたくないんだ」
もし日記に彼が残っていたら、ソユンは毎朝目覚めるたびに、「最愛の人が死んだ」という事実を初めて知り、この日のように校門で泣き崩れる地獄を繰り返すことになる。
親友が壊れていくのを見ていられなかったジミンは、泣きながらジェウォンとの約束を実行します。
ソユンの日記とスマホから「キム・ジェウォン」の痕跡をすべて消去したのです。
④結末:空白の日常と、再生する愛
日記からジェウォンが消えたことで、ソユンは彼をきれいに忘れ、穏やかな日常を取り戻しました。
時が流れ、彼女の病状にも変化が訪れます。
ある朝、両親が「最近眠れていないんじゃないか?」と心配すると、ソユンは「昨日はすぐに眠れたよ」と返答。本来なら忘れているはずの昨日のことを覚えていたのです。
病院での検査の結果、主治医から「徐々に記憶が回復している」と告げられます。
記憶が戻りつつある奇跡。
しかし、ソユンの心には埋まらない空白がありました。
大切な何かが欠けている気がする。
その違和感の正体は、彼女の部屋にありました。
ジミンが部屋を訪れると、そこはある一人の少年の絵で埋め尽くされていたのです。
無意識のうちに、何度も何度も描かれた少年の顔。
「誰かは知らないけど、気づくと描いてしまうの」
そう言うソユンを見て、ジミンはついに隠していた真実を打ち明けます。
「ごめんね……私が、あなたの日記から彼のことを全部消したの」
ジミンから渡された本当のデータにより、ソユンの脳内に「キム・ジェウォン」との記憶が一気に流れ込みます。
彼を愛していたこと、そして彼がもういないこと。
全てを思い出したソユンは、その後、ジェウォンの父が営む店を訪れます。
父から、かつて自分がジェウォンに贈ったプレゼントを受け取り、彼の深い愛を知るソユン。
「私は彼のことを覚えていないのに……涙が出るの」
泣きじゃくる彼女に、父はこう告げました。
「誰でも記憶は薄れていくものだよ。それでも、心に残るものはいつまでも変わらない」
ラストシーン。
ソユンは悲しみを乗り越え、彼を描いた絵を見つめて前を向きます。
頭(データ)で完璧に覚えていなくても、心(感覚)が彼を愛している。
父の言葉通り、心に残った愛は永遠に消えないことを胸に、彼女は新しい明日へと歩き出します。
🔴ネタバレあり考察:なぜ彼は「自分」を消したのか?

特にジミンが「私が消したの」と告白するシーン。あれは単なる罪の告白ではなく、ソユンを救うための「愛の共犯」だったのではないかと思うんです。
ここからは、映画を観終わった皆さんと一緒に、この物語が描こうとした「愛の正体」について、深掘り考察していきます!
🔵考察①:残酷すぎる「日記の改竄」…ジミンの背負った十字架と「地獄のループ」
この物語の影の主役は、間違いなく親友のジミンです。
ジェウォンは「ソユンのために」と頼みましたが、実際に手を下すジミンの苦しみは計り知れません。
では、もしジミンが日記を消さなかったらどうなっていたでしょうか?
想像してみてください。
ソユンは毎朝目覚め、日記を読み、「最愛の恋人が死んだ」という事実を“初めて”知ります。
新鮮な絶望に襲われ、泣き叫び、一日中悲しみに暮れる。
そして夜眠り、記憶がリセットされ、また翌朝「初めて」絶望する……。
そう、日記を消さなければ、ソユンは「無限に繰り返される地獄の絶望ループ」に落ちてしまっていた可能性があるのです。
ジミンはその地獄から親友を救うために、あえて「二人の愛の証を消す」という汚れ役を引き受けたのではないでしょうか。
ソユンがジェウォンを忘れて「穏やかな日常」を取り戻し、記憶回復の兆しまで見えた時、ジミンは「これで良かったんだ。私が罪を被れば、彼女は幸せなんだ」と自分に言い聞かせ、傷ついていたのかもしれません。
しかし、部屋を埋め尽くす絵を見た時、彼女は悟ったのだと思います。
「頭で忘れさせても、心までは消せないんだ」と。
真実を告げることは、ソユンを再び悲しませることでもありますが、同時にソユンの心に開いた「埋まらない穴」を埋める唯一の救いでもあったはずです。
彼女の勇気ある行動と、親友を想う深い愛に、僕は心から拍手を送りたいです。
🔵考察②:ジェウォン父の言葉が示す「記憶」vs「記録」の真理
ジェウォンのお父さんのセリフは、この映画のテーマそのものであり、涙腺崩壊の決定打でした。
「前向性健忘」という特殊な設定の話ですが、実はこれ、私たち全員に当てはまる普遍的な真理ではないでしょうか?
僕たちは、大切な人のことでも、時間と共に少しずつ忘れていきます。
声のトーン、体温、匂い、日常の些細な会話……それらは「記録(データ)」のように永遠には残りません。
ソユンの日記(スマホ)は、デジタルの正確な「記録」でした。
だからこそ、消去ボタン一つで消えてしまった。
しかし、お父さんが言った「心に残るもの」とは、データ化できない「クオリア(感覚的な質感)」のことだった気がします。
「愛された安心感」「隣にいた時の温かさ」「名前を呼ぶ時の愛おしさ」。
これらは脳の海馬ではなく、魂や身体に刻まれるものだから、病気でも、時間の経過でも、誰かの手によっても消すことはできないのだと。
ジェウォンが守りたかったのは、日記という「文字情報」ではなく、ソユンの心に残り続けるこの「温かい光」だったのかもしれません。
「覚えていなくても、愛している」。
この矛盾した感情こそが、人間が持つ最も尊い能力なのだと、教えられた気がしました。
🔵考察③:「過去がない少女」と「未来がない少年」が選んだ“今日”という永遠
この映画のカップリングの構図、よく考えるとあまりにも残酷で、そして美しいんです。
ソユンは、記憶が蓄積されないため「過去(積み重ね)」を持てません。
ジェウォンは、心臓病により余命幾ばくもないため「未来(明日)」を持てません。
「過去を持てない少女」と「未来を持てない少年」。
普通の恋人たちが当たり前に語り合う「あの時楽しかったね(過去)」も、「今度あそこ行こうね(未来)」も、二人には許されていないのです。
だからこそ、二人は唯一共有できる「今日」という瞬間に、命のすべてを注ぎ込んだのではないでしょうか。
劇中のデートシーンが、どれもこれも眩しいくらいにキラキラしていて、楽しそうであればあるほど、観ている僕たちは涙が止まらなくなります。
それは、彼らにとっての「デート」が、単なる遊びではなく、「生きた証を刻むための儀式」だったからかもしれません。
「明日またね」が約束できない二人だからこそ、一分一秒を永遠のように噛み締めていた。
あの「瞬間」の輝きは、何十年続く平凡な日常よりも、遥かに密度が濃く、尊いものだったのだと思うと、もう涙が止まりません。
🔵考察④:「好きにならないで」…あの3つの条件に隠された“本当の優しさ”
物語の冒頭、ソユンがジェウォンに出した「本気で好きにならないこと」という条件。
最初は「自分が傷つきたくないから(忘れるのが怖いから)」だと思っていました。
でも、結末を知ってから見返すと、全く違う意味を持って迫ってきます。
あれは、「残される相手(ジェウォン)を傷つけたくないから」だったのではないかと、僕は感じました。
「私はどうせあなたを忘れてしまう。私の記憶は毎日リセットされる。そんな私を本気で愛してしまったら、あなたは毎日『忘れられる』という傷を負うことになる。だから、私を愛さないで」。
そんな、彼女なりの精一杯の防衛本能であり、優しさだったように思えてなりません。
そしてジェウォンもまた、バスでのパニックの際に「日記には書かないで」と言いました。
これもまた、「彼女を傷つけたくない」という優しさです。
「あなたを愛しているから、あなたを遠ざける(記録に残さない)」。
お互いがお互いを守ろうとしてついた「優しい嘘」の数々。
その嘘が最終的に、理屈を超えた「本能の愛」によって突破されていくカタルシス。
この脚本、本当に見事としか言いようがありません。
🔵考察⑤:ラストシーンの救いと、残された親友の物語(続編『涙』への期待!)
映画はソユンが記憶(感覚)を取り戻し、前を向くところで幕を閉じました。
日本版のような静かな余韻も素敵でしたが、韓国版はより「感情の爆発」があり、ソユンが能動的に「忘却」に抗おうとする姿に、強い生命力を感じました。
しかし! これで終わりにしていいのでしょうか!?
一人だけ、まだ救われていない人物がいるように思うのです。
そう、親友のジミンです。
彼女は、大好きな親友に嘘をつき続け、もしかしたら密かに想いを寄せていたかもしれないジェウォンを、自分の手で世界から消すという「大役」を背負わされました。
彼女の視点から見たこの物語は、どれほど切なく、苦しいものだったでしょう。
実は原作小説には『今夜、世界からこの涙が消えても』という、まさに彼女(原作では綿矢泉)を主人公にしたスピンオフ続編が存在します。
「覚えている人」だからこそ背負ってしまった孤独と、彼女自身の淡い恋の行方。
今回の韓国版が大ヒットしたことで、もしかしたらこの「裏側の物語」も映像化されるのでは…? と個人的に猛烈に期待しています。
Netflixさん、BY4Mさん、どうかジミンが幸せになる物語も作ってください! 僕たちは待っています!(笑)
🔴【完全版】まとめ!

最後に、この切なすぎる愛の物語の結末を整理しておきましょう。
| キャラクター | 結末・その後 |
| ハン・ソユン (ヒロイン) | 【生存・記憶の再生】 病状は回復傾向にあるが、大切なジェウォンの記憶だけが欠落していた。部屋を埋め尽くす絵とジミンの告白により真実を知り、父との対話を経て「心」で彼を記憶し続ける道を選ぶ。 |
| キム・ジェウォン (主人公) | 【病死】 持病の心臓病が悪化し急死。ソユンを守るため、自分の存在を彼女の日記から消すよう親友ジミンに遺言を残す。記録からは消えたが、ソユンの描く絵と心の中で永遠に生き続ける。 |
| ジミン (親友) | 【真実の守り人】 ジェウォンに頼まれ、親友のために日記を改竄。しかし、無意識に彼を描き続けるソユンを見て真実を告げる決断をする。二人の愛を繋ぎ止めた真の功労者。続編での救済が待たれる。 |

日本版とはまた違う、韓国版ならではの「熱量」と「色彩」で描かれた『オセイサ』。
皆さんはラストシーン、どう感じましたか?
「記録」よりも強い「記憶」の力を信じたくなる、そんな素敵な映画でしたね。
ぜひコメント欄で、皆さんの感想や「ここで泣いた!」ポイントを教えてください!
それでは、また次の記事でお会いしましょう!



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