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『ハーラン・コーベン/ラザルス』結末の真相を徹底考察!父の罪と「三本脚のテーブル」の意味をネタバレ解説【あらすじ・賛否両論レビュー】

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『ハーラン・コーベン/ラザルス』結末まで徹底考察!父の死と「三本脚のテーブル」の真相【ネタバレありレビュー】

2025年秋、Prime Videoが放つ新たなオリジナルシリーズ『ハーラン・コーベン/ラザルス』。
ミステリー小説の巨匠ハーラン・コーベンが、Netflixでの大成功を経て、次なる舞台に選んだのがPrime Videoです。

「またハーラン・コーベンの新作か」と思ったあなた、少し待ってください。
本作は、これまでの彼の映像作品とは一線を画す、よりダークで、より深く、そして超常的な恐怖に満ちた意欲作となっています。

YOSHIKI
YOSHIKI

こんにちは!YOSHIKIです。
今回はこの注目の新作の魅力を、【ネタバレなし】【ネタバレあり】に分けて、徹底的に語り尽くします!
ネタバレありは🔴マークが目印になっているので分かりやすいですよ!
この記事を読めば、『ハーラン・コーベン/ラザルス』を120%楽しむための準備は万端ですよ。

【このブログの楽しみ方について】
いつも『YOSHIKIのMOVIE SELECTION’S』を読んでくれて、本当にありがとうございます!
このブログでは、読者の皆さんと「作品を待つワクワク感」から「観終わった後の語り合いたい気持ち」までを共有するため、【随時更新】というオリジナルの記事スタイルを採っています。
これは、僕が考え抜いた、みんなと最高の映画体験をするための形です。
ぜひ、この場所で、一緒に物語を深めていきましょう!
  1. 🟡Prime Videoドラマ『ハーラン・コーベン/ラザルス』基本情報!
  2. 🟡【ネタバレなし】視聴前に知っておきたい!本作がヤバい3つの理由!
    1. ①これはあなたの知る「ハーラン・コーベン」ではない—ブランドの進化と深化
    2. ②豪華英国キャストが織りなす、心霊現象と家族の悲劇
    3. ③25年前の殺人事件と現在の死—二つの時間が交差する謎
  3. 🟡Prime Videoドラマ『ハーラン・コーベン/ラザルス』キャストとあらすじ!
  4. 🟡Prime Videoドラマ『ハーラン・コーベン/ラザルス』ネタバレなし感想!
    1. 🔵『ハーラン・コーベン/ラザルス』各項目別10点満点評価とレビュー
  5. 🔴Prime Videoドラマ『ハーラン・コーベン/ラザルス』衝撃のあらすじ結末解説!
  6. 🔴Prime Videoドラマ『ハーラン・コーベン/ラザルス』ネタバレあり深掘り考察!
    1. 🔵深掘り考察①:「父は息子になる」— 繰り返される暴力の螺旋と“三本脚のテーブル”が象徴するもの
    2. 🔵深掘り考察②:科学と超自然の境界線 — なぜ本作は「幽霊」という曖昧な装置を必要としたのか?
    3. 🔵深掘り考察③:「崩壊」の演技が物語を救った — サム・クラフリンという最大の功労者
    4. 🔵深掘り考察④:ハーラン・コーベンの野心 — Netflixからの脱却と“コーベン・ブランド”の危険な再発明
  7. 🔴『ハーラン・コーベン/ラザルス』続編の可能性は?
  8. 🔴Prime Videoドラマ『ハーラン・コーベン/ラザルス』まとめ!

🟡Prime Videoドラマ『ハーラン・コーベン/ラザルス』基本情報!

YOSHIKI
YOSHIKI

まずはサクッと基本情報から。
主演がサム・クラフリン、そして父親役にビル・ナイ…。
英国が誇る、とんでもない実力派俳優の共演です!

項目詳細
作品名『ハーラン・コーベン/ラザルス』
原題Harlan Coben’s Lazarus
配信Prime Video(独占配信)
配信日2025年10月22日(水)
話数全6話
キャストサム・クラフリン、ビル・ナイ、アレクサンドラ・ローチ
ジャンルサイコスリラー、サスペンス、ホラー、超常現象ミステリー
製作国イギリス

🟡【ネタバレなし】視聴前に知っておきたい!本作がヤバい3つの理由!

予告編あらすじ制作陣の情報から、僕が「これはヤバい!」と確信するに至った3つのポイントを紹介させてください!

①これはあなたの知る「ハーラン・コーベン」ではない—ブランドの進化と深化

Netflixで『ザ・ストレンジャー』や『偽りの銃弾』など数々のヒット作を生み出し、「ハーラン・コーベン」は一つの映像ブランドとして確立されました。
しかし、本作『ラザルス』は、そのブランドイメージを自ら打ち破るような、大きな挑戦と言える作品です。

最大の違いは、本作が小説原作ではなく、映像のために書き下ろされた完全オリジナルストーリーである点。
さらに、長年タッグを組んだNetflixからPrime Videoへとプラットフォームを移したことも、単なるビジネス上の変化以上の意味を持っています。
主演のサム・クラフリンは、本作がこれまでのコーベン作品よりも「さらに深い闇」を持ち、「ホラーの要素」が色濃いと語っています。
本作は、お馴染みの「コーベン節」を期待するファンに、良い意味での裏切りと新たな興奮を与えてくれるでしょう。

②豪華英国キャストが織りなす、心霊現象と家族の悲劇

本作の物語を牽引するのは、英国を代表する実力派俳優たちの魂の演技です。
主人公ジョエル・ラザルスを演じるのは、『ピーキー・ブラインダーズ』や『ハンガー・ゲーム』で知られるサム・クラフリン。
そして、彼の亡き父ジョナサン博士役には、名優ビル・ナイが名を連ねます。

物語の核は、科学の徒であるジョエルが、父の死をきっかけに「死者の姿が見える」という超常的な現象に見舞われる点にあります。
この設定は、一歩間違えれば荒唐無稽になりかねません。
しかし、サム・クラフリンの葛藤に満ちた繊細な演技と、ビル・ナイの存在感が、この物語を単なるホラーではなく、父と息子の関係性を巡る重厚な心理ドラマへと昇華させています。
文字通り「父の亡霊」と対峙する息子の姿は、超常現象というフィルターを通して、家族の愛と確執、そして癒やしという普遍的なテーマを深く描き出しているのです。

③25年前の殺人事件と現在の死—二つの時間が交差する謎

ハーラン・コーベン作品の真骨頂といえば、複雑に絡み合った謎が解き明かされていく構成の妙です。

『ラザルス』では、その構造がさらに洗練されています。
主人公のジョエルは、「現在の父の自殺」と「25年前に起きた妹の殺人事件」という、二つの大きな謎に同時に向き合うことになります。

この二つの事件は、単に並行して描かれるわけではありません。
ジョエルが手に入れた「死者を見る」能力が、過去と現在を繋ぐ不気味な架け橋となるのです。
なぜ父は死んだのか?
その答えは、25年前に妹を殺した犯人と繋がっているのではないか?
過去の悲劇が、亡霊となって現在に干渉してくるかのような展開は、視聴者に絶え間ない緊張感と知的好奇心を与えます。
過去の謎を解くことが現在の謎を解く鍵となり、その逆もまた然り。
この二重構造のミステリーこそが、本作最大の魅力と言えるでしょう。

🟡Prime Videoドラマ『ハーラン・コーベン/ラザルス』キャストとあらすじ!

●ジョエル・ラザルス (演:サム・クラフリン)
主人公。
有能な司法精神科医。科学的で論理的な思考の持ち主だが、父の死をきっかけに説明不能な心霊現象に苛まれ、自身の正気すら疑い始める。
●ジョナサン・ラザルス博士 (演:ビル・ナイ)
ジョエルの父。
著名な精神科医だったが、自宅で謎の自殺を遂げる。
彼の死が、全ての物語の引き金となる。
●ジェナ・ラザルス (演:アレクサンドラ・ローチ)
ジョエルの妹。
25年前に何者かによって殺害された。
彼女の死の真相は、ラザルス家に長きにわたり暗い影を落としている。

『ハーラン・コーベン/ラザルス』【ネタバレなし あらすじ】

司法精神科医として、人の心の闇に向き合ってきたジョエル・ラザルス。
しかし、彼が次に向き合うのは、自身の家族の、そして説明不能な世界の闇だった。

疎遠だった父、ジョナサン博士が自殺したとの報せを受け、実家に戻ったジョエルを待っていたのは、悲しみだけではなかった。
彼は、いるはずのない「死者の姿」を見るようになる。

父は本当に自ら命を絶ったのか?
それとも、これは25年前に起きた妹の殺人事件と繋がる、巨大な陰謀の始まりなのか?

見えるはずのないものが見え始めたジョエルの正気は、果たして保たれるのか—。
科学と超自然の狭間で揺れ動く彼の魂が、一族にかけられた呪われた謎を解き明かそうとする。

🟡Prime Videoドラマ『ハーラン・コーベン/ラザルス』ネタバレなし感想!

いやー、観ちゃいましたね!『ラザルス』全6話。
というか、あまりの展開に、ある意味「止められなくて」一気見しちゃいました。

配信前から「本作のヤバい3つの理由!」コーナー部分でも期待ありと話しましたが、視聴後の今、SNSや海外の批評サイトが、僕の予想以上にすごいことになってます。

「Rotten Tomatoes 33%!?」
「『コーベン史上最高の傑作』という絶賛」
「『悲惨』『複雑怪奇』という酷評」

まさに「賛否両論」どころか、「絶賛」か「酷評」かの真っ二つ

多くの人が「期待してたコーベン作品と違う…」って戸惑っているのが、すごく伝わってきます。
この熱狂(と混乱)の理由は、すごくシンプル。
本作が、これまでのハーラン・コーベンの「成功の方程式」を、全部捨てた「超・野心作」だからなんじゃないかな、と僕は思います。

Netflix時代の『偽りの銃弾』みたいな「地に足のついたミステリー」を期待すると、面食らうと思います。
本作は、プラットフォームをPrime Videoに移しただけでなく、原作なしのオリジナル脚本で、どっぷり「超常現象ホラー」に舵を切ったように感じました。
この「ミステリー」と「ホラー」の融合。
この大胆な挑戦こそが、評価を真っ二つに割ってる最大の理由なんだと思います。

そして、この物語の核であり、僕が最後まで画面に釘付けにされた理由。
それは間違いなく、主演サム・クラフリン(ジョエル役)の「圧巻の演技」です。
彼がいなかったら、この物語は正直、崩壊していたかもしれない。

父の死、25年前の妹の事件、そして超常現象…。
科学者としての自分と、説明不能な恐怖の間で揺れ動く主人公の「内面の混乱」を、彼は完璧に演じきっていました。

海外の批評家が「(磁力的)ものすごく人を惹きつける」と評するのも納得です。

この説得力があったからこそ、僕は「そんなムチャクチャな!」と思うような展開にも、なんとかついて行けました。
もちろん、父役のビル・ナイも、短い登場時間ながら圧倒的な存在感でしたね。

映像も、「不気味で美しい」雰囲気とスタイリッシュな映像美は、本当に一級品。
ただ、正直に言うと、物語の筋書きには「え、それでいいの!?(笑)」ってツッコミたくなる部分も、かなり多かったです。

特に「超常現象(幽霊)」のルールが曖昧で、ミステリーを解くための「安易な逃げ道」になってるっていう批判は、僕もその通りだな、と思った。
どんでん返しを優先するあまり、せっかくの名優たちが演じるキャラクターの「深み」が犠牲になってるのは、本当にもったいなかった!

でも、でもですよ。
悔しいことに、止められないんですよ(笑)
欠点だらけだと頭でわかっているのに、「恥ずかしいほどに魅力的」で、次のエピソードをクリックしちゃう。

各話の最後、あの絶妙な「続きが気になる終わり方」で引きずり込む力…
これぞまさしく「コーベン効果」。
「完成された芸術品」とは言えないかもしれないけど、「中毒性の高いエンタメ」としては、間違いなく一級品でした。
「きっちりした筋書き」を求める人にはオススメしませんが、「ジェットコースターのような刺激」と「サム・クラフリンの名演」を浴びたい人には、うってつけの一本です!

🔵『ハーラン・コーベン/ラザルス』各項目別10点満点評価とレビュー

評価項目点数YOSHIKIのひとことレビュー
ストーリー5/10野心的すぎる賭けが裏目に…。ツイスト優先で、プロットの穴や矛盾が多すぎたのが残念。
映像美9/10素晴らしい。陰鬱でスタイリッシュな「不気味で美しい」雰囲気は、間違いなく一級品でした。
余韻・没入感8/10悔しいけど、一気見不可避。欠点を上回る「コーベン効果」の中毒性で、画面に釘付けにされます。
リピート率6/102回目は粗が目立ってしまうかも。でも、サム・クラフリンの演技を見るためだけにもう一度観る価値アリ。
キャストの演技10/10サム・クラフリンが全てを背負った。彼の「人を惹きつける」名演が、この作品の最大の魅力です。
総合評価7.6/102025年秋、最大の問題作。欠点だらけ、でも目が離せない。この「野心」こそがハーラン・コーベン。

🔴Prime Videoドラマ『ハーラン・コーベン/ラザルス』衝撃のあらすじ結末解説!

【⚠️警告:この先は100%ネタバレです!】
ここからは、物語の終盤で何が起こったのか、その事実を時系列で客観的に解説していきます。

父の自殺と「終わっていない」謎

物語は1998年、主人公のジョエル(ラズ)が、双子の姉サットンの惨殺死体を自宅で発見するという衝撃的なシーンから始まります。

そして現在。
司法精神科医になったラズは、死刑囚アーロ・ジョーンズと面会します。
その直後、妹ジェナから父ジョナサンが拳銃自殺した、との知らせを受けます。
父の遺書には「終わっていない」という言葉と、三本脚のテーブルのような謎の絵、さらにサットン殺害の容疑者が釈放されたという新聞記事が残されていました。

父の死に疑問を持ったラズは、父の診療所でカサンドラという謎の女性に会います。
彼女は1999年に父の診察を受けた元患者でしたが、住所を訪ねると、20年前に殺されていたことが判明します。
ここから、ラズは「幽霊」のような存在に導かれ始めます。

幽霊たちが見せる「ヒント」と新たな容疑者

ラズの前にカサンドラの幽霊が現れ、彼女が恋人ニールを母子像で殺害する「幻」を見せます。
ラズが実際にカサンドラの旧宅を捜索すると、屋根裏から遺体が見つかり、警察の再捜査が始まります。

さらに、死んだはずの姉サットンの幽霊まで現れ、ラズを父と勘違いして「恋人ビリーと別れた」と打ち明けます。
ラズはサットンの元彼ビリーを問い詰めますが、彼は否定。
しかし、彼のノートにはあの「三本脚のテーブル」の絵が描かれていました。
ビリーによると、それは「ドルメン」という、死者と繋がるポータルの象徴だと言います。

ラズは父の診療所の絨毯の下に血痕を見つけ、父がニールの遺体を隠蔽したと推測。疑惑は深まっていきます。

明かされるサットン殺害の「犯人」

今度は、父の秘書だったマーゴの幽霊が現れます。
彼女の導きでマーゴの遺体も発見され、監視カメラ映像から、サットン殺害の元容疑者サム・オルセンがマーゴを尾行していたことが判明。
しかし、オルセンは犯人ではありませんでした。

そんな中、ラズは元妻ベラの息子エイダンから、「自分が実の父親だ」と衝撃の告白を受けます。

ラズは、プロムの夜のホームビデオから、オルセンが自宅に侵入していた可能性に気づき、彼を追跡。
湖でエイダンと共にいたオルセンと対峙し、ついに彼から「サットン殺害は自分がやった」という自白を引き出すことに成功します。

これで25年前の事件は解決!…と思いきや、父ジョナサンの死亡時刻、オルセンには完璧なアリバイがありました。
つまり、サットンを殺したのはオルセンでも、父の死とは無関係。
謎は振り出しに戻り、ラズは父の死の真相を追うことになります。

父の罪と「強要された自殺」

ラズは、セスの上司であるブラウン警部が、父の患者たち(カサンドラ、ハリー、イモージェン)の死亡事件すべてを担当していたことに気づきます。
彼女が父の患者を犯人に仕立て上げ、真相に気づいた父を殺したのでは?
と推測し、ラズは彼女と対決します。

すると彼女は、ラズに「これを聞かせたくない」と1本のテープを見せ、逃走。
しかし、その途中でバスに轢かれて死んでしまいます。
ラズが回収したテープを再生すると…そこには、衝撃の真実が録音されていました。

一連の事件の裏で糸を引いていた「連続殺人鬼」は、尊敬される精神科医であった父ジョナサン・ラザルス博士その人でした。
彼は「彼らの苦しみを終わらせるため」という動機のもと、患者のカサンドラ、ハリー、イモージェンらを次々と殺害していました。
25年前の娘サットンの死が、彼が殺人を始めるきっかけだったようです。

ブラウン警部は、父の共犯者として遺体の隠蔽などを手伝っていましたが、最後には彼の殺人を止めようとしました。
テープには、彼女がジョナサンに罪を認めさせ、拳銃を渡して「自殺を強要する」までの会話が記録されていました。
これが、父の死の真相でした。

最後のどんでん返し

父の幽霊が現れ、ラズに語りかけます。
遺書に書いた三本脚のテーブル(ドルメン)は時間は直線的ではなく、円環的であることを意味し、「息子は父親に似るものだ。血は争えない。流れを壊さない限り、歴史は繰り返す」と…。

すべてを乗り越え、親しくなったローラと新たな人生を歩もうと、ラズは彼女の家を訪れます。
しかし、彼が目にしたのは、荒らされた部屋と、マーゴ殺害の時と同じ凶器を手に「ごめん」と呟く、実の息子エイダンの姿でした。
ラズの絶望の表情で、物語は幕を閉じます。

🔴Prime Videoドラマ『ハーラン・コーベン/ラザルス』ネタバレあり深掘り考察!

🔵深掘り考察①:「父は息子になる」— 繰り返される暴力の螺旋と“三本脚のテーブル”が象徴するもの

本作は単なるミステリーじゃない、と僕は思います。

これは、逃れることのできない「呪い」としての家族のトラウマを描いた、現代の悲劇のようです。
その中心にあるのが、「息子は父になる」というテーマと、「三本脚のテーブル」という象徴的なシンボルです。

この奇妙なテーブルの絵は、ジョナサンの遺書に描かれたことで、物語全体の謎を引っ張るモチーフとなりました。
最終話、父の幽霊はラズにその意味を直接語りかけます。
それは「時間の循環性」であり、「息子は必然的に父になる」という運命の暗示なのだと。
それはラズへの警告であると同時に、この負の連鎖を断ち切ってほしいという、父からの悲痛な願いでもあったんだろうなぁ。

この連鎖は、ジョナサン自身がサットンの死というトラウマによって怪物へと変貌したことから始まりました。
そして主人公のラズは、物語を通してこの「運命」に抗おうとします。
彼は精神科医として、人の心を科学的に理解しようと努め、最終的には妹を殺した犯人オルセンへの復讐心を乗り越え、自らの手で殺人を犯すことを思いとどまります。
一瞬、彼は連鎖を断ち切ったかに見えました。

しかし、エイダンの登場がその希望を無慈悲に打ち砕きます。
暴力の「呪い」は、父から息子へではなく、一世代を飛び越えて孫へと受け継がれた…と僕は解釈しました。
そもそも三本の脚しかないテーブルは、構造的に不安定ですよね。
これは、サットンの死によって一つの脚を失い、根本から崩壊してしまったラザルス家そのものを象徴しているのではないでしょうか。
一度受けた深い傷は、世代を超えて家族という構造そのものを蝕み、新たな悲劇を生み出し続ける。
本作が提示するこのどうしようもなく悲観的な結論こそが、物語に深い余韻と恐怖を与えているんだと思います。

🔵深掘り考察②:科学と超自然の境界線 — なぜ本作は「幽霊」という曖昧な装置を必要としたのか?

「結局、幽霊は本物だったの? それとも全部ラズの妄想?」 この曖昧な結末に、モヤモヤした人も多いかもしれません。
でも僕は、この「曖昧さ」こそが本作の核であり、ある意味で優れた点なんじゃないかと思っています。

主人公のラズは、科学と論理を信じる精神科医です。
そんな彼が、説明不能な心霊現象に遭遇する。
この「科学 vs 超自然」という対立構造が物語の基本にあります。
そして、物語は最終的に「カウンセリングの録音テープ」という合理的な「逃げ道」を提示しました。

では、なぜ最初から心理スリラーとして描かず、わざわざ「幽霊」を登場させたのか?
それは、この物語が「深刻なトラウマが、その人の現実世界をいかに壊してしまうか」を描いているからだと思います。
ラズのような理性の塊である人間にとって、愛する家族を立て続けに失うという悲劇は、彼自身を根底から揺るがす出来事でした。
彼の精神が崩壊していく過程は、彼にとって「世界の法則が壊れる」ことと同じだったんです。

つまり、本作は「超常現象ホラー」というジャンルの“言葉”を借りて、「心の崩壊」という“現実”を描いている…と僕は感じました。
彼が見た「幽霊」は、心の奥底に封じ込めていた、トラウマ的な記憶の「例え」だったのではないか。
この曖昧な演出は、ラズの砕け散った精神世界に、僕たちを没入させるための、最も効果的な手法だったんだと思います。

🔵深掘り考察③:「崩壊」の演技が物語を救った — サム・クラフリンという最大の功労者

正直に言いますね。

本作の筋書きには、かなり強引な展開や「ご都合主義」と感じる部分が少なくありませんでした。
Rotten Tomatoesで33%という批評家からの厳しい評価がそれを物語っています。
僕自身もネタバレなしレビューで書いた通り、「それでいいの!?」とツッコミたくなる箇所は山ほどありました。

にもかかわらず、なぜ僕たちは最後まで画面に釘付けにされてしまったのか。
その答えは、間違いなく主演サム・クラフリンの「圧巻の演技」にあります。

彼が演じたラズの「崩壊していく様」は、まさに鳥肌ものでした。
科学者としての冷静な自分と、説明不能な恐怖に苦しむ弱い自分が、彼の内面で激しくせめぎ合う。
その葛藤、混乱、絶望、そして狂気の淵をさまよう繊細な表情の変化…。
彼がいなければ、この「ムチャクチャ」ともいえる物語は、空中分解していたでしょ!(笑)間違いなく。

高すぎるコンセプトと、穴だらけの脚本というリスクを、一人の俳優の説得力が繋ぎ止める
これは、そんな稀有な作品です。
サム・クラフリンという俳優が、ラズというキャラクターの痛みを本物にしたからこそ、僕たちは彼の見る「幽霊」を信じ、彼の辿る運命に心を痛めることができたんです。
本作の「中毒性」の源泉は、間違いなくサム・クラフリンその人です。

🔵深掘り考察④:ハーラン・コーベンの野心 — Netflixからの脱却と“コーベン・ブランド”の危険な再発明

最後に、この作品がクリエイターであるハーラン・コーベンにとって、どれほど重要で野心的な一歩だったのかを考察してみたいと思います。

ご存知の通り、コーベンはNetflixとのタッグで『ザ・ストレンジャー』『偽りの銃弾』など、数々のヒット作を生み出し、「コーベン・ブランド」を確立しました。
それらは主に彼の小説を原作とした、地に足のついた傑作ミステリーでした。

しかし、本作『ラザルス』は、その成功の方程式を自ら壊すような、大きな賭けだったと思います。
プラットフォームをPrime Videoに移し、初めて小説原作ではない完全オリジナル脚本で挑み、そして作風を「不気味で美しい」超常的なサイコホラーへと大きく舵を切ったんです。

この大胆な挑戦が、評価を真っ二つに割った最大の理由だと思う。
これまでのコーベン作品を期待したファンは戸惑い、新たな刺激を求めるファンは熱狂しました。
これは、コーベンが自身のブランドイメージを「作り直そう」とする、苦しみだったのかもしれない。

彼はもはや、単なる「優れたプロットの作り手」でいることに満足せず、より深く、暗く、そして芸術的な領域へと足を踏み入れようとしているのではないか。
『ラザルス』は、その野心的な挑戦状です。
完璧な作品ではないかもしれません。
しかし、一人のクリエイターが自らの「得意な場所」を抜け出し、未知の領域へ挑むその姿は、たとえ不格好であったとしても、心を揺さぶるものがありました。
本作は、ハーラン・コーベンのキャリアにおける、最も重要で、最も危険な転換点として記憶されるはずです。

🔴『ハーラン・コーベン/ラザルス』続編の可能性は?

シーズン2は制作されるのか?クリエイターが語る「完結した物語」

あんなに「続きが気になる終わり方」をしておきながら、非常に残念なお知らせがあります。
クリエイター陣は、シーズン2の可能性は低いとハッキリ言っているみたいです。

ハーラン・コーベンは、「シーズン1で完結した物語として作っている」「全ての答えは6話の中にある」と語っており、彼の作品は基本的にシーズン2を制作しない方針とのこと。
もちろん、世界的な大ヒットとなり、制作陣がシーズン1を超えるアイデアを思いつけば可能性はゼロではありませんが、現時点では期待しない方が賢明だろう。

あのラストは、物語を続けるための伏線ではなく、「暴力の連鎖は終わらない」というテーマを視聴者に突きつけるための、残酷で完璧な幕引きだったんだと思います。

🔴Prime Videoドラマ『ハーラン・コーベン/ラザルス』まとめ!

YOSHIKI
YOSHIKI

この記事で振り返った『ラザルス』のポイントをまとめますね。

●【視聴前の見どころ】
ハーラン・コーベンが「超常現象ホラー」という新境地に挑む点や、豪華キャスト陣に期待していました。
●【ネタバレなし感想】
観てみたら、批評家評価は最悪(Rotten 33%)!
でも「中毒性」がすごくて止められない、賛否両論の問題作でした。
●【結末(ネタバレ)】
サットンを殺したのはオルセン。
でも、父ジョナサンこそが連続殺人鬼であり、ブラウン警部に自殺へと追い込まれていました。
●【ラスト(ネタバレ)】
すべてを乗り越えたと思った瞬間、実の息子エイダンもまた殺人鬼だったことが判明。
衝撃の結末でした。
●【考察(ネタバレ)】
この物語は、サム・クラフリンの圧巻の演技によって、ギリギリのところで支えられた「野心作」だった、と僕は結論づけます。

あなたはこの物語の結末を、どう受け止めましたか?
ぜひ、コメントであなたの考察を聞かせてください!

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