今回、紹介する作品は『セナ』です。
作品解説
🔸世界的な英雄として知られるセナのレーシングドライバーとしての成功だけでなく、内面の葛藤、家族や友人関係、そして悲劇的な最後まで多角的に描かれている!
🔸セナの実家での撮影や親族の協力の元、彼の生涯を出来るだけ忠実に描くリアリティを追求した作品!
🔸Netflixオリジナルのドラマ!
ドラマ『セナ』がお勧めな人はこんな人だよ!
🔸F1はもちろん、スポーツドラマが好きな人
🔸歴史に残る人物のドラマに興味がある人
🔸人間ドラマに興味がある人
タイトル | セナ |
制作国 | ブラジル |
配信日 | 2024年11月29日 |
上映時間 | 約60分✖6話 |
ジャンル | 実話もの/ヒューマンドラマ/スポーツ |
監督 | ヴィセンテ・アモリン |
キャスト | ガブリエウ・レオネ/ガブリエル・ルシャ/アリス・ヴェークマン パメラ・トメ/カミラ・マルディラ |
全話鑑賞した後のネタバレ無し感想
いやぁ、物凄く手に汗握るレース展開にハラハラドキドキが止まりませんでした!
この物語は、実在した伝説のF1ドライバーであるアイルトン・セナの人生を多角的に描いたもので、華々しい表側だけでなく、勝利の裏側にある人間ドラマ、ライバルとの激しい争い、そして、F1という過酷な世界で生きる葛藤などこれでもかってくらいにセナという人物に歩み寄った作品だなって印象が強いです。
僕は、アイルトン・セナって名前は聞いたことがある程度で、レース事故で亡くなった程度にしか知らなかったんですが、今作を通してセナを知れて、そして、彼が生涯を通して魅せた勝利への執念やF1の安全面に対する訴えに胸を打たれまくりでした。
セナの実家での撮影や親族の協力も得ながら制作されたリアリティのある作品ですので、是非ね、Netflix加入しているなら観ておくべき1本だと思います。
ネタバレあらすじ/感想/考察
エピソード1 天職
カートレースでの才能開花
1960年、ブラジルのサンパウロで生まれたセナ。
少年時代のセナは、既に並外れた運転技術と勝利への執念をみせる。カートレースでの数々の勝利は、彼のレーシングドライバーとしての才能を強く予感させる。
イギリスへの渡航
カートレースで才能をみせるセナは、友人のチコの紹介でイギリスのフォーミュラフォードへのトライアウトを受けるチャンスをもらった。
しかし、ブラジルから遠く離れた地でのチャンスに挑むには、莫大な費用が必要だった。
セナの父親は、はじめは「ヨーロッパに行ってまでやることじゃない」と考えをもっていたが、セナの情熱を受け取り、自身の大事な車(インパラ)を売却し、費用を工面してくれる。
しかし、挑戦の期間は、1年。1年後には、大学に行き、仕事もすることが条件だった。
F1を目指したいセナと堅実に生きて欲しい両親とのギャップを感じる。
1年間の挑戦に関しては、父親だけじゃなく、母も応援してくれており、彼女リリアンは、イギリスまでついて行く事を決意。
イギリスのトライアウトで、コースレコードを叩き出したセナは、合格。
彼女リリアンと結婚することとなり、彼のフォーミュラフォードへの挑戦は明るいものだった。
フォーミュラフォードへの挑戦は、ライバルとの出会いもあり、19戦12勝と圧倒的な結果だった。
周囲は、セナの今後の更なる活躍を望むが、堅実に生きて欲しい両親や慣れない異国の地での生活に苦しむ妻リリアンの希望もあり、レースを引退しブラジルに帰国する。
それでも、F1への情熱を抑えきれないセナは、再びイギリスへ戻る。
エピソード2 決意
エンジン改良の為イタリアへ
単身、イギリスに戻ったセナは、順調に勝ちを収め、F3レース首位。
残り2レースを残し、2位につけるブランドルに逆転の可能性も残っている状況でブランドルのマシンと比較し、エンジンの弱さが気になるセナ。
セナのチームのエンジンはイタリアで作っている。次のレースまでに30時間掛けて間に合うはずが無いとスタッフに言われるが、セナは優勝を諦める事が出来ず、イタリアへ。
最終レース直前にコータスのレーシングチームのマネージャーを務めるピーター・ウォーから声が掛かり、「優勝を飾れば来年からロータスの一員だ」とスカウトされる。
ブランドルと同様のスペックのエンジンへ改良が出来たセナは、優勝を飾るが、ロータスのオーナーは、セナがブラジル人である事を理由にロータス入りを拒否される。
異国の地で単身で挑む過酷さ
単身でイギリスへ戻ってレースへ向き合う日々。
ブラジルから荷物が届く。中には、ビールやビデオと一緒に妻リリアンからの離婚届も同封されていた。はじめてイギリスへ出向く前に行った結婚式のビデオを見ながら涙する。
イギリス行きに反対していた両親だったが、息子が単身イギリスで孤独に頑張っている事を心配しており、「人生を決めるのはあの子。今は助けを必要としている」と母親は、F3最終レースへ応援に駆け付ける。
ライバルとの出会い
ロータス加入は、見送られたが、マシンが劣るトールマンからF1レーサーとしてのオファーがあった。
トールマンに加入して迎えた第6戦モナコGP。史上最も危険なコースと言われており、その上、物凄い土砂降りで最悪の環境の中、リタイアするチームが多い中、セナは、安定した走りをみせる。
セナの後のライバルとなるアラン・プロストをもう少しで抜けるところで運営がレースが危険と判断し、中止を発表する。その時点での順位が成績となり、2位で終わる。
セナは、幼少期から雨の中の運転は、得意であり、実際にも「雨の魔術師」と言われていた。
レースの結果を評価され、ロータスへ呼ばれる事となる。
エピソード3 野心
マクラーレン・ホンダへの移籍
ロータスへ移籍したセナは、豪雨のポルトガルGPで初勝利を収める。
1年半後、1986年、フランスパリF1年間表彰式でチャンピオンとして表彰されたのは、アラン・プロストだった。
アラン・プロストは、2年連続チャンピオンとなる。
セナは、F1参戦3年目で4位にランクインした。周りの評価と裏腹にセナの頭にはチャンピオンになる事しかなかった。
セナは、最高のマシンを求め、ホンダの強力なエンジンを搭載したマクラーレンへの移籍。
チャンピオンであるアラン・プロストとセナが同じチームでチャンピオンを争う事でホンダのエンジンにも更に注目が集まるとホンダを口説き落とす事でマクラーレン・ホンダが実現する。
初のワールドチャンピオン
1988年は、アラン・プロストとセナが優勝争いを繰り広げる。
セナは、残り5戦を残し、後、1勝でシーズンチャンピオンとなるが、そこから勝てない日々が続く。
なぜ、勝てないのか不安を抱えるセナは、母との電話で「カートに乗っていたあなたはいつでも自信に満ち溢れていた。負けた時はずっと不機嫌だったけど、あなたは決して辞めなかった。あなたは、レースが大好きだったから。勝利はオマケ。」と励ましを受ける。
チャンピオンが掛かった鈴鹿GPでセナは、勝利を納め、初のワールドチャンピオンに輝く。
エピソード4 情熱
漂う緊張感
初のワールドチャンピオンになったセナは、ブラジルの国民的アイドルのシューシャと熱愛報道される。
1989年のチャンピオンを争うアラン・プロストとセナの争いはより過激になっていき、それを煽るメディアは過熱、人前でいがみ合うようになっていく。
セナは、マシンの故障もあり、アラン・プロストに16ポイント差を付けられ、昨年、チャンピオンを決めた鈴鹿GPを迎える。
アラン・プロストは、セナがリタイヤするだけでチャンピオンになれるが、セナは、勝利が必須。
先頭を走るプロストをセナが抜こうとする瞬間、プロストはマシンを接触させ、自らはリタイアする。
チャンピオンを諦められないセナは、スタッフにマシンを押してもらいレースに復帰する。レースは、逆転勝利を納めるが、規定により失格となったセナは、チャンピオンを逃す。
その後、アラン・プロストは、マクラーレンからフェラーリへ移籍。
レースとアイドル業ですれ違いが増えたセナとシューシャ。シューシャは、別れを切り出す。
エピソード5 英雄
セナの信念と価値観
これまでセナは、南米出身という事から人種的な差別や不遇を受けてきた。
セナは記者会見で「F1を運営するスタッフもドライバーやマスコミを全世界でレースを見てくれるファンたちへの責任がある。F1を利用して悪い価値観を押し付けるような事が起きてはならない。こうして声を挙げる事で最後まで戦う」と運営を批判する発言を行う。
1990年のフランス パリFIA本部で行われたドライバーラインナップ発表会が開かれる。
レース出場を掛けてセナの所属するマクラーレンは、FIAトップのバレストルに対して謝罪文を書くように指示する。
それに対して、セナは、「記者会見での発言を公開していない」と価値観を曲げなかった。
バレストルは、セナの意思を聞いた後、それを受けれた事でセナは、レースへ出場できる事となる。
そして、シーズン終盤の鈴鹿GP。
ポールポジション(予選1位)を取ったセナだが、有利なポジションを希望するが、却下される。
それに対して、セナは、第1コーナーでわざとアラン・プロストのマシンと接触させ、両車共にスピンしリタイアとなる。
アラン・プロストがリタイアとなった事でポイント差でシーズンチャンピオンとなったセナは、メディアから「史上最も事故を起こしているチャンピオン」と批判を喰らう。
何としても勝つという執念とこれまでの逆風に対する強い抗議の意思を感じる。
勝利への執念
1991年の終盤戦、シーズン3度目のチャンピオンが掛かった地元ブラジルでのGPでセナは、順調に首位を独走していた。
しかし、ギアボックスに問題の生じたセナのマシンは、徐々に失速する。
それでも諦めないセナは、執念の勝利を納め、3度目のシーズンチャンピオンとなる。
レース後、全身の筋肉が痙攣し、自力ではマシンから降りられないほどに消耗するセナ。
その諦めない姿にブラジル国民だけでなく、F1を愛する世界中のファンが彼を英雄だと認めた。セナは、自身の運転で安全面の問題点をアピールしたり、チームやFIAに対して改善を求める抗議を伝え続ける。
その後、最高のマシンを求めセナは、ルノーへ移籍する。
エピソード6 時間
勝利と安全性
アラン・プロストが引退した翌シーズン、F1のレギュレーションが変更される。
これまで使われてきた電子制御装置の使用が禁止された。
また、路面は荒れ、レース中の事故も多発している状況にセナは、ドライバーの安全性に不安視していた。
セナは、ドライバーズ協会の再開させる為に積極的に参加する。
1994年、第3戦イモラGPは、予選でも事故が多発し、ブラジル出身のラッツェンバーガーは死亡。
安全性を主張するも、FIA(国際自動車連盟)は、レギュレーションの変更はせず、予定通りイモラGPは開催され、セナは、300キロを超える速度で壁に激突し帰らぬ人となった。
セナの亡くなった後、ドライバーズ協会は再興され、F1の安全基準を見直す動きが加速し、多くの安全対策がなされた。
その後、20年1度も死亡事故は起きていない。
個人的評価
10点満点中/9点
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