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Netflix『大洪水The Great Flood』ネタバレ考察!Tシャツの数字21499とジャイン結末の意味を完全解説!感想、評価!

Netflix
 

映画『大洪水』完全解説!ネタバレあらすじ・Tシャツの数字の意味・ジャインの正体から本当の結末まで総まとめ【Netflix】

こんにちは!YOSHIKIです!

年末のNetflixは、これがあるから寝不足確定なんです。
『イカゲーム』や『地獄が呼んでいる』に続く、韓国発の超大型SFサバイバル・スリラー。
その名もズバリ、『大洪水』(原題:The Great Flood)!!

タイトルだけ聞くと「あー、災害パニックものでしょ?」と思いますよね?
僕も最初はそう思ってました。
でも、リサーチを進めるうちに背筋が凍りました。
これ、ただの水害パニックじゃありません。
「AI」「タイムループ」「シミュレーション」……!?
不穏なキーワードが次々と飛び出してくる、とんでもない怪作の予感がします。

主演は『梨泰院クラス』の最強ヒロイン、キム・ダミ
そして『イカゲーム』『ペーパー・ハウス・コリア』の怪優、パク・ヘス
この二人が、水没していくマンションという「密室」で、命と、そして「人類の未来」を賭けて激突します。

配信開始は2025年12月19日(金)
世界中が飲み込まれるその日を前に、この映画の「ヤバすぎる正体」を予習しておきましょう!

【このブログの楽しみ方について】

いつも『YOSHIKIのMOVIE SELECTION’S』を読んでくれて、本当にありがとうございます!
このブログでは、読者の皆さんと「作品を待つワクワク感」から「観終わった後の語り合いたい気持ち」までを共有するため、【随時更新】というオリジナルの記事スタイルを採っています。
これは、僕が考え抜いた、みんなと最高の映画体験をするための形です。
この記事は、公開後に【ネタバレなし感想】、【ネタバレあらすじ結末解説】、【ネタバレあり考察】と段階的に更新していきます。
ぜひ、この記事をブックマークして、映画館に行く前、そして観終わった後にもう一度訪れてください!
この場所で、作品の感動を語り合い、一緒に物語の「終い」を見届けましょう!
 

🟡Netflix映画『大洪水』基本情報!

YOSHIKI
YOSHIKI

監督は『テロ,ライブ』のキム・ビョンウ!
「限定された空間でのサスペンス」を作らせたら右に出る者はいない天才です。
今回は「水没するマンション」という極限状況。息が詰まるような緊張感が約束されています…!

項目詳細
タイトル『大洪水』
(原題:The Great Flood / 대홍수)
監督・脚本キム・ビョンウ
(『テロ,ライブ』『PMC:ザ・バンカー』)
キャストキム・ダミ
パク・ヘス
クォン・ウンソン
チョン・ユナ 他
上映時間108分(濃密な1時間48分!)
配信開始日2025年12月19日(金) Netflix世界独占配信

🔵公式予告編

 

🟡【ネタバレなし】公開前に知るべき!本作がヤバい3つの理由!

「ただの洪水映画」だと思って観ると火傷します。
釜山国際映画祭で賛否両論を巻き起こした衝撃作。
なぜこの映画が「SFスリラー」と呼ばれるのか?
その謎めいた魅力を3つのポイントで解説します!

①衝撃のジャンル転換!パニック映画からの「SFミステリー」へ

予告編を見ると、津波に襲われる都市、沈んでいくビル……と、完全に『デイ・アフター・トゥモロー』的なパニック映画に見えますよね?
ですが、海外のレビューを見ると不穏な言葉が並んでいます。
「困惑させるSF」「デジタル・コードの幻影」「シミュレーション仮説」……。

どうやらこの物語、中盤から「世界の真実」をめぐるSFミステリーへと激変するようなんです。
主人公のアンナが「AI研究者」であること。
保安要員のヒジョが、他の生存者を無視してまでアンナを確保しようとすること。
そして画面にノイズのように走るデジタル信号。
この大洪水は、本当に「自然災害」なのか? それとも誰かが仕組んだ「プログラム」なのか?
予測不能なストーリー展開に、脳みそが揺さぶられること間違いなしです!

②キム・ダミ vs パク・ヘス!「最強の矛と盾」の演技合戦

キャスティングが神がかっています。
主演は『The Witch/魔女』や『梨泰院クラス』で、圧倒的なカリスマ性を見せつけたキム・ダミ
今回は「AI研究者」でありながら、子供を守るために極限状態で戦う「母親」という、かつてない難役に挑みます。

対するは『イカゲーム』での冷徹な演技が世界を震わせたパク・ヘス
彼が演じるヒジョは、任務遂行のためなら非情な決断も下す保安要員。
「子供を守りたい母」と「任務を優先する男」。
水没していく閉鎖空間で、この二人の倫理観と信念がぶつかり合うドラマは、アクション以上にスリリング!
二人の表情、呼吸、視線の動き一つ見逃せません。

③製作期間2年以上!韓国VFX技術の粋を集めた「水の恐怖」

本作の撮影が終わったのは2023年の初頭。
そこから配信まで、なんと約2年10ヶ月もの時間をポストプロダクション(編集・CG作業)に費やしています。
これは異常な長さです。

それだけ、この映画における「水」の表現が難しく、かつ重要だったということ。
狭い廊下を襲う鉄砲水、エレベーターシャフトを逆流する濁流、部屋を満たしていく恐怖の水位。
日常の象徴であるマンションが、水によって「処刑台」へと変わっていくビジュアルは圧巻の一言。
韓国映画界が本気で作り上げた映像体験は、スマホではなく、できるだけ大きな画面で観ることを強くオススメします!

 

🟡『大洪水』キャストとあらすじ!

YOSHIKI
YOSHIKI

キム・ダミさんの「天才」役って、もう安心感しかないですよね。
でも今回は「母親」としての弱さや必死さも見られるとのこと。
新しい彼女の表情が見られそうで楽しみです!

●アン・ナ(演:キム・ダミ)
有能なAI開発研究員。
大洪水の日に幼い息子と共にマンションに取り残される。
災害の中で生き残ろうと足掻くが、彼女自身が「人類最後の希望」として、ある重大な秘密を握っている。
●ソン・ヒジョ(演:パク・ヘス)
人力保安チーム(HRST)の精鋭隊員。
アンナを救助(回収)するという特命を帯びて、水没するマンションへ突入する。
冷静沈着なプロフェッショナルだが、アンナとの出会いが彼の鉄の意志を揺るがしていく。

『大洪水』【あらすじ】

地球最後の日、世界は水に飲み込まれた。
異常気象による豪雨と巨大津波が都市を襲い、地上のすべてが水没していく中、ある高層マンションの一室に、AI研究者のアン・ナ(キム・ダミ)と幼い息子が取り残される。

水かさは刻一刻と増し、下層階からの脱出は不可能。
絶望的な状況の中、彼女の元に現れたのは、人力保安チームのヒジョ(パク・ヘス)だった。
彼は危険を顧みずアンナを助けようとするが、その目的は単なる人命救助ではなかった。
「あなたは人類に残された最後の希望だ」

ヒジョの真の目的とは?
なぜアンナだけが特別扱いされるのか?
そして、この大洪水の裏に隠された、人類の存亡に関わる「衝撃の真実」とは――?
水没していく密室で、物理的なサバイバルと、現実の定義を揺るがす心理戦が幕を開ける。

 

🔴Netflix『大洪水』ネタバレなし感想

観終わった直後の、僕の第一声を聞いてください。
「騙された!!……でも、嫌いじゃない!!むしろ好きかも!?」

正直に言います。この映画、大・問・題・作です。
今、ネット上の評価が真っ二つに割れているのをご存知ですか?
「今年一番の傑作」と絶賛する人と、「期待はずれ」と激怒する人が殴り合っているような状態です(笑)。

なぜそんなことになっているのか。
それは、この映画が「ジャンル詐欺」スレスレの構成をしているからです!

タイトルと予告編を見て、『TSUNAMI -ツナミ-』や『ポセイドン』のような、熱い脱出パニック映画だと思って観始めますよね?
実際、最初の45分は完璧なんです。
開始5分でアパートが浸水し、15分で7階まで水没。
「子供がぐずって進めない」みたいなリアルなストレス描写も含めて、パニック映画としての完成度は神レベル。
「うわー、これぞNetflixマネー!最高!」と拳を握りしめていました。

しかし……中盤から、物語はとんでもない方向へハンドルを切ります。
「あれ? 脱出劇じゃなかったの?」
「なんか……難しくない?」
そう、この映画の正体は、王道パニックではなく、『インターステラー』や『テネット』に近い、超・難解なSF哲学的スリラーだったんです!!

この「裏切り」をどう受け取るか。
「スカッとするエンタメが見たかったのに!」と怒るか。
「うわ、パニック映画だと思ったら、人類の存亡を問う話だったのか!」と知的興奮を覚えるか。
そこで評価が天と地ほどに分かれています。

僕個人の感想としては……「アリ」です。
確かに後半のテンポは独特ですが、主演のキム・ダミさんの演技が凄すぎて、理屈抜きにねじ伏せられました。
「AI研究者」としての冷徹な知性と、極限状態で剥き出しになる「母性」。
この二つが矛盾しながら同居する彼女の表情を見るだけで、お釣りが来ます。

💡YOSHIKIの正直ポイント!
「今日は頭を空っぽにして、派手なアクションでスカッとしたい!」という日には、絶対に観ないでください(笑)。
逆に、「クリストファー・ノーラン監督の映画が好き」とか、「観終わった後に考察サイトを読み漁るのが趣味」という方には、最高のご馳走になるはずです。
覚悟を決めて、この「知的な洪水」に飲み込まれてください!

 

🔵『大洪水』各項目別10点満点評価とレビュー

ストーリー
5/10
設定が興味深いが、難解すぎる。
前半のパニック展開から、後半のSF展開への接続が急すぎて、正直ポカーンとしてしまう瞬間も。「物語の結末は予想の範疇だが、過程は楽しめる」というよりは、「過程が複雑すぎて結末の感動が薄れた」という印象。説明不足感は否めません。
映像
9/10
圧巻。水の表現が芸術レベル。
アパートという閉鎖空間に迫りくる水の質感、重低音で響く水圧の音。息をのむほど美しい絶望がそこにあります。派手さよりも、肌にまとわりつくようなリアリティある恐怖演出が秀逸でした。
余韻
6/10
深く考えさせられるが、モヤモヤも残る。
「愛とは何か」というテーマ性は素晴らしいですが、カタルシス(解放感)はありません。感情的なしこりなく、気持ちよく見終われる作品を求めていると、少し消化不良を起こすかも。
リピート率
8/10
伏線回収のために見返す価値あり。
「あそこのセリフ、そういう意味だったのか!」と気づくために、すぐに2周目を始めたくなります。ディテールを確認するために見返すのが楽しい、スルメのような作品です。
キャスト
10/10
キム・ダミの「神演技」だけで満点。
主演キム・ダミとパク・ヘス。この二人の演技合戦は、もはや格闘技です。特にキム・ダミの、守るべきものを持った時の「獣のような目」には完全に感情を支配されました。
総合
7.0/10
「王道パニック」を期待すると火傷しますが、「野心的なSFサスペンス」として観れば傑作になり得るポテンシャルがあります。評価が分かれるのも納得の、韓国映画界の”挑戦状”のような一作です。
 

🔴Netflix『大洪水』ネタバレあらすじ結末解説

⚠️【警告:ここから先はネタバレ全開です!】
物語の核心部分、Tシャツの数字の意味、そして衝撃の「真のラストシーン」まで詳細に記述します。
映画を未見の方は、絶対にスクロールしないでください。
真実を知る覚悟がある方だけ、先に進んでください!

①日常の崩壊:ソウル沈没のタイムリミット

物語は2025年のソウル。
AI開発の研究者であるアンナ(キム・ダミ)は、6歳の息子ジャインと高級アパートで暮らしていた。
ある日、南極に小惑星が衝突したというニュースが世界を駆け巡る。
その衝撃で氷床が一瞬で溶け出し、地球規模の「メガ津波」が発生。
通常の大雨とは次元が違う速度で、ソウルの街に海水が押し寄せてくる。

アパートは瞬く間に低層階から水没。
アンナは息子を連れて避難しようとするが、エレベーターは停止し、階段はパニックに陥った住民で溢れかえっていた。
緊迫する状況下で、ジャインは発作を起こしたり、トイレに行きたがったりと、まるで人間のような生理現象を見せるが、どこかタイミングが悪くアンナを困らせる。
「早く高いところへ!」
生存本能だけで動き出した彼女の前に、謎の男ヒジョ(パク・ヘス)が現れる。
彼は他の生存者を無視し、アンナ親子だけを確保しようとする。

②残酷な真実:ジャインは「感情エンジンの器」だった

ヒジョの冷徹な先導で屋上に到達したアンナとジャイン。
ヘリが待機していたが、そこでヒジョが告げたのは残酷な真実だった。
「回収するのはデータだけだ」

実は、ジャインは人間ではなかった。
彼はアンナが開発した「感情エンジン」を搭載したテスト体(アンドロイド)であり、研究所は人類滅亡の危機に際し、新人類の種となる「感情データ」が入ったジャインのみを必要としていたのだ。
アンナも研究員として当初はこの計画に同意していたはずだった。
しかし、いざ別れの瞬間、彼女の中に抑えきれない感情が溢れ出す。
「嫌だ!渡さない!」
テスト体だと分かっていても、共に過ごした日々で芽生えた愛は本物だった。
アンナの悲痛な叫びも虚しく、二人は引き裂かれる。
ジャインは回収され、アンナは別のロケットへと乗せられる。
この時、彼女が着ていたTシャツは、まだ「無地(白)」だった。

 

③ロケット事故と「491」回目の朝

ジャインと別れ、失意のままロケットで宇宙へ向かったアンナだったが、小惑星の破片と衝突し意識を失う。
……次に目を覚ますと、彼女は「大洪水が起きた日の朝」に戻っていた。
しかし、何かが違う。
昨日まで着ていた白い無地のTシャツには、「491」という数字が書かれていた。

部屋はすでに浸水しており、電話でヒジョから「ジャインと一緒に上に逃げろ」と指示される。
クローゼットに隠れていたジャインは怯えながらこう呟く。
「僕はなんでずっと6歳なの? 昨日も6歳、その前の6歳だった」
彼もまた、終わらない時間の檻に気づき始めていたのだ。

④繰り返される死と「Tシャツの数字」

ここから、アンナの壮絶なループ地獄が描かれる。
アンナはジャインを救おうとするたびに、津波にのまれ、ガス爆発に巻き込まれ、暴徒に襲われ、命を落とす。
しかし、死ぬたびに時間は巻き戻り、Tシャツの数字だけが増えていく。

心肺蘇生され目覚めると「787」
ガス爆発から助け出されると「1931」
ジスという少女をエレベーターから救おうとして溺死した次は「4007」
妊婦を助けた時には「7995」……。

数字は、彼女が失敗し、絶望を繰り返した回数だった。
アンナは、ヒジョに「あなたはヘリに乗れない」と伝え、ヒジョもまた、何度も殺されていた事に気づき、アンナに協力するようになる。

 

⑤21499回目の奇跡:クローゼットの約束

記憶が混濁する中、アンナはジャインが描いていた絵を思い出す。
そこには「屋上のクローゼットに隠れるジャイン」の姿があった。
そう、最初の別れの時、アンナはジャインに「屋上のクローゼットに隠れて」と耳打ちしていたのだ。
ジャインはずっと、何万回もその約束を守り続けていた。

ヒジョと協力し、屋上へ向かうアンナ。
たどり着いたその時のTシャツの数字は、「21499」
2万回を超える死の果てに、彼女はようやくクローゼットの中のジャインを見つけ出す。
低血糖で震えるジャインに、ジスのおばあちゃんから頂いたオレンジジュースを飲ませるアンナ。
ついに、彼女は正解のルートにたどり着いたのだ。

⑥真実:5年間の記憶とアンナの決断

ここで、全ての始まりの記憶が鮮明に蘇る。
最初の事故で死ぬ間際、アンナは研究員たちに志願していた。
「私が実験体になります」
彼女は自分の記憶とジャインのデータを「イザベラ研究所」に送り、この果てしないシミュレーションを開始させたのだ。
その目的は、感情エンジンを完成させ、いつか新しい人類として地球に戻るため。

回想の中で、5年前のアンナの姿が映し出される。
感情エンジンの開発に行き詰まっていた彼女は、「経験を一から積むには時間がかかりすぎる」と判断し、先に感情を持った子供(ジャイン)を作り、彼を育てることで母性という感情を完成させようとしていた。
ジャインの成長を見守り、大切な人を亡くす悲しみを知り、アンナの心はプログラムを超えて、本当の「母親」へと成長していったのだ。

真実を思い出したアンナの迷いは消えた。
彼女は迫りくる研究所の追手(データ回収班)から、ジャインを先に海に逃がす。
「私はあとから向かうから」そう告げて。

⑦結末:深海での再会、そして宇宙からの帰還

ジャインを探し深く、冷たい水の中へ沈んでいくアンナ。
しかし、彼女は諦めない。
必死に水をかき、再び浮上した先で、彼女はついにジャインを見つける。
漂流物の柵にしがみついていたジャインを、アンナは強く、優しく抱きしめる。

迫りくる巨大な津波。
もう逃げ場はない。
けれど、アンナの顔に恐怖はなかった。
「ジャイン、ママと潜りっこ(モグりっこ)しようか?」
まるで遊びの続きのように語りかけ、二人は身を寄せ合う。
その瞬間、全てを飲み込む大波が押し寄せ、画面には『大洪水』のタイトルが静かに浮かび上がる。

暗転後、場面は宇宙へと切り替わる。
静寂の中、無数に浮かぶ宇宙船ポッドの一つで、アンナが目を覚ます。
隣には、穏やかな顔のジャインの姿があった。
シミュレーションは成功したのだ。
窓の外には、青く美しい地球が輝いている。
二人は「感情」を持った新人類として、複数のポッドと共に、再生した地球へと帰還していく。
そこで物語は静かに幕を閉じた。

 

🔴『大洪水』ネタバレあり考察

YOSHIKI
YOSHIKI

みなさん、頭の中が「?」で埋め尽くされていませんか?(笑)
「2万回ってどういうこと?」「あのキャラは何者?」
この作品、説明されない部分が多すぎてモヤモヤしますよね。
でも、その余白こそが監督の狙い!
ここからは、僕が映画を観ながら必死にメモした謎を、7つのポイントで徹底的に深掘りします。
この考察を読めば、もう一度最初から観たくなること間違いなしです!

🔵考察①:「21499」という数字が示す“58年分”の愛

僕がこの映画で最も戦慄したのは、アンナのTシャツの数字です。
「21499回」のループ。これ、時間になおすとどれくらいか計算してみましたか?
仮に1回のループが「大洪水が起きた1日(24時間)」だとしましょう。
21,499日 ÷ 365日 = 約58.9年

言葉を失いませんか?
アンナは、あの水と泥と暴力にまみれた地獄の1日を、およそ60年間も繰り返していたことになります。
人間なら、数回繰り返しただけで精神が崩壊するレベルです。
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のトム・クルーズでさえ、心が折れそうになっていました。
しかしアンナは、約60年もの間、たった一つの目的のために正気を保ち続けました。

なぜ、彼女は狂わなかったのか?
それは「ジャインを守る」という目的が、単なる任務ではなく、彼女の魂に刻まれた本能だったからです。
数字が増えるたびに、彼女の戦闘スキルは上がり、迷いは消え、目つきは鋭くなっていきました。
それは「強くなった」のではありません。
「母親」として研ぎ澄まされていったのです。
この「21499」という数字は、AIには決して計算できない「母性の執念」を可視化した、映画史に残る恐ろしい刻印だと僕は思います。

 

🔵考察②:ジャインはただの「データ」だったのか?

ジャインは「テスト体(アンドロイド)」でした。
研究所にとっては、彼は単なるデータの器に過ぎません。
しかし、彼がクローゼットで呟いた「昨日も6歳、その前の6歳だった」という言葉。
これは、物語の根幹を揺るがす重要なセリフです。

本来、シミュレーションがリセットされれば、NPCであるジャインの記憶も初期化されるはずです。
データ上の彼は、毎回「初めまして」の状態であるべきなのです。
しかし、彼は覚えていました。
これは何を意味するのか?
それは、彼が単なるプログラムの枠を超えて、アンナとの関わりの中で独自の「意識」や「心」を獲得していた証拠ではないでしょうか。

SF映画の金字塔『ブレードランナー』や『A.I.』でも描かれたように、記憶と感情を持った存在は、たとえ作り物であっても「人間」と呼べるのではないか?
アンナが感情エンジンを完成させたのではなく、「二人の関係性が互いに魂を宿らせた」
ジャインが約束を守り、屋上のクローゼットで震えながら待ち続けたその姿は、どんな高度なAIよりも人間らしい「信頼」と「愛」の証明だったのです。

 

🔵考察③:謎の男ヒジョは「敵」か「味方」か?

パク・ヘス演じるヒジョ。
彼は結局、何者だったのでしょう?
僕は、彼もまた「シミュレーションの管理者AI」あるいは「監視プログラム」だったと考えています。

1周目の彼は冷徹にアンナを「部品」として扱い、邪魔者を排除するターミネーターのような存在でした。
しかし、ループを重ねるごとに、彼の行動も変化していきました。
アンナにジャインの写真を見せたり、自分を犠牲にしてアンナを助けたり。
「騙そうとしているなら、写真なんか見せない」という彼のセリフは、プログラムのエラーではなく「進化」です。

彼もまた、2万回のループの中でアンナの予測不能な行動(非合理な母性)に触れ続け、学習し、変化していったのです。
最初は「監視者」としてアンナを追い詰める壁でしたが、最終的には彼女の成長を見守り、正解ルートへと導く「父親」や「守護者」のような役割を果たしていたのかもしれません。
彼が最後にアンナと離れた瞬間、彼もまた「心」を獲得して消えていった……
そう考えると、彼もまたこの長い旅の被害者であり、功労者だったと言えるかもしれない。

 

🔵考察④:なぜ「大洪水」だったのか? 聖書的なリセットの意味

タイトル『大洪水(The Great Flood)』。
これは旧約聖書の「ノアの方舟」を強く意識したメタファーだと思います。
聖書において、大洪水は「堕落した人類を一掃し、世界を浄化する」ために神が起こした現象でした。

この映画でも、洪水は単なる自然災害ではありません。
それは、感情を失い、機能不全に陥った旧人類(滅びゆく私たち)を洗い流すための「浄化の儀式」として機能しています。
汚れた地上を水没させ、全てをゼロに戻す。
そして、アンナとジャインが乗った宇宙船ポッドは、まさに現代の「ノアの方舟」です。

水没した地球から脱出し、新人類として帰還する二人。
あの泥水は、破壊の象徴であると同時に、新しい生命が生まれるための「羊水」だったとも解釈できます。
そう考えると、あの絶望的な光景も、どこか神聖な儀式のように見えてきませんか?
監督は、テクノロジーと神話を融合させ、「人類の再定義」を描こうとしたのだと思います。

 

🔵考察⑤:アイテム「オレンジジュース」が繋ぐ記憶

地味ですが、僕が一番泣いてしまったのが「オレンジジュース」です。
ジスのおばあちゃんから貰ったジュースを、アンナは21499回目の成功ルートでも大事に持っていました。
これは単なるアイテムではありません。
彼女が数えきれないほどの失敗ルートで出会った、名もなき人々(ジスや妊婦さん、おばあちゃん)の記憶と優しさを背負っていることを表しています。

この過酷なシミュレーションの中で、アンナは何度も他人を助けようとして失敗しました。
でも、その過程で受け取った「善意」だけは、リセットされずに彼女の中に残っていたのです。
彼女はただ最短ルートを効率的に選んだ冷徹なマシーンではありません。
何千回もの「助けられなかった命」への罪悪感と感謝を抱えながら、あの一本をジャインに届けたんです。
あのジュースは、ただの水分補給ではなく、彼女が人間性を失わずに旅を続けた証、いわば「希望のバトン」なのかもしれないなぁ。

 

🔵考察⑥:ジスや妊婦さんが描かれた意味

アンナが途中で助けようとして失敗した、エレベーターの少女ジスや、産気づいた妊婦さん。
なぜ彼女たちのエピソードがあんなに丁寧に描かれたのか。
それは、「母性(愛)はエゴイズムと表裏一体である」という残酷な真実を描くためだと思います。

他人の子供(ジス)を助けようとすれば、自分の子供(ジャイン)を救う時間がなくなる。
この「トロッコ問題」のような究極の選択を、アンナは何千回も突きつけられました。
僕たち観客は、「全員助けてハッピーエンド」を望みます。
しかし、現実は(そしてこのシミュレーションは)そう甘くありません。
最終的に彼女がジャインを選べたのは、彼女が冷酷になったからではありません。
「全ての命を救うことはできない」という無力さを、骨の髄まで痛感し、涙を流しながら「選ぶ」ことを学んだからです。
何かを得るためには、何かを犠牲にしなければならない。
その痛みを知る者だけが、本当の強さを手に入れることができる……
そんな重いメッセージを感じました。

 

🔵考察⑦:本当のラスト!宇宙船での目覚めは「ハッピーエンド」なのか?

ラストシーン、二人は宇宙船で目覚め、静寂の中で青い地球を見つめます。
一見ハッピーエンドですが、よく考えるとこれは同時に「旧人類の絶滅」を意味しています。
彼らを待っている家族も、友人も、もう地球にはいません。
あるのは、静まり返った美しい廃墟だけかもしれません。
彼らは「アダムとイブ」として、たった二人で(あるいはポッドの数人と)世界をやり直さなければならないのです。

それでも、僕はこれをハッピーエンドだと信じたい。
なぜなら、彼らには「感情」があるからです。
悲しみも、喜びも、愛も知っている新人類。
「ママ、潜りっこしようか」という最後のセリフは、過去のトラウマ(水没)を、これからの未来(遊び)に変えていく宣言のようにも聞こえました。
二人が手を取り合っている限り、そこからまた新しい物語が始まるはず。
この映画は、終わりの物語(アポカリプス)ではなく、壮大な「創世記(ジェネシス)」だったのかもなぁ。

 

🔴『大洪水』【完全版】まとめ!

●Tシャツの数字:ループ回数。アンナは約60年分の時間をかけて息子を救った。
●ジャインの正体:アンナが作った人工生命体だが、魂を宿した「人間」そのもの。
●結末の意味:旧人類は滅び、アンナとジャインが「感情を持つ新人類」として地球を継承する。

いかがでしたでしょうか?
Netflix映画『大洪水』。
考察すればするほど、その設定の深さと、キム・ダミが演じきった「愛」の重さに圧倒されます。
2万回の死を超えて、ようやく手に入れた「潜りっこ」の約束。
これからは地球の海で、思う存分遊んでほしいですね。

YOSHIKI
YOSHIKI

最後まで読んでくれてありがとう!
あの数字の意味を知ってからもう一度観ると、号泣必至です。
皆さんはこの結末、どう感じましたか?
ぜひコメント欄で感想を教えてください!

コメント

  1. kaya より:

    丁寧でわかりやすい説明ありがとうございます
    私のアメブロにこちらのリンクを貼らせて頂いてもよろしいですか?
    私はこの作品に良さはあるとは感じましたが、ただ面白いとは思えませんでした
    しかしただ面白くないとだけで片付けたくもないのでyoshkiさんのこのブログをご紹介させて頂ければと思いました
    どうぞよろしくお願い致します

    • YOSHIKI YOSHIKI より:

      kayaさん、コメントありがとうございます!

      丁寧で分かりやすいと言っていただけて光栄です! リンクの件、もちろん大歓迎です!kayaさんのアメブロでご紹介いただけるなんて、とても嬉しいです。

      本作、確かに手放しで「面白い!」と言い切るには少しパワーが必要な作品ですよね(笑)。 それでも「良さはある」と感じ、僕のブログを補足として選んでくださったこと、感謝いたします。

      こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします!

  2. りつ より:

    今日観たけどサッパリ分からなくてモヤモヤしてました。
    読んで納得出来ました。
    ありがとうございます。

    • YOSHIKI YOSHIKI より:

      りつさん、コメントありがとうございます!

      『大洪水』をご覧になったんですね!あのアート性の高い展開は、観終わったあとにモヤモヤしてしまいますよね。 僕の解説が、りつさんの「納得」のお役に立てたなら、これほど嬉しいことはありません。

      読んでいただき、本当にありがとうございました! 他にも面白い作品の考察をたくさん用意していますので、ぜひまた覗いてみてくださいね😊

  3. kaya より:

    ありがとうございます🤗
    アメブロで紹介させていただきます☺️

  4. ななし より:

    【⚠ネタバレを含む質問です!】

    丁寧な解説楽しく読ませていただきました。
    ありがとうございます。
    オールユーニードイズキルやミッキー17のようなタイムリープもの、マトリックスのような仮想現実世界、インターステラーのような移民SFなどが好きなのでこの作品も楽しく観ました。1点だけよく分からない部分がありご意見聞きたいです。車で水没して亡くなった男性はジャインからパパと認識されていたようですが(先輩研究員にも事故後手に負えなくなったから手放したいと言っていた)、ジャインがある程度大きくなってから出来たク・アンナの彼氏でしょうか?あの水没事故は地球滅亡前のリアルな記憶で、シュミレーションではないと思ったのですが、大事な部分のようで何度もフラッシュバックされます。その割にあの男性は顔もろくに映らず影が薄いので……ただ、シュミレーションなら本当の5年間の記憶の中にあるのもおかしい気がしました。

    • YOSHIKI YOSHIKI より:

      ななし様

      コメントありがとうございます!SF作品への深い造詣が伺えるななし様から丁寧なご質問をいただき、僕も改めて思考を巡らせる良い機会をいただきました。

      ご指摘の「水没した男性」についてですが、仰る通りあのシーンはアンナ(ジャイン)の「潜在意識に残っているリアルな記憶」と「シミュレーションのバグ」が混ざり合った象徴的な部分だと僕は解釈しています。

      影が薄く描写されているのは、彼女にとってあまりにも辛すぎる記憶ゆえに、脳が防衛本能で細部を「ノイズ」として処理してしまっているからではないでしょうか。ななし様が感じた「5年間の記憶の中にある違和感」こそが、この物語の核心にある悲劇性を物語っている気がしてなりません。

      1点の疑問からここまで深く作品を愛でてくださり、発信者としてこれほど嬉しいことはありません。ぜひまた、ななし様の鋭い視点をお聞かせください!

  5. らんま より:

    昨夜見てめちゃめちゃ面白かったです。自分の面白かったという感覚を補強したくて
    朝起きて検索しながらいろいろ見て回ってこの考察サイトに辿り着きました。
    自分もブレードランナーのレプリカントたちの切なさを思い出しました。
    あと、イ・セドル対AlphaGoの囲碁対決も思い出しました。
    AIの神の一手、人間の神の一手、みたいな感じで。
    このサイトの素晴らしい考察で気分がスッキリ目覚めました。
    ありがとうございました!

    • YOSHIKI YOSHIKI より:

      らんま様

      コメントありがとうございます! 読後の「気分がスッキリ目覚めた」というお言葉、最高の褒め言葉です!

      「ブレードランナー」のレプリカントの切なさ、そしてAlphaGo……!らんま様の例えが的確すぎて震えました。本作もまた、「人間の感情(神の一手)」がシステムを凌駕しようとする物語でしたね。

      他の作品との繋がりで映画を楽しむらんま様のスタイル、とても素敵です。これからもそんな好奇心を刺激できるような考察を続けていきますので、ぜひまた覗きに来てください!

  6. ロビン より:

    つい最近、NETFLIXでこの映画を見た者です。最初見たときに、なんだか分からない感があるものの、嫌な感じはなく、「何かをリピートして修正している」ことだけはわかりました。アンナたちの6年分の経験のように、私たちが何度も何度も映画を見ることで、その意味を少しずつ理解していくような、そういった映画なのかもしれません。
    Tシャツの数字や、ジャインの「なぜ僕は6歳のままなのか」という言葉は、あとからその意味を教えてくれます。Yoshikiさんの解説やほかの方の解説で、この映画の奥深さを知ることができました。
    私たち人間の記憶や経験も、こんな感じで成り立っているのかもしれませんね。

    • YOSHIKI YOSHIKI より:

      ロビン様

      コメントありがとうございます! 「何かをリピートして修正している」という感覚、まさに本作の核心を捉えた素晴らしい表現ですね。

      Tシャツの数字やジャインの言葉の謎が解けた瞬間のあのスッキリ感、そして切なさ……。ロビン様が仰るように、僕たちの記憶も日々、大切なものを守るために少しずつ書き換えられているのかもしれませんね。

      解説を通じて作品の「奥深さ」を共有できたこと、発信者としてこれほど嬉しいことはありません。また心に刺さる作品があれば、ここで一緒に答え合わせをしましょう。

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